さて、今回はどんな解決方法を?好き嫌いがひどい、料理が下手、メニューを決められない、食べ過ぎる……。dancyu編集長・植野が、dancyu食いしん坊倶楽部メンバーのあらゆる「食の悩み」にお答えします。
僕は一応、箸はきちんと持てます(と思っています)。しかし、実は、子供の頃は箸の持ち方がヘンでした。箸が交差した状態で料理をつかんでいたのです。それがいつからかきちんと持てるようになっていました。親に教えてもらった記憶はないし、矯正箸を使ったこともなく、子供ながらに「これはイカン!」と思って、自分なりになんとなく正しい持ち方を模索し、料理を掴みやすい形にたどり着いたのだと思います。美しい持ち方をすれば料理を食べやすくなるという、食の形式美と機能美の密接な関係に気付いたのですね、小学生の僕は。
さて、チョップスティックさんは、そうした関係性に気付かないまま大人になってしまったのですね。それでも食生活に大きな不自由がなかったのでしょうから、その持ち方のまま一生過ごしてもいいのでは、と思います。が、憧れの先輩に笑われるという、人にとって最大級の反動型モチベ―ションを受けてしまったのですから、そうもいかないですね。
直す方法としては、いきなり箸を二本持たないで、まず一本(①)を取ってペンで字を書くように持ってください。そのままの形で箸の上の方に移動します。そのまま、もう一本(②)の箸を薬指の脇(中指側)から、親指と人差し指の間(一番深いところ)に通します。すると、②は固定されるので、親指、人差し指、中指の三本の指で①の先端が②の先端とくっつくように動かします。これで正しい持ち方になり、慣れれば箸を二本同時に持ってすぐこのスタイルに移行することができるようになります。あとは美しい所作の人をじっと見て、その真似をするようにしましょう。
とはいえ、短期間でこれを習得するのは難しいかもしれませんし、憧れの先輩の前で一本ずつ箸を持って正しい形に持っていく作業をしていると、さらに怪訝な顔をされるかもしれません。であれば、箸を上手に持つことより、先輩に笑われないことを考えた方が早いのではないでしょうか。
たとえば、「箸の持ち方を教えてください!」と先輩にお願いしてみましょう。やさしい先輩なら丁寧に教えてくれて、それがきっかけで会話が弾むかもしれません(やさしく教えてくれないような人なら、憧れるのをやめましょう。そうすれば笑われても気にならないでしょう)。
あるいは、箸を使う店に行かない、という究極の選択もあります。日頃から自分はとにかくフレンチとイタリアンが好き!という猛アピールをして、食事会やデートは必ずフォークとナイフで食べる。これなら気になりませんね。
もし、フォークとナイフの使い方も下手であったら……おにぎりかサンドイッチの店だけに行くようにしてください。
イラスト:横山寛多
僕は一応、箸はきちんと持てます(と思っています)。しかし、実は、子供の頃は箸の持ち方がヘンでした。箸が交差した状態で料理をつかんでいたのです。それがいつからかきちんと持てるようになっていました。親に教えてもらった記憶はないし、矯正箸を使ったこともなく、子供ながらに「これはイカン!」と思って、自分なりになんとなく正しい持ち方を模索し、料理を掴みやすい形にたどり着いたのだと思います。美しい持ち方をすれば料理を食べやすくなるという、食の形式美と機能美の密接な関係に気付いたのですね、小学生の僕は。
さて、チョップスティックさんは、そうした関係性に気付かないまま大人になってしまったのですね。それでも食生活に大きな不自由がなかったのでしょうから、その持ち方のまま一生過ごしてもいいのでは、と思います。が、憧れの先輩に笑われるという、人にとって最大級の反動型モチベ―ションを受けてしまったのですから、そうもいかないですね。
直す方法としては、いきなり箸を二本持たないで、まず一本(①)を取ってペンで字を書くように持ってください。そのままの形で箸の上の方に移動します。そのまま、もう一本(②)の箸を薬指の脇(中指側)から、親指と人差し指の間(一番深いところ)に通します。すると、②は固定されるので、親指、人差し指、中指の三本の指で①の先端が②の先端とくっつくように動かします。これで正しい持ち方になり、慣れれば箸を二本同時に持ってすぐこのスタイルに移行することができるようになります。あとは美しい所作の人をじっと見て、その真似をするようにしましょう。
とはいえ、短期間でこれを習得するのは難しいかもしれませんし、憧れの先輩の前で一本ずつ箸を持って正しい形に持っていく作業をしていると、さらに怪訝な顔をされるかもしれません。であれば、箸を上手に持つことより、先輩に笑われないことを考えた方が早いのではないでしょうか。
たとえば、「箸の持ち方を教えてください!」と先輩にお願いしてみましょう。やさしい先輩なら丁寧に教えてくれて、それがきっかけで会話が弾むかもしれません(やさしく教えてくれないような人なら、憧れるのをやめましょう。そうすれば笑われても気にならないでしょう)。
あるいは、箸を使う店に行かない、という究極の選択もあります。日頃から自分はとにかくフレンチとイタリアンが好き!という猛アピールをして、食事会やデートは必ずフォークとナイフで食べる。これなら気になりませんね。
もし、フォークとナイフの使い方も下手であったら……おにぎりかサンドイッチの店だけに行くようにしてください。
イラスト:横山寛多