アジフライ会議2021＠松浦を開催！
「アジフライ会議2021＠松浦」をアジフライの聖地・長崎県松浦市で2021年12月17日（金）19時30分から開催します。「ソースはやっぱタルタル？」「一緒に楽しむお酒は何が一番？」「尻尾付きの開きと食べやすいフィレ、どっちがお好み？」。アジフライに係わるイイ大人たちが大真面目にアツく愉快にアジフライを論じます。dancyu編集長・植野広生も参戦！この模様はオンラインで生配信します。
どれも旨い！すべて旨い！感動のアジフライに松浦市で出会った！
美味しさを約束する、絶対ルールとは
福岡空港から車で玄界灘沿を西へ90分。5つの島を市域に含む松浦市には、日本屈指のアジ・サバの水揚げ基地「松浦魚市場」があり、「旬（とき）あじ」「旬（とき）さば」といったブランド魚はここでその価値が生まれている。「アジフライの聖地」はこの豊かな松浦沖の海が背景だという。
“聖地”の仕掛け人、友田吉泰市長は「とはいえ、地元ではあたりまえ過ぎて。その美味しさに気づいていなかったのです」と、きっぱり。「そこで、刺身で食べるほどの新鮮な松浦産アジを使い、ワンフローズン（1回冷凍）までで提供といった絶対ルールとして＜松浦アジフライ憲章＞を制定しました」。
“聖地”を名乗るには、理由がある
全国どこにでもいるアジだがその多くが日本海側、とくに松浦沖対馬暖流域（対馬〜東シナ海）に多く棲息しているらしい。その資源量42万トン、太平洋側の約4万トンと比べても実に10倍だ。しかも年間を通して月に1000トン以上の水揚げがあるのは全国でも松浦だけだという。
どうやら松浦沖はアジにとって「日本一住み心地がいい海」のようだ。“だからいつ来ても新鮮、美味しくないワケがない”という市長の宣言、確かめたくもなる。
ならば、いざ！長崎松浦へ。旅のテーマは「人生最高のアジフライを！」。
人情味あふれる「島」のアジフライ
アジフライの旅は、コンビニも本屋もない小さな島「鷹島」からはじめることにした。
まずは「松浦アジフライ」一番バッターを探そう。
聖地宣言以来、市内約30の飲食店がアジフライを店自慢の名物に磨き上げているというが、「旅亭 吉乃や」もその中の一つ。
海の幸の贅を尽くした上品な御膳タイプはやっぱり旅情をかきたてる。「うわっ！フワッフワ」。アジフライってこんなに柔らかかったっけ？衣はサクサク、臭みのないジューシーさ、次から次にアジフライの概念が覆る格別の旨さだ。スゴいぞ松浦！幸先よし！
目の前は漁港、「旅亭 吉乃や」は佇まいも風情たっぷり。知り合いの漁師から直接仕入れたアジをアジフライに。その日の刺身・小鉢と、人気の自家製呉豆腐がついた「アジフライ御膳（2,000円）」。／旅亭 吉乃や 長崎県松浦市鷹島町阿翁浦免649（0955‐48‐2030）
鷹島で別のお店に行くならここ。「海道」がおすすめ。キャラの濃い大将の心意気もノッた「アジフライ定食（1,000円）」。見よ、分厚くてデカいアジフライの個性的なルックス！すべてが濃厚な旨さだった。／食事処 海道 長崎県松浦市鷹島町神崎免91‐7（0955‐48‐2950）
当然、聖地では道の駅でもアジフライが主役。「道の駅 鷹ら島」でアジフライバーガーをテイクアウト、島の北端「鷹島モンゴル村」へ。芝生の草原から玄海国定公園に浮かぶ島を望む。かぶりついたアジフライバーガーの美味しさも倍増の眺望だった。
鷹島をあとに松浦市中心地へ。1時間のドライブだ。
