
2026年日本酒dancyu「出会えてよかった!心ふるえる酒」特集では、いつもとはちょっと違った角度から「燗酒」の世界を深堀り。自由な感覚で新しい燗酒の楽しさを体験させてくれる、4人の若手燗つけ師をフィーチャーしました。2人目は湯川怜奈さんです。

1998年生まれ。2025年7月に約4年間勤めた池尻大橋「髙崎のおかん」を卒業後、恵比寿「すしさとる」でお燗番として奮闘中。燗つけを特訓する「熱燗部」を立ち上げ国内外でイベントを開催。開催情報はインスタグラムにて@yukawa0017
2人目は湯川怜奈さん。鮨店で働きながら「熱燗部」を主宰し、燗酒の楽しさや奥深さを伝えている。開催場所は酒蔵や飲食店などさまざま。2024年に開始以来、燗酒に興味を抱く人たちで毎回盛況だ。昭和カルチャーが好きな湯川さんのいで立ちは、バレーボール漫画『アタックNo.1』の主人公・鮎原こずえインスパイア。「熱燗部は、熱血体育会系ですから」と笑う。

熱燗部は部員(参加者)が自分で燗をつけまくる超実践型だ。はじめに湯川さんが手本を見せる。同じ酒でも道具や温度が変われば味わいががらりと変わることを説明し、実際に飲み比べてもらう。道具に頼るだけでなく鼻を利かせ、「アルコール感が沈み、よい香りが立つ瞬間を逃さないで」と、部員たちに何度も語りかける。


燗酒を教わったのは「髙崎のおかん」の店主・高崎丈さんから。彼の「燗酒を世界に広めたい」という言葉に鳥肌が立った。約4年の修業を経て、自ら立ち上げたのが「熱燗部」だ。20代の湯川さんは、一度も燗酒を飲んだことがない同世代の多いことに危機感を覚えた。「燗酒文化を残さなきゃ」。その思いが己を突き動かした。今後は海外での熱燗部活動も計画中。海の向こうで待つ未来の部員のために、湯川部長の自主練は続く。(Vol.3に続きます)


酒を食材に、道具を調理法にたとえるのは髙崎さん譲り。銅のちろりは“焼き料理”。熱伝導が早くキレのよい味に。熱伝導が遅いガラスは“蒸し料理”。味わいを変えずきれいに温まる。酒の味がまろやかになる錫は“煮込み”。

文:佐々木香織 撮影:長野陽一