dancyuのムック
速水もこみちさんは、お弁当がお好き➂

速水もこみちさんは、お弁当がお好き➂

『お弁当バイブル』には、おふくろの味を思わせる家庭的な弁当が登場します。栄養バランスを考えた副菜を盛り込んだ“カジキのステーキ弁当”はそのひとつ。素朴でシブい和風弁当の魅力を速水もこみちさんが語ります。

シンプルで、シブかっこいい弁当をつくろう!

速水さんの料理というと、スタイリッシュでかっこよく、なおかつ斬新。テーブルに出したときに歓声があがるような華やかさが魅力だ。
ところが、『お弁当バイブル』に関しては、いつもと違うパターンを打ち出してみようと考えたそうだ。高級食材や海外の珍しい食材は封印。日常的な親しみのある食材に絞り込んだ。

内容を考えるときには、頭の中にスーパーの棚を思い浮かべるんです。買い物するようにその棚を巡って、こんな野菜があったなとか、魚ならこれを使おうとか。レシピも極力シンプルにするよう心掛けました。お弁当は毎日のことだし、つくる時間も限られる。だから、家庭的で身近なほうが好まれると思ったんです。

速水さん
野菜、薬膳、衛生管理に関する資格まで仕事の合間を縫って取得した速水さん。店を開いてもおかしくないほどの知識と腕前だ。

そんな考えを端的に表すのが、“カジキのステーキ弁当”。甘辛く焼いたカジキにひじきの煮物、茄子の揚げ浸し、たけのこのだし煮などが、懐かしいアルミの弁当箱に詰められて、佇まいはザ・昭和。シブい。でも、かっこいい。速水さんの新しい一面が見えてくる和風弁当だ。

実は、カジキがお弁当によく使われているってこと、友達から聞いて知ったんです。確かに、スーパーにいつもあって、子供にも食べやすくて、魚にしては食べ応えもしっかりある。あっさりと塩焼きにしたり、にんにくや生姜を使ってパンチをきかせたりと幅広く使えるんですね。そんなカジキに合う副菜ってなんだろうと考えていたら、和風のお惣菜が浮かんできたんです。

野菜や海藻を副菜に取り入れれば、体にやさしく健康的。食べる人の体調を思いやる気持ちも、たっぷり込めることができる。それだけではない。この弁当、時短にも効果あり。

副菜はどれもつくり置きがきくので、時間があるときに用意しておけば、朝は詰めるだけで済みますよね。特に、ひじきの煮物は日持ちするので、たっぷりつくって卵炒めにしたり、おにぎりに混ぜたり。僕もプライベートでよくつくるんですが、便利ですよ。

当然、見た目に気を配ることを忘れない。全体の色が茶系中心になって地味に見えるため、差し色を加えるのがポイントだ。カジキにトッピングした大葉とみょうがの千切りはそのひとつ。

ぐっと華やかさが出る。食べたあとも、爽やかな風味が追いかけてきて、さっぱりと食べられるんです。

もうひとつの彩りは、梅干し。紅色が全体を引き締め、色香を添える。「このお弁当は梅干しを入れて完成する」と速水さんがいうほど大事なキャラクターだ。

こういうお弁当って、コンビニはもちろん、お弁当屋さんでもあまり見かけない家庭の味。だからこそ、つくり甲斐のあるお弁当だと思いますよ。

魚、野菜、海藻――地味ではないよ“滋味弁当”。

カジキのステーキ
カジキのステーキ。食べ応えのある身はほろりと崩れる食感。
ゴーヤチャンプルー
ゴーヤチャンプルー。ゴーヤの苦味とスパムの塩味でごはんが進む。

カジキのステーキ

材料 材料 (2人分)

メカジキ 2切れ(切り身)
サラダ油 大さじ1/2
大葉 2枚分(せん切り)
みょうが 2個分(せん切り)
A 酒 大さじ1
A 醤油 大さじ1
A 砂糖 小さじ1
A 味醂 大さじ1/2

ゴーヤチャンプルー

材料 材料 (2人分)

ゴーヤ 1/3本
スパム 1/3缶
木綿豆腐 1/3丁
もやし 50g
しめじ 1/3パック
1個
サラダ油 大さじ1/2
鰹節 少々
B 和風だし汁 大さじ2
B 醤油 大さじ1/2
B 塩 少々
B 胡椒 少々