橋長1251mの「鷹島肥前大橋」を渡ると「道の駅 鷹ら島」。市内5ヶ所に点在する「アジフライの聖地石工モニュメント」の一つもここに。絶好の記念撮影スポットだ。
「アジフライバーガー（350円～）。具はシンプルにキャベツだけ！／道の駅 鷹ら島 長崎県松浦市鷹島町神崎免1636（0955‐48‐3535）
モンゴルの大草原を彷彿させる「鷹島モンゴル村」。崖下には視界いっぱいに大海原が！大パノラマだ。爽快な潮風が心地よく、満腹な昼下がりはここでひと休みもあり。／鷹島モンゴル村 長崎県松浦市鷹島町阿翁免1646‐1（問）松浦市役所 鷹島支所 地域振興課（0955‐48‐3111）
「松浦市立埋蔵文化財センター」には水中から引き上げた元寇の遺物展示もあり、歴史好きには垂涎のスポット。教科書で学んだ「蒙古襲来絵詞」に描かれた元軍の兵器「てつはう（炸裂弾）」が、実際に水中から引き揚げられている。今夏、この絵詞が国宝に答申された。／松浦市立埋蔵文化財センター 長崎県松浦市鷹島町神崎免146（0955‐48‐2098）
鷹島から松浦市街へ向かう途中に立ち寄りたいのが「福島」。「日本の棚田百選」の中でも指折りだといわれる「土谷棚田（どやたなだ）」は必見だ。春には海に沈む夕日が水田の水面に映え、ひときわ美しい。秋の「土谷棚田の火祭り」には畦道に灯された約3000本のキャンドルが幻想的な夜景で見せてくれる。／土谷棚田 長崎県松浦市福島町土谷免（問）松浦市役所 福島支所 地域振興課（0955‐47‐3111）
仲買人が「地元の人に食べさせたい！」アジ
ホテルにチェックイン。さあ、旅の夜こそ地元の人々が集まる町の酒場だ。松浦市が制作した市内約30のアジフライ連携店マップは手放せない。洒落たログハウスが気になって、今宵は「ごはんとおさけ くぬぎ」に決めた。
「その道35年の地元の仲買人さんが“こんなに旨いアジこそ地元で食べて欲しい！”と熱心で」とは、店主の川浪剛人さん。丸々と太り脂ののった新鮮なアジは、その道23年の“元・天ぷら職人”がアジフライに。揚げの温度管理で油切れもスッキリ、クラフトビールがすすむ、すすむ！気持ちよくふけゆく松浦の夜だった。
明日は本丸、魚市場からスタート。アジフライの“源流”を見に行こう。
有名ホテルの日本料理店で、23年腕を振るった佐野政嗣シェフが料理を担当。居酒屋だが子ども連れの地元客多し！一人旅ならカウンターで小皿とクラフトビール、気取らない店の心地よさを味わって。サイズ指定のアジでつくるアジフライはボリュームたっぷり（600円）。／ごはんとおさけ くぬぎ 長崎県松浦市志佐町浦免1511‐11（090‐1190‐0048）
世にも珍し！「アジフライ列車」で市場へGO！
2日目。今日は海岸線を列車で旅すると決めていた。といってもたった一駅、4分の旅であるが。というのも、地元の足「松浦鉄道」は、運がよければ“アジフライ列車”に出遭えるというのだ。噂に聞くレアな光景がどうしても見たくて。
そして意外にあっさり、その幸運を引き寄せた。聖地とのコラボ車両には本物そっくりの食品サンプルでつくったアジフライが吊革にずらり！ウソみたいな光景だけど、この熱量、スゴいぞ！聖地・松浦。
進化した「新・松浦魚市場」がスゴい！
強烈なインパクトの余韻もそのまま、「調川駅」に降り立つ。目的地は聖地の屋台骨「松浦魚市場」。今春「高度衛生化閉鎖型施設」へと生まれ変わり、ここでは魚の陸揚げから選別〜荷捌き〜冷凍〜出荷までを一貫して屋内の同一施設内でできるようになったのは、国内初という。
