dancyu祭2023
【懐石 小室】猪肉に対する概念が変わる極上の"猪汁"

【懐石 小室】猪肉に対する概念が変わる極上の"猪汁"

4月22日(土)、23日(日)開催。dancyu祭2023@西新宿へ行こう!入場無料。

料理も食材も話術も他を圧倒する和食が、東京・神楽坂にある「懐石 小室」。店主の小室光博さんは、仕入れた一級の食材を時間をかけて丁寧に仕事を施し、圧倒的に旨い品々に昇華させる料理人だ。今回は、普段はコースでしか食べることのできない“猪汁”をご用意。会場でぜひ味わってみてください。さらに、家庭で重宝する調味料などの物販もご用意しています。お楽しみに!

祭メニューは!

猪汁(島根極上猪と塚原筍の花山椒汁)
猪汁(島根極上猪と塚原筍)1000円
しっかりとだしの効いた厚みのある汁に、小室さんが自信を持って薦める島根産の猪のバラ肉、もも肉、よろいと呼ばれる胸の脂、ホホトロと呼ばれるゼラチン質の4つの部位を惜しげもなく入れている。甘くて柔らかな筍とともに、名店の味をこの一杯で堪能したい。

綿密な仕事が生み出す誠実な和食

店主の小室光博さん
店主の小室光博さん。茶懐石の名店「和幸」で修業ののち2000年に自身の店を開店。
看板
東京・神楽坂にある店舗の外観。入り口までの小径には折々の花が咲き、季節を感じる。

東京を代表する和食の名店「懐石 小室」。「ここにくれば、必ず季節の旨いものが食べられる」と食通も太鼓判を押す店だ。

猪汁
猪汁

今回dancyu祭で出す“猪汁”は、「小室」のコースのメイン料理ともなる一品。和食店で肉が出るなら牛。そんなイメージが多くの人の頭にあると思うが、意外や意外、小室さんはジビエを使うことも少なくない。なかでも猪は秀逸だ。“猪肉”と言っても、個体によって味にばらつきがある印象だが、そこはさすが「小室」である。猪肉を初めて食べる人や、過去にあまりいいイメージを持っていない人の気持ちをも覆す、上質のものしか使わない。小室さんの目利きあっての安心感ある美味しさだ。しっかり蓄えられた脂は、コクはあるが脂っこくはなく、さらりとしてキレがある。臭みなど微塵も感じさせない。

厚みのある出汁に、猪肉、そしてたけのこと蕗、さらには木の芽という香りを合わせて、ひと皿として完成させる。山の野生味ある風景を感じさせるようでいて、繊細で上品。このなんとも言えないバランスと美味しさが「小室」らしさだろう。

花山椒椀
4月のコースのメインの一つ花山椒椀。
お造り
この日のお造りは明石で獲れた鯛の薄造り。お好みでちり酢か加減醤油をつけて。魚は産地を限定するのではなく、あくまでもいいものを。

店では今、甘めの出汁でしゃぶしゃぶした牛肉に花山椒をのせた花山椒鍋や、直球で素材勝負の鯛の薄造りがコースを彩っている。初夏になれば名物の鱧が出てくるだろう。秋には松茸をはじめとするキノコ類も待ち構えている。

店内
店内は広々としたオープンスタイルで、1階にはカウンター席があり2階には個室もある。

ここはぜひ、季節を変えて訪れたい店だ。旬の味の移り変わりを楽しめるのはもちろんのこと、その時期を映した食器を愛でられることも大きな魅力だからだ。短期間しか使えない器であってもまめに入れ替えるのは、実はひとえに小室さん自身の楽しみゆえ。
「日本の文化を守るためとか、そういう使命感は少しもないんです。単に楽しいから突き詰めてしまうんです」
こうした好奇心と追求が、この店を日々進化させている。

最近は、店になかなか足を運べない人にも楽しんでもらえるよう、真空の惣菜や瓶詰めにも力を入れているという。おせちが絶賛される店だけに、こうしたものも実は得意分野。家の食卓に日本酒と一緒に並べれば、究極の宅飲みの完成だ。

店舗情報店舗情報

懐石 小室
  • 【住所】東京都新宿区若宮町35‐4
  • 【電話番号】03‐3235‐3332
  • 【営業時間】12:00~13:00(最終入店)、18:00~20:00(最終入店)
  • 【定休日】日曜、祝日
  • 【アクセス】都営地下鉄「牛込神楽坂駅」より4分、JRほか「飯田橋駅」より10分

イベント情報

dancyu祭2023

開催日時
2023年4月22日(土)・23日(日) 10:00~17:00
場所
東京都新宿区西新宿2‐6‐1 新宿住友ビル 三角広場 GoogleMap
※混雑時は入場制限をさせていただくことがあります。
※会場の設備故障や天災、都からの要請など不可抗力の事由により、やむを得ず中止や時間変更になる場合がございます。予めご了承下さい。
イベント詳細
入場無料・予約不要。販売は電子決済(クレジットカード、交通系電子マネー)のみ。
イベント詳細はコチラ

文:浅妻千映子 撮影:伊藤菜々子

※当日は内容や盛り付けが変更になる場合もあります。

浅妻 千映子

浅妻 千映子 (食ライター)

大学卒業後、3年間のゼネコン勤務ののち、ライターに。雑誌やweb等で活躍。料理研究家としてレシピ開発も。著書に『江戸前握り』『パティシエ世界一』(光文社新書)など、レシピ本に『浅妻千映子キッチン』(ぴあ)、『ほめられレシピ』(主婦と生活社)がある。『東京最高のレストラン』(ぴあ)の審査員。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート。