dancyu食いしん坊俱楽部
第22回dancyu Live!キッチンを開催しました!

第22回dancyu Live!キッチンを開催しました!

7月に開催したdancyu Live!キッチンは、「エリックサウス」の稲田俊輔さんをお呼びしました

第22回「dancyu Live!キッチン」は、南インド料理店「エリックサウス」総料理長の稲田俊輔さんが3度目のご登壇。今回教わったのは、dancyu本誌8月号でも大好評だった「オニオングレイビー豚こまカレー」と、その応用編の「シーフードカレー」です。食いしん坊倶楽部の皆さんは、アーカイブ配信もご覧に慣れますので、ぜひプロのコツをご覧ください!

“オニオンペースト”で家カレーは自由自在!

dancyu8月号で大反響だった「みんなの家カレー」特集、そのトップバッターを飾ったのが稲田さんの「オニオングレイビー豚こまカレー」。誌面でも丁寧にわかりやすく説明しましたが、やはり百聞は一見にしかず!というわけで、「dancyu Live!キッチン」にお越しいただいたところ、視聴者のみなさんからたくさんの質問が届いて大盛り上がり!その実演の様子をお伝えしていきます。

配信の様子

まずは稲田さんの“家カレー”に欠かせないという“オニオンペースト”づくりからスタート。スケールの上にフライパンをのせて、どんどん材料を計りながら入れていくのが稲田流。材料をすべてg単位にしているのは、スケールでまとめて計量するほうが簡単だからなのだそう。「洗い物も減らせるんです。最初に全部、味付けの塩までここで入れちゃいます」と、稲田さん。それを聞いた編集部・神鳥からは「塩の量がgでちゃんと出てるレシピってありがたいです……」と、思わず実感のこもった言葉が。さあ、この玉ねぎがてんこ盛りのフライパン、どうなっていくのでしょうか……!?

玉ねぎ

いよいよ火にかけて加熱していきます。「油が全体にまわって、なおかつちょっとジュージュー言い始めたら、あとはこのまま30分放置します」と稲田さん。玉ねぎといえばつきっきりで炒めるイメージがありますが、なんとほったらかしでOK!念のため10分おきに焦げ付いていないか、中の様子は確認しますが、「我々は30分やることがないです(笑)」。

玉ねぎ

そこで、玉ねぎを蒸している間に、このレシピ名に冠した“オニオングレイビー”について、本誌の記事よりもさらに詳しく説明してくれました。「インド料理のレストランには、玉ねぎを水からゆでてトロトロにしてミキサーにかけて、ピューレ状にしたものをベースにカレーをつくるやり方があるんです。でも、カレーやインド料理のレシピ本には、なぜか出てこない。せっかくだから知ってもらおうかなと思って」と稲田さん。今回の“オニオンペースト”はすなわち、簡易版の“オニオングレイビー”。本格的なテクニックに気軽に挑戦できるように工夫を凝らしたレシピなのだそうです。

配信の様子

10分おきに鍋の中をチェックすると、徐々にカサが減ってしんなりしてきました。ここでちょっと焦げ目がついたとしても、むしろ味にコクが出るのでラッキー。再び待っている間に、視聴者のみなさんからは次々と鋭いコメントが。

なかでも、「私はオニオンをキツネ色になるまで炒める派。どんな風に味わいの違いが出てくるのですか」という質問の着眼点には、稲田さんも「素晴らしいですね!」と絶賛。曰く、「玉ねぎのなめらかさと甘味がしっかり出てくるのが、このオニオンペーストの特徴」とのこと。そしてなによりも放置できるのがラク!こうして、実際に調理の様子を見れば、いかにつくりやすいかがわかります。簡単だからこその「家カレー」です。

配信の様子

さあ、スパイスの説明などをするうちに、30分が経ちました。鍋の中のオニオンペーストは、さらにカサが減ってとろっとろ!木ベラで玉ねぎをつぶしながら混ぜていくと、たちまちくずれていくのがわかります。実演では、ほんのり茶色く色づいて、飴色玉ねぎのような雰囲気に。

配信の様子

ここへにんにくと生姜のすりおろし、カレー粉を加えて、さらに自分で選んだ好みのスパイスを4gだけプラス。そう、この自分好みのスパイスの選び方こそが、稲田流・家カレーの要。欧風カレーっぽい味になったり、古き良きインドカレーの味になったり、南インド系のトレンドの味になったりと、アレンジが自由自在なのです。ぜひその配合のコツは配信でチェックしてくださいね。

配信の様子

スパイスの香りが立ってしっかり火が入ったら、カレーのベースのできあがり。これさえあれば、いろんなカレーがつくれるというすぐれもの。まとめてつくっておき、冷凍もできます。ここに豚こま、トマトピューレ、水を加えたら、再び蓋をして15分ほどコトコト煮込めば「オニオングレイビー豚こまカレー」の完成です。

配信の様子

そして、同じオニオンペーストを使ったカレーをもうひとつ教えていただきました。「絶対これウマイ!って言わせるあざといシーフードカレー」という稲田さんの言葉に、期待も最高潮。「シーフードカレーにはスパイスは使いすぎない」という現地の鉄則に従って、基本のカレー粉のみで仕上げます。そのかわりに、具材は海老とホタテ貝柱をバターで炒めてから加え、トマトピューレはたっぷり。最終仕上げには生クリーム。オニオンペーストとカレー粉をベースにしながらも、まったく違う味わいのカレーが出来上がりました!

カレー

最後にいただいた質問も、「このカレーをもう一段、お店のように味をレベルアップさせる調味料や隠し味などはありますか?」と、なかなかハイレベル。すると稲田さん、「ホールスパイスの挽きたてを使うこと」と、上級者向けにアドバイス。あらかじめパウダーになったものでなく、自分で挽いて使うことで格段に香りのいいカレーになるそう。さあ、みなさんも、もう一度アーカイブ動画で細かい調理のコツつかんでから、この絶品カレーをつくってみてください!

プロの料理人の技をじっくり見ながら、リアルタイムで質問もできる「dancyu Live!キッチン」。次回のイベントも鋭意企画中ですので、お楽しみに!

食いしん坊倶楽部に入部してアーカイブ配信を見よう!

個人情報について
ご登録いただいた際の個人情報につきましては、アンケート集計、弊社サービスに関するお知らせ、サービス向上を目的としたマーケティング活動に利用させていただきます。また、アンケート結果を協賛各社および広告会社へ提供することがあります。また、アンケート依頼時の参考商品や発送する際に、個人情報を協賛各社および広告会社に提供する場合があります。提供後の個人情報は、協賛各社の規定に基づき取り扱われます。

文:大沼聡子 撮影:伊藤菜々子

大沼 聡子

大沼 聡子 (編集者・ライター)

家庭科教師だった母親の影響で、小学生の頃から料理雑誌を愛読。現在はレシピ本の企画・編集のほか、食まわりの記事を雑誌・ウェブ等で執筆している。趣味は世界各国の料理をつくること、食べ歩くこと。