見学のあとはここで水揚げされた鮮魚・加工品が所狭しと並ぶ「旬市場」へ。松浦土産を調達しておこう。
「松浦魚市場」は、風、潮、外気温、鳥害などといった屋外のデメリットを払拭した最新の魚市場だ。／松浦魚市場 長崎県松浦市調川町下免695 ※見学は要事前予約が必要（問）松浦市役所 水産課 施設管理係（0956‐72‐1111）
松浦魚市場で水揚げされた鮮魚・加工品を格安で買える「旬市場」。地方発送も可能。魚市場の休日は休みなので利用するなら事前に電話で確認したい。／旬市場 長崎県松浦市調川町下免695（0956‐72‐2495）
松浦市の沖で釣ったアジをその日に加工し急速冷凍、“極上鮮度”にこだわった清祥のアジフライ「ふくふく釣りアジフライ・約200g（3～6尾入り）1,000円（清祥）」も「旬市場」で買える。写真は無添加・手作りのアジフライを作る大将・中島清隆さんだ。／清祥 長崎県松浦市今福町北免2009‐393（0956‐74‐1933）
海に一番近いアジフライはここ！
そろそろ空腹も限界に。もちろん、朝だろうとアジフライ。魚市場内の食堂「大漁レストラン 旬（とき）」で“ノンフローズン”を是が非でも。ノンフローズンとはアジを一度も凍らせずに捌き、パン粉をつけて揚げる“冷凍ゼロ”の意。
朝獲れ、海から1分、臭みゼロ！これぞシビれる旨さ。松浦に来た人だけに許される、究極のアジフライだった。
たった一駅の列車の旅とは奇策だったが、想像以上の口福とレア体験に出会えた。
「大漁レストラン 旬」の「アジフライ定食（900円）」は、毎朝入荷したアジでつくる徹底ぶりが話題でファンが多い。ただし市場関係者以外の利用は10:30～13:30（L.O.）までなので注意。また魚市場の休日は休みなので利用するなら事前に電話で確認するのが望ましい。／大漁レストラン 旬（とき） 長崎県松浦市調川町下免695（0956‐59‐6544）
車両まるごと“アジフライジャック”！「アジフライの聖地 松浦」をどこまでも印象付けたい、地元の熱気を感じた。／松浦鉄道※「アジフライ列車」の運行ルート・時間は前日に発表。また松浦駅を通過しない運行ルートがあるので、利用時には電話で確認したい。（問）松浦鉄道 担当：川村まで（0956‐25‐3900）
松浦“愛”をカフェから発信！
再び松浦鉄道で市街地に戻る。昭和レトロな商店街のど真ん中でキラリ、異彩を放つ「Matsuo Nouen＋Coffee」へ。そろそろ街角カフェへの恋しさも募っていた。
だが、なんとここにもアジフライが？！「気軽にアジフライを楽しんでいただきたくて」――店主・松尾秀平さんは地元を盛り上げる若手キーマン。カフェは時に観光案内所的な役割も果たすという。生まれ育った故郷を支えたい松浦愛に、ほっとするような爽やかな風を感じた。旅のテーマに選んだ「人生最高のアジフライ！」を探す旅。どれも旨かった！すべて旨かった！まちの熱気と郷土愛が生んだ奇跡の逸品「松浦アジフライ」にちゃんと出会えた。
ここは松浦で創業70年の種苗店を営む若店主が開いたカフェ。あえてライ麦パンを使ったバンズはアジフライに合わせてサクサクの食感に調節。オーロラ風のアジフライソース（店内飲食時のみ）、地元産野菜、オリーブがイン！「アジフライサンド（550円）」。
松浦でしか買えない松浦市オリジナル「アジフライグッズ」も店内で販売。デザインは全国人気のイラストレーター・NONCHELEEEだ。Tシャツ2,200円〜、ポロシャツ2,800円〜、トートバッグ1,500円。／Matsuo Nouen＋Coffee 松浦市志佐町浦免1252（0956‐72‐0267）
