旬の野菜の知恵袋。
菜の花で洋風白和えをつくる。

菜の花で洋風白和えをつくる。

如月を迎えると、爽やかな苦味が出てくる菜の花。和える、焼く、煮る、混ぜ混む、さまざまな料理法で菜の花の魅力を引き出して、料理上手になりましょう。

菜の花は冷水に浸けましょう。

2月に紹介する旬の野菜は、菜の花です。
種まきの時季は秋頃。マイナス気温まで下がらない平地では、花を咲かせるために茎が太く伸びて、薹立ち(とうだち)という状態になります。

菜の花
菜の花は、虫にもほとんど食べられないので農薬いらず。とても栽培しやすい野菜なのです。

花を咲かせるために栄養を蓄えた茎は、こりっとしたワイルドな食感と、独特のほろ苦さ、えぐみが印象的。口内を引き締めてくれるこの味わいが「野菜を食べたなぁ」という満足感を与えてくれます。

ちりめん状の葉はしゃぶしゃぶやお浸しにすると、おいしい出汁をたくさん含むので、茎とは違った調理法で食べると愉しいかもしれませんね。

菜の花
茎はコリッとした食感に甘味とほろ苦さ、穂先は爽やかな菜の香りが感じられます。

菜の花はぎゅっと束ねられた状態で売っているので、ばらばらにして10分ほど冷水に浸けておいてください。しぼんでいた葉が、みるみる内に力強さを取り戻して、まるで菜園から収穫してきたばかりのような新鮮さが蘇ります。
「どうせゆでるから」と買ってきたままのしぼんだ状態でゆでるのと、冷水に浸けてからゆでるのとでは食感や味わいがまるで違います。必ずしてほしい下ごしらえです。
しっかりと水切りをして、ビニール袋にわさっと入れておけば1週間ほどはおいしく愉しめます。刻んで生のままスープや、炒めもの、パスタに混ぜても味のアクセントになってくれるので重宝しますよ。

菜の花
野菜売り場で見かける菜の花は、こんな感じにまとめられています。
菜の花
このまま調理して食べると、グニャッとした食感で魅力が半減します。

まずは、菜の花をさっとゆでて、レモンとねり胡麻、豆腐でつくったクリームを合わせた洋風白和えをつくってみましょう。
芹やふきのとう、春菊といった苦味とえぐみがあるクセのある野菜は、胡麻と豆腐で和えて、コクのある味わいに仕上げると、野菜の個性が活かされます。

菜の花のほろ苦さもしかり。レモンの酸味とナッツの香ばしさを加えて、洋風の白和えにしてみました。キリッと冷えた白ワインがぴったり合う前菜料理です。

菜の花とナッツの洋風白和えのつくり方

材料材料 (2人分)

菜の花150g
木綿豆腐150g
レモン1個
白ねり胡麻大さじ1
オリーブオイル大さじ1
蜂蜜小さじ 2/3
小さじ 1/3
材料
レモンは皮をすりおろすので、ワックスを塗っていない国産のものがよいでしょう。

1下ごしらえ

豆腐はペーパータオルで包んで皿をのせ、10分ほど水切りする。レモンは半分に切り、果汁を搾る。

下ごしらえ
豆腐の形が崩れない程度の重さのものをのせましょう。ペットボトルなどでも大丈夫です。
下ごしらえ
手で持ったときに、水分がつかないぐらいの水分量になれば水切り完了。

2ゆでる

菜の花は大きな葉が付いていれば、外して茎と別にしておく。
鍋にたっぷりの湯を沸かし、茎は40秒ほど、葉は10秒ほどゆでてざるに広げて粗熱をとる。3cmほどの食べやすい長さに切ってから水気をしっかりと搾り、ほぐしてボウルに入れておく。

ゆでる
葉の根本から茎ごと外すようにとりましょう。
ゆでる
茎を湯に入れて、30秒ほど待ってから葉を入れてください。
ゆでる
水分の搾りがあまいと、水っぽい味に仕上がってしまいます。

3豆腐クリームをつくる

フードプロセッサーで豆腐をそぼろ状になるまで回し、レモン果汁大さじ1、白ねり胡麻、オリーブオイル、蜂蜜、塩を加えて、なめらかなクリーム状になるまで混ぜる。フードプロセッサーがなければ、すり鉢やボウルで混ぜ合わせる。

豆腐クリームをつくる
豆腐を細かくしてから調味料を加えると、味が馴染みやすいです。
豆腐クリーム
これぐらいのクリーム状になればOK。

4和える

2に3を加えて、ざっくりと和えたら器に盛り付ける。
上から砕いたミックスナッツとすりおろしたレモンの皮を散らし、オリーブオイルと塩をかけたら完成。

和える
ざっくりと和えて混ぜすぎないぐらいが、緑と白のコントラストが美しく仕上がります。
完成

文:植松良枝 写真:宮濱祐美子

植松 良枝

植松 良枝 (料理研究家)

四季に寄り添った食と暮らしを提案する料理研究家。菜園での野菜づくりがライフワーク。春夏秋冬それぞれの季節が極まり、次の季節の準備期間である「土用」を暦の中でも特に大切にしている。一児の母となり、忙しい日々の中で家族への想いも増してさらに深く土用を考えるようになった。