レシピ用語、正解はどっち?好き嫌いがひどい、料理が下手、メニューを決められない、食べ過ぎる……。dancyu編集長・植野が、食いしん坊倶楽部会員のあらゆる「食の悩み」にお答えします。
いま、近くいる若手編集部員に聞いてみました。「油は『しく』?『ひく』?」。5秒ほどの間の後に「……油はひく、ものですよね……」「なぜ?」「『しく』は、なんかシートみたいなやつを広げる感じじゃないですか……」。
という曖昧な会話でもわかるように、「しく・ひく」問題は意外に明確に認知されていないのですが、「しく」ではなく「ひく」が正しいのです(若手編集部員は自信なさげでしたが一応、正解です)。
NHK放送文化研究所のサイトには以下のような説明があります。
「まずシクについて考えてみると、この動詞には「あるものを平べったくなるように置く」という意味があります(布団をシク)。また、「敷設する」という意味もあります(鉄道をシク)。いっぽうヒクには、「ひっぱる」を中心としていろいろな意味があり、そのなかに「引き延ばすようにして一面に塗る」(油をヒク)や、「あるものを引き込むように導き入れる」(電気・水道をヒク)というものもあります。」
イメージするなら、フライパンに油を「ひき」、それを拭きとるためにクッキングペーパーを「しく」、といった感じですね(これでも覚えにくいかもしれませんが)。
レシピによって混在とのご指摘でしたが、「しく」と書いてあるものは誤りです(dancyuではないと思いますが……)。
レシピだけではないのですが、我々編集者は内容や文字に誤りがないように何度も校正を通し、担当者、特集キャップ、デスク、編集長が確認したうえで制作を進めます。ただ、それでも表記の誤りを見過ごしてしまうことがあります。読者からご指摘いただくことも多く、深く反省するのですが、大きすぎる間違いは意外に気付かれないのかもしれません。
かつて、僕が担当した餃子の本で、レシピの材料に「豚バラ肉500kg、豚肩ロース500kg」と記載したまま発行してしまいました。「餃子1トンかよ!」というツッコミも、ご指摘もありませんでした。みなさん、餃子だから「500g」(これでも多いのですが)と自然に読み替えていただいたのだと思います。本当に申し訳ありませんでした!
イラスト:横山寛多
いま、近くいる若手編集部員に聞いてみました。「油は『しく』?『ひく』?」。5秒ほどの間の後に「……油はひく、ものですよね……」「なぜ?」「『しく』は、なんかシートみたいなやつを広げる感じじゃないですか……」。
という曖昧な会話でもわかるように、「しく・ひく」問題は意外に明確に認知されていないのですが、「しく」ではなく「ひく」が正しいのです(若手編集部員は自信なさげでしたが一応、正解です)。
NHK放送文化研究所のサイトには以下のような説明があります。
「まずシクについて考えてみると、この動詞には「あるものを平べったくなるように置く」という意味があります(布団をシク)。また、「敷設する」という意味もあります(鉄道をシク)。いっぽうヒクには、「ひっぱる」を中心としていろいろな意味があり、そのなかに「引き延ばすようにして一面に塗る」(油をヒク)や、「あるものを引き込むように導き入れる」(電気・水道をヒク)というものもあります。」
イメージするなら、フライパンに油を「ひき」、それを拭きとるためにクッキングペーパーを「しく」、といった感じですね(これでも覚えにくいかもしれませんが)。
レシピによって混在とのご指摘でしたが、「しく」と書いてあるものは誤りです(dancyuではないと思いますが……)。
レシピだけではないのですが、我々編集者は内容や文字に誤りがないように何度も校正を通し、担当者、特集キャップ、デスク、編集長が確認したうえで制作を進めます。ただ、それでも表記の誤りを見過ごしてしまうことがあります。読者からご指摘いただくことも多く、深く反省するのですが、大きすぎる間違いは意外に気付かれないのかもしれません。
かつて、僕が担当した餃子の本で、レシピの材料に「豚バラ肉500kg、豚肩ロース500kg」と記載したまま発行してしまいました。「餃子1トンかよ!」というツッコミも、ご指摘もありませんでした。みなさん、餃子だから「500g」(これでも多いのですが)と自然に読み替えていただいたのだと思います。本当に申し訳ありませんでした!
イラスト:横山寛多