カメラマンが、いつかまた食べたい料理
バルセロナのアセイトゥナス、パタタスブラバス、クロケッタス|カメラマンが、いつかまた食べたい料理

バルセロナのアセイトゥナス、パタタスブラバス、クロケッタス|カメラマンが、いつかまた食べたい料理

カメラマンの宗田育子さん。今、食べに行きたい、会いに行きたい料理はなんですか?と聞くと……。

宗田育子さんが食べに行きたいのは――。

スペイン・バルセロナのAceitunas(アセイトゥナス=オリーブ)

スペイン・バルセロナのAceitunas(アセイトゥナス=オリーブ)
わたしは、2011年の秋から2014年末までスペインのバルセロナに留学しておりました。 バルセロナの気候と雰囲気がとても好きで、思い切って住んでみることにしたのです。 ただ留学当初は、日本との食事の時間の違いや食の強さに、常に胃の不調と空腹に悩まされていました。 でも食欲がなくても、スペインでは夕方からは友人と会う時間。友人に連れられてバルで一杯ビールを飲みはじめ、つまみにこのオリーブを食べ始めると、止まらなくなるんです。気がついたら、もう一粒食べている。 胃が痛いだの言っていたはずなのに、また一粒食べてしまってる。あぁ!アペリティーボが得意な国、とてもスペインらしい一皿です。オリーブは、程よい塩味、または塩味とにんにく、そこにお酢をプラスして酸っぱくしていたりとお店によって味は違います。種類もたっくさんあり、スペインの漬物という感じでとってもポピュラーです。市場に行けばオリーブ専門店もあって、瓶詰めも売っておりますが、何と言ってもオススメは、量り売り。すきな分量だけ量り売りしてもらって、冷蔵庫にストックしておりました。 最後に、上品なオリーブのタネの出し方は、どちらか片方の手を軽く閉じます。ずいずいずっころばしのときのように軽く親指と人差し指に穴を開けます。その中に食べたオリーブのタネを吹き飛ばし、手の中に入ったらぎゅっと握っていた力をゆるめ小指(下)の方から床に落とすんです。友達のはなしは聞きながら、ちょっと横をむいてさりげなく出すというのがカッコ良いですよ。(笑)

スペイン・バルセロナのPatatas Bravas(パタタスブラバス=ポテトフライ)

パタタスブラバス
パタタスブラバス
パタタスブラバス
スペイン・バルセロナのPatatas Bravas(パタタスブラバス=ポテトフライ)
仕事帰りも学校帰りも、夕方からのバルのテラスは、友人や恋人との待ち合わせ場所。気候の良いバルセロナでは、心地よい風が吹く外のテラスで、おしゃべりを楽しみます。 スペインのバルは、朝ごはん、11時の軽い昼食、15時のランチ、夜ご飯にと、一日中活用します。 このパタタスブラバスは、ポテトフライのピリ辛ソースがけ、のことなんですが、バルセロナではとってもポピュラーで、夕方のちょっと小腹が空いた時、“とりあえず”で頼むタパスの一種です。 パタタスは、ポテトのことで、ブラバの意味は、ブラボー!という意味もあるけれど、他に荒れたとか激しいという意味もあります。名前の由来はソースにもあって、アリオリソースと、唐辛子入りのちょっとピリ辛なトマトソースがかかっているのです。 店によって、トマトソースの代わりにケチャップがかかっているところもあったり色々ですが、アリオリもニンニクが効いている方が美味しいし、トマトソースもちょっと辛い方が私は好みです。そして、ソースをきちんと作っているバルは、全体的なクオリティが高くて繁盛している気がします。バルセロナに行ったらとりあえず食べてみてほしい一品です。

スペイン・バルセロナの Croquetas(クロケッタス=コロッケ)

店内
クロケッタス
クロケッタス
スペイン・バルセロナの Croquetas(クロケッタス=コロッケ)
こちらもバルのタパスの定番。タパスの定番ばかりを食べたいものに挙げていますが、定番て良いですよね、安心できる味という気がします。 日本のコロッケに比べると、小さく円筒型で、お弁当のおかずのようなサイズです。 日本のコロッケは、ジャガイモが定番ですが、スペインではしっかりめの濃度のベシャメルソースがベースでハモンイベリコの具材という組み合わせが多いです。 ほかにも、イカ墨のコロッケは、リッチで旨味がたっぷりで、オンゴスというきのこをペーストにしたものもオススメです。スペインでは、パン粉は乾燥させたパンを粉砕した長さがないものがポピュラーです。スーパーで買いたい時は pan rallado (パンラヤード)という袋を買うと良いと思います。 肉屋さんでは、揚げたてのものがお惣菜として売っていて、日本にもある光景だなぁ~と心が和んで大量に買って帰ったりしておりました。 どこの店の、コレというより、いろいろ世界が落ち着いたらバルセロナに行ってビールをのみながら、オリーブ、コロッケ、ブラバスすべてを食べたい!これに尽きると思います。

写真・文:宗田育子