1 カジキのステーキをつくる

メカジキは4等分に切る。サラダ油を熱したフライパンで両面を焼き、Aをからめる。盛りつけるときに大葉、みょうがを混ぜる。

2 ゴーヤチャンプルーをつくる

ゴーヤは種とワタを抜き、半月切りにする。スパムはさいの目に切り、しめじは石づきを取り小房にわける。木綿豆腐は水を切っておく。
フライパンにサラダ油を軽く熱してからゴーヤ、スパム、豆腐、もやし、しめじを入れ、豆腐は崩しながら炒める。Bで味付けしたら溶き卵、鰹節を加えてからめる。

たけのこのだし煮
たけのこのだし煮。淡い味付けが箸休めに最適。
茄子の揚げ浸し
茄子の揚げ浸し。だしに浸る茄子はとろっと繊細。
ひじきの煮物
ひじきの煮物。甘すぎない塩梅で食べ飽きない。

たけのこのだし煮

材料 材料 (2人分)

たけのこ 1/2本(水煮)
和風だし汁 200ml
薄口醤油 小さじ1
小さじ1
味醂 小さじ1

茄子の揚げ浸し

材料 材料 (2人分)

茄子 1本
しし唐辛子 4本
大葉 2枚分(せん切り)
C 生姜 小さじ1/2(すりおろし)
C 和風だし汁 大さじ4
C 醤油 大さじ1
C 酒 大さじ1
C 味醂 大さじ1
揚げ油 適宜

ひじきの煮物

材料 材料 (2人分)

ひじき 20g(戻したもの)
ごぼう 30g
油揚げ 1枚
サラダ油 大さじ1/2
D 和風だし汁 100ml
D 砂糖 大さじ1
D 醤油 大さじ1と1/2

3 たけのこを煮る

たけのこは一口サイズで薄めに切り、鍋にすべての材料を入れて10分煮る。

4 茄子を揚げ浸しにする

茄子は切り込みを入れて乱切り、しし唐辛子は切り込みを入れる。Cを鍋に沸かしておき、素揚げして漬ける。盛り付けるときに大葉をのせる。

5 ひじきの煮物をつくる

ごぼうはさきがけにし、油揚げは横半分に切ってから細切りにする。鍋にサラダ油を熱し、ひじきと炒める。Dを入れたら落とし蓋をして煮含める。

教える人

速水もこみち

速水 もこみち

1984年8月10日生まれ。東京都出身。テレビドラマや映画など、俳優として活躍するほか、特技の料理を生かし2011年より日本テレビ「ZIP!」内のMOCO'Sキッチンに出演。

カジキのステーキ弁当
カジキのステーキは、ごはんの横に。タレとごはんが相まったご馳走が、弁当の中で完成します!
お弁当バイブル by 速水もこみち
お弁当バイブル by 速水もこみち
337種類のメニューを紹介!
おかずバリエーションが増える、素敵な詰め方がわかる、彩り美しい傑作がつくれる……、速水流のアイデアが満載!

テレビなどで活躍する速水もこみちさんが「お弁当」クッキングを初公開!
おいしく楽しい「おかず」のつくり方、あざやかな彩りを演出する詰め方、お弁当のバリエーションを飛躍的に広げる画期的な方法も伝授します。しかも、すべてのメニューが、速水流のステキなワザで、素早く、カンタン、時短でクッキングできるので、忙しい朝にもピッタリ。子どもが喜ぶ、あの人が驚く、そして自分自身も大満足する……、そんな「お弁当」がつくれるようになります。しかも、広開本なので、見やすく開きやすい、本当に使える1冊です!!

B5判(160頁)
ISBN:9784833451369
2018年10月17日発売 / 1,512円(税込)
この本を購入する

文:上島寿子 写真:赤石仁

上島寿子さん-2.jpg

上島 寿子(文筆家)

東京生まれで、アルマーニで有名になってしまった銀座の泰明小学校出身。実家がビフテキ屋だったため、幼少期から食い意地は人一倍。洋酒メーカー、週刊誌の記者を経て、フリーに。dancyuをはじめ雑誌を中心に執筆しています。