冬の家庭料理の王者・鍋を進化させる技が、中華にありました。ポイントは、手軽につくれる白菜の浅漬けと、濃口ごま油と生姜の“ごま油生姜”。「中国料理 美虎(みゆ)」の五十嵐美幸シェフに、白菜たっぷり!ヘルシーな冬のごま油鍋を教わります。
鍋の魅力は、一品でいろいろな食材がバランスよく、特に野菜がたっぷり食べられるところ。ただ、ついマンネリ化して家族に飽きられてしまうのが悩みどころです。
たとえば、白菜と豚肉の鍋はよくあるけれど、白菜を浅漬けにするだけでまったく新しいおいしさが生まれます。まず、白菜の身がギュッと締まって煮込んでもくたくたにならず、凝縮した甘味がいいだしに。そして、「純正ごま油 濃口」と生姜のたれを仕上げにかけることで風味はフレッシュ。素材を生かした、飽きのこないおいしさが楽しめますよ。
と五十嵐シェフ。使う材料もシンプルでつくり方も簡単。やわらかな酸味でさっぱりと食べられる、ごま油生姜鍋をぜひ!
白菜 | 1/4株 |
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豚バラ肉 | 150g(薄切り) |
長ねぎ | 1本 |
にら | 1/2束 |
A 白菜浅漬けの調味液 | |
・ 鷹の爪 | 2~3本 |
・ 醤油 | 大さじ3 |
・ 酢 | 大さじ3 |
・ 桜海老 | 5g |
・ 柚子胡椒 | 大さじ1/2 |
B ごま油生姜 | |
・ 「純正ごま油 濃口」 | 大さじ5 |
・ おろし生姜 | 大さじ2 |
★ ほかに | |
鶏ガラスープ | 1L(有塩の顆粒を湯で溶く) |
白菜1/4株は、ひと口大のそぎ切りにする。これをビニール袋に入れたら、Aの材料(鷹の爪2~3本、醤油大さじ3、酢大さじ3、桜海老5g、柚子胡椒大さじ1/2)をすべて加える。
ビニール袋の口をちゃんと閉めたら軽くもみ、そのまま常温で1時間以上置く。
実に簡単!これで絶品の白菜浅漬けの出来上がり。今回は鍋の具としたが、これに「純正ごま油 濃口」を少々かけ、漬物として食べてもおいしい。
豚バラ薄切り肉150gは約5cm幅に切り、沸騰した湯でさっとゆでたら、水気をきる。このひと手間で豚肉のアクが取れ、最後の澄んだ味わいにつながる。
長ねぎ1本は斜め薄切りに、にら1/2束は約5cm幅に切る。3のゆでた豚バラ薄切り肉を入れたボウルに加え、全体を混ぜ合わせておく。
味の決め手のごま油生姜をつくる。ボウルにBのおろし生姜大さじ2を入れ、「純正ごま油 濃口」大さじ5を加えて混ぜ合わせる。
鍋に鶏ガラスープ1Lを入れて中火にかけ、沸騰したら2の白菜浅漬けを汁ごとすべて入れる。さらに4の豚バラ薄切り肉、長ねぎ、にらを中央にのせる。
白菜浅漬けの汁には、醤油と酢に白菜から出た甘味や桜海老の旨味、鷹の爪と柚子胡椒の爽やかな辛味が溶け込んでいる。これと鶏ガラスープが混じり合い、加熱されることで格好の鍋スープになる。
6が再び沸騰したら、上から5のごま油生姜をたっぷりかけて出来上がり。熱々をどうぞ。体が芯から温まります。
豊かな旨味とやわらかな酸味、ごま油生姜の風味が一体となったスープは美味。余ったら、締めにラーメンを入れて食べるのもお薦めだ。
「中国料理 美虎(みゆ)」オーナーシェフ。四川料理をベースに、店では繊細で創造的なガストロノミーを提供する一方、家庭向けにつくりやすくておいしいレシピを提案。モットーは「野菜を多く使うこと」「食材本来の旨味を生かすこと」「四季を感じる料理をつくること」。医食同源の思想と食の楽しさの両立を大切にしている。
写真:牧田健太郎