
食いしん坊倶楽部のLINEオープンチャット「dancyuおやつ倶楽部」で、メンバーから寄せられた美味しいおやつをご紹介!倶楽部メンバーに「鉄板の手土産」を教えてもらいました。第17回は、創業140余年、長野の老舗菓子店「開運堂」の「白鳥の湖」です。
優しい色合いのイラスト缶や、ほろほろと崩れそうに繊細なクッキーには、140年もの歴史をもつ老舗の進取の気性が詰まっている。
明治17年(1884)、長野県松本市で和菓子屋として創業した「開運堂」は、京にも江戸にも影響されない独自の城下町文化を背景に、必然と菓子業を研ぎ澄ませていった。時代のニーズに沿って、クッキーやケーキなど洋菓子も扱うようになり、1959年にはすでに、本店併設の洋菓子部「パリの五月」が開設された。
倶楽部メンバーのsimoさんも推すチョコレート菓子「ピジュトリー」など、銘品を多数揃える洋菓子部門で、お取り寄せ人気No.1を誇るのが、ソフトクッキー缶の「白鳥の湖」。
長野県安曇野を流れる犀川の淀みは、多くの白鳥が飛来することから「白鳥湖」と呼ばれ、ちなんで名付けられた。
そんな冬の風物詩を、画家の柳沢 健氏が描いた美しい水彩画で、缶のイラストに。さらに個包装を封じるシールや、クッキーの型押しまでもが白鳥モチーフで、うっとりするほど乙女な世界観なのだが、なにより魅了されるのは、儚きおいしさ。
シナモンの甘い香りが鼻腔をくすぐり、口にした瞬間ほろほろと崩れ、落雁にも似た柔らかな口どけに着地。出逢った瞬間から口の中で消えゆくまで、夢心地は続いていく。
文:藤井存希 写真:MURAKEN
開運堂では、この「白鳥の湖」と冬季限定のチョコレート菓子「ピジュトリー」を良く購入しています。