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移動の手段を美味しい空間へ!「おいしい新幹線」プロジェクト出発進行中!

移動の手段を美味しい空間へ!「おいしい新幹線」プロジェクト出発進行中!

2024年春に「おいしい新幹線」第一弾を開催しました!

「移動の手段である新幹線を“美味しい空間”にしよう!」というコンセプトの下にスタートしたJR東海とdancyuのコラボ企画「おいしい新幹線」プロジェクト。その第一弾として2024年3月に東京から名古屋まで「こだま」の車内で鮨とつまみを楽しむというイベントを開催しました。そして、さらに新幹線を美味しくするため、第二弾の企画も検討中です!

第一弾は車内で握り立ての鮨とつまみを提供!

鮨とつまみ
鮨とつまみ

1964年(昭和39年)10月1日、東京オリンピック開幕の9日前に東海道新幹線は開通しました。それまで在来線特急で約6時間半かかっていた東京〜大阪間を約4時間で結ぶ“夢の超特急”の誕生でした。かつては食堂車やビュッフェがあり、富士山や浜名湖など車窓の風景を眺めながら食事(や酒)を楽しむ、あるいは車内販売の弁当やお菓子、アイスクリームなどを味わえる“美味しくてワクワクする空間”でもありました。

その後、スピードアップが図られ、今や東京で「のぞみ」に乗れば2時間半で新大阪に着きます。しかし、食堂車やビュッフェ、車内販売はなくなり、車内でパソコンに向かうビジネスパーソンが目立つなど、とてもスピーディーで“移動の手段”になりました。

これはもちろん、とても便利なのですが、かつての“ワクワク感”が失われたのは少し寂しい気がするのは僕だけではないと思います。

こうしたことをJR東海の方と話をしている際に生まれたのが、新幹線を“移動の手段”から“美味しい空間”にしよう!という「おいしい新幹線」プロジェクトです。

食いしん坊倶楽部部長 植野と綿貫さん
「後楽寿司 やす秀」大将の綿貫安秀さん(右)とdancyu食いしん坊倶楽部部長の植野広生(左)
職人

その第一弾として開催したのが「車内で握り立ての鮨を提供する」企画でした。

鮨職人が車内で握った鮨やつまみを食べてもらい、沿線の酒蔵の日本酒を味わってもらう、敢えて時間がかかる「こだま」で実施(のぞみの場合約1時間40分、こだまは約2時間40分)、というコンセプトを決めたのが、2023年夏のこと。東京・四谷の「後楽寿司 やす秀(やすみつ)」主人の綿貫安秀さんにお願いをし、つまみや握りの内容を相談し、試作を重ねること半年。その間、JR東海のスタッフが車内で鮨を握るための棚や設備の造作を検討し、保健所に何度も通って許可をもらい、さらに提供のオペレーションなどを何度も検討、dancyuスタッフも日本酒や器の準備や綿貫さんとの調整を続けました。

プロジェクトに関わるスタッフ全員が大きな不安を抱えながら募集を開始したのですが、あっという間に満席になりひと安心。

しかし、開催が近づくにつれ、食材の搬入や温度管理、人員配置など現実問題が山積みとなり、連日打ち合わせやシミュレーションが続きました。綿貫さんと「やす秀」のスタッフも営業後に仕込みを行うなど、開催前数日間はほぼ徹夜の状況だったそうです。

美味しくて特別な体験で参加者は笑顔に

参加者
食いしん坊同士、初対面でも会話が弾む。
参加者
参加者

そして、いよいよ当日。

早朝から東京駅に集合したJR東海とdancyuのスタッフ、そして「やす秀」チームはこだまが東京駅のホームに停車している限られた時間内にすべての食材や器、酒などを積み込むというかつてないミッションをなんとか達成し、“おいしい新幹線”が出発しました。

つまみ、握り、つまみ、握りと、4回に分けて提供するプログラムで、僕は車掌の格好で車両に乗り込み、マイクを持って今回のプロジェクトについて、提供するつまみや握り、日本酒、お土産(オリジナル焼印入りのどら焼き)について、そして東海道新幹線や東京から名古屋までの沿線に関する情報などを説明しました。

車掌室や調理スペースを改造した狭い作業場で64人分のつまみと鮨をつくり続けた「やす秀」チームはかなり苦労したようですが、名古屋に着くまでに無事、すべてを提供。最後に客席に登場して参加者から大きな拍手と称賛を浴びていました。

職人
「後楽寿司 やす秀」の面々。手前から、福島寿志さん、大将の綿貫安秀さん、金丸勇太さん、石橋修さん。
職人
職人

ちなみに、当日のメニューは以下の通りです。

メニュー
~つまみ1~
たこ柔らか煮、唐墨、蒸し鮑
~にぎり1~
赤身、平目、とろ、小肌、烏賊
~つまみ2~
あん肝、小肌和え、釡揚げ蛍烏賊
~にぎり2~
金目鯛、車海老、穴子、鮪と海ぶどうの小丼、うに小丼
~本日のお酒~
とんぼ スパークリング(神奈川県・泉橋酒造)
正雪 純米大吟醸 雄町 PASSION-15(静岡県・神沢川酒造場)
花の舞 くらふとなま 純米生酒(静岡県・花の舞酒造)
~デザート(お土産)~
“木挽町よしや”のどら焼き
つまみ
最初のつまみは、たこ柔らか煮、唐墨、蒸し鮑。
鮨
続いての握りは、赤身、平目、とろ、小肌、烏賊。
つまみ
つまみの二皿目は、あん肝、小肌和え、釡揚げ蛍烏賊。

いろいろ不備はあったかもしれませんが、降車時に参加者の方々に伺うと、「新幹線の中でこんなに美味しい鮨を食べられると思わなかった」「車窓の景色を見ながら味わうつまみと酒は感動でした」「いつものぞみに乗っているけれど、各駅停車のこだまだからこそゆっくり味わうことができました」などの声を頂きました。

何より、みなさんが笑顔で降りたのがとても印象的でした。

第二弾も企画中。お楽しみに!

どらやき
「おいしい新幹線」オリジナルロゴ焼き印入りのスペシャルバージョンとなった東京・銀座の「木挽町よしや」のどら焼き。

新幹線で握りたての鮨を味わってもらう、というおそらく世界初(世界最高速の鮨)の企画は成功に終わりました。しかし、「おいしい新幹線」プロジェクトは車内で高級な料理を堪能してもらうだけが目的ではありません。さまざまな形で“ワクワクする美味しい空間”を体験してもらうことがコンセプトです。車内で美味しいものを味わうのはもちろんですが、沿線の駅や地域を含めた幅広い企画もあると思います。あるいは、イベントではなく定番的に継続するプロジェクトも考えられます。

そのため、今後もいろいろな企画を実施したいと思いますし、すでに第二弾の企画も進んでいます。詳細は決まり次第発表致しますのでお楽しみに!

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写真:赤澤昂宥 文:dancyu食いしん坊倶楽部部長 植野広生