dancyu祭2025
食の外交官「公邸料理人」が公邸で振る舞ったおもてなしの一皿が味わえる

食の外交官「公邸料理人」が公邸で振る舞ったおもてなしの一皿が味わえる

4月12日(土)、13日(日)開催。dancyu祭2025@西新宿へ行こう!入場無料。
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“食の外交官”とも称される公邸料理人として各国で活躍した岩坪貢範、工藤英良両シェフが実際に公邸会食で振る舞ったメニューを提供。大使や各国ゲストから好評を博し、リクエストが絶えなかった同メニューを祭で特別に再現してもらう。元・公邸料理人自らがもてなす「私のひと皿」。貴重な味を食する機会をお見逃しなく!

世界のVIPをもてなしてきたシェフがdancyu祭に来場!

岩坪シェフ
工藤シェフ

公邸料理人としてそれぞれ3ヶ国・合計約10年の経験を積み、今は日本で活躍するシェフ2名が、今回特別に祭に来場! 世界のVIPたちをもてなしてきた料理を振る舞う、公邸会食の味を体験できる機会は滅多にない。外交の最前線で勝負してきた公邸料理人のひと皿をぜひ体験してみてほしい。

祭メニューは!

岩坪シェフの牛肉の赤ワイン煮込み(12日のみ) 1,200円
岩坪シェフの常陸牛の赤ワイン煮込み(12日のみ) 1,200円
岩坪シェフが祭で提供するのは、公邸会食で出していた肉のメイン料理。香味野菜やハーブとともに赤ワインで一晩マリネした牛もも肉。表面に焼き目をつけて肉汁を閉じ込めてから、フォンドボーやバターを加えた赤ワインで、さらにじっくりと2時間半煮込んだ手の込みよう。ホロリと崩れるほど柔らか。肉の旨味はそのままに、クセや臭みは見事に抑えられ、軽やかに食べられる煮込み料理に仕上がっている。ベネチアで出合ったポレンタにソースをからめて、余すことなく味わい尽くしてほしい。今回は常陸牛を使用する。
工藤シェフの甘鯛の若狭焼き(13日のみ) 1,200円
工藤シェフの甘鯛の若狭焼き(13日のみ) 1,200円
工藤シェフが祭で提供するのは、うろこのパリパリ、サクサク食感とふわりと焼き上がった鯛の身とのコントラストがたまらない「若狭焼き」。フレンチの技法「ポワレ」を融合させて生み出された工藤シェフ渾身のメニュー。魚は、古から御食国(みけつくに)として献上品を提供し、豊かな食の産地として名を馳せる福井県小浜漁港で水揚げされた甘鯛を使用。かつおだしや塩麹で炊いたたけのこに白味噌をあえ、季節を感じる桜の塩漬けや百合根をあしらった。日本料理のもてなしを詰め込んだひと皿は必食。

“食の外交官”とも称される公邸料理人の役割とは

世界に約230ヶ所ある日本国大使館、総領事館、国際連合などの日本政府代表部の在外公館で料理人として会食を取り仕切る「公邸料理人」。料理を通して日本の外交活動に携わることから、“食の外交官”とも称される仕事だ。

「多忙を極める大使との連携を常に図り、バトラーやサービススタッフと密にやりとりをしながら、与えられた環境下で宴席の話が弾む料理をつくり上げることが公邸料理人の使命です」と話す岩坪シェフ。1人の大使に同行し、カナダ、南スーダン、バチカンの3ヶ国、合計約10年を公邸料理人として過ごした。多い時で週3回の公邸会食をはじめ、赴任地の環境によっては大使の日常の食事や職員の食事をつくることも。国によって手に入る食材や調理環境も異なり、さらには客人の好みや年齢、宗教的背景などをふまえたうえで、大使と客人の話題となるような料理を予定時間内に提供する。料理人として全ての要素を必要とされ、そのレベルの高さも求められる。

店内
公邸料理人として日々培ってきたもてなしの総合力が今も自身のお店運営の礎になっていると岩坪シェフ。

「各国大使館の“おもてなし最前線”が公邸会食。大使や総領事が持っている会のイメージを膨らませて料理で具現化。和食をコンテンツとして、各国の方々を日本のファンにする仕事」と工藤シェフは語る。意図をしっかりと聞き出し、提案として打ち返す。時間勝負の外交の場で大使の思いが花開くように、そのひと皿に、コースにさりげなく全てを込める仕事なのだ。発注者である大使あっての料理であり、その中で個性をいかに出すかが問われる。カナダ、中国、フランスの3ヶ国で1,200以上もの公邸会食を手掛けるうちに、多様性、ラグジュアリー、クライアントへの3つの対応力がつき、その豊富な引き出しは今も仕事に生かされているという。「国外で日本の食に向きあうのは、料理人としてかけがえのない経験。そもそも料理のすごいところは人を元気に、笑顔にできること。海外ではさらに、日本の食が人をつなぐ武器となる」と工藤シェフ。

会食のメニューカード
工藤シェフが取り仕切ってきた会食のメニューカード。公邸会食の証しである桐の紋様が専用の食器具同様に刻印されている。

各国ゲストからリクエストが殺到した「牛肉の赤ワイン煮込み」

今回、祭に参加するにあたり、岩坪シェフが選んでくれたのも、公邸料理人時代のもっとも思い出深い一品だ。「会食におけるメイン料理はその国の食材、特に牛肉を使ったメニューを親善の意を表してお出しすることが多く、さらにその料理に合う地元のワインを合わせると話が弾むんです」と岩坪シェフ。時間と手間暇をかけて柔らかく、牛肉の旨味は残してさっぱりと仕上げた牛肉のワイン煮込みは、グリルしただけのような肉料理が苦手だったという大使をも魅了し、内外から何度もリクエストを受けた渾身のひと皿だ。さらにゲストの年齢や好みに合わせてお出しする部位も変えるという細やかな心配りがゲストたちの心を掴んだ。つけ合わせは、その国で採れる野菜のピューレを添えることが多かった。今回添えたとうもろこし粉でつくるイタリア料理のポレンタはバチカン大使館時代の思い出の味。家族のように共に時間を過ごした現地のサービススタッフから教わった地元の味だという。「スタッフ間のコミュニケーションは会食を成功に導く鍵。ゲストの詳細なデータも、地元で採れる食材やその調理法も、大使や、スタッフからの情報次第なので、コミュニケーション能力は大事ですね。語学をはじめ、日々好奇心を持って学べること、そのための体力も公邸料理人であるためには必須だなと思います」と岩坪シェフ。海外で鍛え上げられた公邸料理人がつくる、公邸会食という限られた人しか味わえなかったひと皿が、祭で特別に登場する。

料理
Sake diplomaを取得するなどたゆまぬ努力でもてなしに全方位から取り組んできた岩坪シェフ曰く、ワインなら軽めの赤か重めの白、日本酒なら山廃仕込みのものとのペアリングがおすすめ。
岩坪貢範さん
岩坪貢範さん
茨城県つくば市にあるイタリアン「CRACRA」オーナーシェフ。都内フレンチ、神奈川のホテルのレストラン部門勤務を経験後、公邸料理人としてバンクーバー・南スーダン・バチカンの大使館・総領事館に約10年勤務した。3ヶ国つかえた大使の地元つくばで心尽くしのもてなしをひと皿ごとに込めたレストランを昨年オープン。
CRACRA店内

店舗情報店舗情報

CRACRA
  • 【住所】茨城県つくば市筑波2969‐3
  • 【電話番号】029‐897‐3680
  • 【営業時間】10時00分~14時00分(L.O.) 17時30分~21時00分(L.O.) 現在は予約制
  • 【定休日】火曜
  • 【アクセス】つくばエクスプレス「 つくば駅」より筑波山シャトルバス「沼田」下車6 分。または関東鉄道つくば北シャトルバス「筑波山口」下車8分 (送迎希望の場合は予約時に要相談)

日本とは違う、限られた環境での調理。工藤流・若狭焼きが生まれた瞬間

日本料理の焼き物の技法・若狭焼きに欠かせないのが炭火。だが、海外の大使公邸では炭火の使用は安全上禁じられていた。そこで工藤シェフは和洋の料理法を横断し、フレンチのポワレの技法でフライパンを使ってじっくり火入れするという、揚げ焼きスタイルの新たな若狭焼きを考案した。日本のように和食に適した環境が揃わない国で、和のもてなしを続けてきた工藤シェフ。この「甘鯛の若狭焼き」は、そんな制約から生み出されたまさに公邸料理人の真骨頂ともいえる一品なのだ。各国ゲストには「ウロコのパリパリ、サクサクがおいしい」と日本流の魚のおいしい食べ方を知ってもらい、日本料理の若狭焼きの味をすでに知っていた元・首相には「つくるのが難しいと聞く料理だけどおいしいね」と改めてその味を認めてもらえたという。もちろん大使もお気に入りのひと皿だ。公邸料理人時代に手がけた数百人単位のパーティーでは、大人数に対応できるようにフライパンで焼いてから、ホットプレートで保温して振る舞っていたという。今回の祭でもフライパンとホットプレート使いの合わせ技で、会食同様のおいしさを提供する。公邸料理人としての創意工夫が詰まった、工藤シェフの若狭焼きをぜひ味わってみてほしい。

料理
舌に残らぬようにウロコはパリパリに、身はふわりと焼き上げるのは至難の技。日本料理での焼き場の経験が生きた。
工藤英良さん
工藤英良さん
株式会社EIRYO代表取締役。「なだ万」帝国ホテル店勤務などを経て、カナダ・中国・フランスの3ヶ国で公邸料理人を務める。帰国後はプライベートサロン運営、出張料理人、プライベートジェットの機内食製作、地域創生活動、講演と、公邸料理人時代に得た料理やもてなしの叡智を伝えることに情熱を注いでいる。
EIRYO店内

店舗情報店舗情報

EIRYO
  • 【住所】東京都大田区田園調布5‐56‐4
  • 【電話番号】03‐6822‐2274
  • 【営業時間】予約制
  • 【定休日】予約制
  • 【アクセス】東急目黒線「田園調布駅」及び「多摩川駅」から徒歩20分。「多摩川駅」より東急バス「田園調布五丁目」下車3分。

お問い合わせ情報お問い合わせ情報

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イベント情報

dancyu祭2025

開催日時
2025年4月12日(土)・13日(日) 10:00~17:00
場所
東京都新宿区西新宿2‐6‐1 新宿住友ビル 三角広場 GoogleMap
※混雑時は入場制限をさせていただくことがあります。
※会場の設備故障や天災など不可抗力の事由により、やむを得ず中止や時間変更になる場合があります。
イベント詳細
入場無料・予約不要。販売は電子決済(クレジットカード、電子マネー)のみ。
※当日は内容や盛り付けが変更になる場合もあります。

編集:出口雅美(maegamiroom) 文:田中祐子 写真:宗田育子