そのほかの注目アジフライスポット！
PASTA and PIZZA GIFTはパスタと石窯ピザの店。「家族で気軽に楽しめるイタリアンです。ささやかな“ギフト”のような美味しい時間を過ごしていただけたら」と、店長兼シェフの鴨川史郎さん。「アジフライのイタリアンサンド（600円）」は、アジフライの上にパルメザンチーズをかけ、その上に溶かしたチェダーチーズをさらにうわがけ！最後にジェノベーゼソースを纏わせ、石窯で軽く焼いたバゲットでサンド。いつもの素朴なアジフライが、まったく新感覚の洒落た逸品に！／PASTA and PIZZA GIFT 長崎県松浦市志佐町浦免1620‐1（0956‐72‐5558）
「和洋ダイニング 松花」は大人数にも対応できるホテルのメインレストランだから、ゆっくりと味わいたい人はここへ。ホテルならでは、豪華で彩り豊かな「アジフライ定食（1,078円）」は、松浦市出身で、現在は福岡で「ビストロ ミツ」のオーナーとして活躍する平田充シェフが故郷の聖地応援にと考案した「味噌タルタル（ソース）」で味わって！／和洋ダイニング 松花 長崎県松浦市志佐町浦免1782‐1 松浦シティホテル 1F（0956‐72‐5000）
アジフライの聖地を盛り上げようとまちのスイーツ店7店が手を組んで生まれた“アジフライスイーツ”。「岩元製菓舗」は「アジフライ印のどら焼き（172円）」で勝負。砂糖文化が根付く長崎で育った店主・岩元啓晃さん（3代目）が、京都の老舗和菓子店「仙太郎」で修業後、跡を継いだ。「てつはう最中（475円）」もぜひ。食べればわかる、パチパチふりかけで“うまさ炸裂、お口の中に蒙古襲来！／岩元製菓舗 長崎県松浦市志佐町浦免1276（0956‐72‐0331）
「福井製菓店」は、3代続く菓子職人の店。初代の味を引き継ぐ和菓子と、地元の素材で作る季節のケーキがやさしく溶け合う老舗だ。“お菓子”なアジフライ？！人気の「焼きドーナツ」がアジフライ型に。タルタルソースもホワイトチョコ＆クランチで完全再現。キャラメル、苺、バナナといったベースの9種類にかかるカラフルポップなソースカラーは4種、36種類のバリエを作ったという気合いの入れようだ。／福井製菓店 長崎県松浦市今福町東免11‐7（0956‐74‐0402）
松浦アジフライモニュメント巡り
聖地のシンボル：「アジフライの聖地松浦 石工モニュメント」は市内に5ヶ所！使用された石は松浦の特産品で、鷹島の阿翁地区で産出される良質の玄武岩「阿翁石（あおういし）」。
松浦海のふるさと館のアジフライモニュメント。「道の駅 松浦海のふるさと館」前芝生広場には、人の背丈ほどの一番ビッグサイズが！
「鷹島肥前大橋」を借景にした「道の駅 鷹ら島」の“映えるアジフライ”。
松浦駅のアジフライモニュメント。市の玄関口「松浦駅」にて。アジフライの聖地を堂々と宣言！
1560年代には阿翁地区に石工業がおこり、「阿翁石」が天下に名声を博したとか。その石質がよくうかがえる「松浦市役所」前ロータリーのモニュメント。
福島町地域は車エビ養殖が盛ん。農水産物等直売所の「とれたて福の島」では、地元の野菜だけでなく、新鮮な鮮魚などが揃う人気買い物スポット。ここにもアジフライモニュメントがある。／長崎県松浦市福島町喜内瀬免680‐11（0955‐47‐4110）
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