人気中国料理店「味坊」グループが秋葉原にオープンした「香福味坊」で12月10日(土)に行われたdancyu食いしん坊倶楽部メンバー限定の「忘年会」。豚一頭を本気で食べ尽くしました!
「豚一頭を食べつくす忘年会」。まさに食いしん坊のための宴。会場は、人気中国料理店「味坊」グループが秋葉原に今年オープンした「香福味坊」。お店の定番宴会メニュー“羊の丸焼き”用の炉を使用するとのことで、忘年会が始まる3時間前の厨房の様子を見せてもらうと、作業台には、鉄棒とワイヤーでくくりつけられた豚の半身が!聞けば、サイズは30kg弱。ハミ出るデカさ。運ぶのは男3人がかり。それにしても何なのか。この鼻から脳に突き抜けてヨダレに直結する甘辛い香りは!
「いい匂いですよね。国産豚の半身に、叉焼醤(チャーシュージャン)と柱侯醤(チューホージャン)と10種類以上のスパイスを混ぜたタレを揉み込んで、1晩寝かせています。肉の断面が乾いているのが見えるでしょ?タレの塩分で水分が抜けて、肉の旨味が内側に封じ込められている証拠です。水分があると、焼いているときに旨味が逃げてしまう。だからどうしても1日は乾燥させないといけないんです」。
そう話すのは本誌でもお馴染み「味坊」グループの主人、梁宝璋(りょう・ほうしょう)さん。その解説だけで腹が威勢よくグーと鳴ります。それから豚肉にアルミホイルを巻いて焦げ付かないようにチェックしながら、じっくり弱めの中火で焼き続けること約3時間。厨房だけでなく店内にまで甘辛い香りが広がってきた頃、時計を見ると会場オープンの17:40。たくさんの応募の中から奇跡的に切符を手に入れた64名が軽快な足取りで店内にやってくると、開口一番「店内の香りがすでにウマい!」とみなさん食いしん坊らしいコメント。さすがです。
まずは、デパ地下の試食販売を思わせる肩掛け式拡声マイクで、部長の植野が挨拶。
「皆さん大っ変、お待たせしました!dancyu食いしん坊倶楽部が発足した2019年、その12月の忘年会から実に3年ぶりの開催となりました。やはり宴会には敵わないですね。店でわいわい語らいながら旨い料理を食べて酒を交わす時間はかけがえないです。今年の目玉は、なんと言っても豚一頭!すでに“豚の半身焼き”の甘辛い香りがしていますが、もう半身は、紹興酒の甕を丸ごと火にかけてつくる“豚肉と野菜の甕蒸し焼き”にして60kgの豚一頭をみんなで食べ尽くしたいと思います。それでは、グラスのご準備はいいですか?カンパーーーーーーーイ!」
そうこうしていると、「みなさんシャッターチャンスですよ〜」という植野の掛け声に合わせて、ついに現れた“豚の半身焼き”。食いしん坊たち全員集合。まるで結婚披露宴のケーキ入刀シーンのごとく、香ばしく焼けた豚肉を様々なアングルから撮り続ける参加者。配膳台で会場を一周したら、ダイナミックにカットしてすぐさまテーブルへ。そしてかぶりつく!「脂と醬と焦げ目のコントラストが口の中で混ざり合って、ビールが止まりません!」、「骨の周りの部分、ずっとかぶりついていたいぐらい美味しいです」との声多数。そして、間髪入れずに今回の忘年会のラスボスこと“豚肉と野菜の甕蒸し焼き”が登場。会場はさらなる活気に包まれました。
デザートでお開き!と思いきや、まだまだ終わらせません。参加者全員に、dancyu食いしん坊倶楽部特製グラスを。そして最後は、お土産の抽選会へ。タンブラーや鍋、植野が愛する築地「寿屋商店」の塩昆布、さらにはdancyuエプロンや手ぬぐい、そして「味坊」でセレクトしたナチュラルワインなどなど。
それにしても食べて食べて食べて飲みまくった1日。来年も無事に開催できることを願って。また食いしん坊倶楽部でお会いしましょう!
文:仁田恭介 写真:佐藤侑治