
メキシコ料理にフレンチの技法を融合させた“メキシカンフレンチ”。食いしん坊たちを魅了する「No Code」の料理は、厳選された食材に多彩な唐辛子やスパイス、ハーブを巧みに組み合わせ、未体験ゾーンの味のハーモニーを生み出しています。祭では、スープ仕立てのホルモン煮込み、マグロを贅沢に合わせたトスターダ、スパイス香るラム串の3品が登場します。




新しいジャンル“メキシカンフレンチ”とは、一体どんな料理なのか?「No Code」の久松暉典シェフに尋ねると、「スパイスや唐辛子などのエキゾキッチな香りが際立ちながら、和食に通じる清らかさがある料理です」と返ってきた。日本でメキシコ料理といえばタコスを思い浮かべる人がほとんど。唐辛子をガツンと効かせた辛い印象があるが、本場は多彩な唐辛子やスパイスを料理に合わせて使い分け、地域によって味わいも様々。ユネスコの無形文化遺産にも登録された、世界が注目する食文化が根づいている。
それにも関わらず、日本で食べられるメキシコ料理はタコスやワカモレ、味つけはほぼスパイシー一択という状況だ。そこで久松さんが目指したのは、“タコスの払拭”だ。
「メキシコ料理はフランス料理と同様にソース文化で、お互いの相性がいいんです。定番の料理でもフレンチの技を加えて洗練させると、今までにない、現代のメキシコ料理がつくれると思いました」。
今回dancyu祭に登場する3皿は色鮮やかで美しく、まるでイノベーティブフレンチのよう。口に含めば上品なスパイスの香りが広がり、時間差で唐辛子の旨味と辛味がピリッと響く。メインの食材に、メキシコ定番のソース、スパイス、ハーブが加わり、からみ合うことで複雑味が増し、楽しさが広がる。味の余韻がとにかく長く、体にじわじわと旨味が浸透していく。これぞメキシコ料理の真髄だ。
店名の「No Code」は、国、言葉、性別、ジャンルなど、区別するものを取り払い、何ものにも捉われない自由さ、という思いを込めている。その名の通り、久松さんがつくるメキシカンフレンチは、世界中の美味しいエッセンスが詰まった、まさに今食べたい新しい味だ。




極上の熟成肉で有名な「精肉店サカエヤ」のトリップとギアラを煮込んだ“近江牛のホルモン メヌードスープ”。約2時間コトコトと下ゆですることで柔らかくなり、独特の食感に。唐辛子の旨味とスパイスの香りを効かせたトマトソースで軽く煮込み、仕上げに菜の花とチーズを散らす。


“本マグロのトスターダ サルサマチャ”は、宮城県の「臼福本店」のマグロの“尾の身”を使用。程よい弾力があり、旨味が強いのが特徴だ。軽く炙って香ばしさをプラスし、アボカドディップと胡麻風味ソース・サルサマチャと合わせれば、未知との遭遇!新しい味に驚くに違いない。


ラム串は、鉄板に押しつけるようにして焼き、外はカリッと、中はジューシーに仕上げる。ハーブをふんだんに使ったモレヴェルデの爽快さでラムの脂がさっぱりと。メキシコを感じさせるピスタチオデュカで複雑味が増す。


オーナーの米澤さんの片腕である久松暉典さんが腕をふるう「No Code」。2025年より世界展開を見据えた新たなコンセプトとして、メキシコ料理にフレンチの技法を融合させた“メキシカンフレンチ”を掲げる。世界中の“美味しい”エッセンスを取り入れ、時には日本の食材も使い、四季を感じさせる料理を表現。すでに熱烈なファンがついている。同時に紹介制を改め、予約の一般公開を開始。一斉スタートで、一部は17:00~と17:30~スタート、二部は19:45~と20:45~スタート。料理は、スープ、前菜、タコス、魚、肉、締め、デザートからなる10皿コース13,500円と、8皿コース8,800円を提供。
文:石出和香子 撮影:伊藤菜々子