dancyu食いしん坊俱楽部
発酵白菜を堪能する!第11回dancyu Live!キッチンを開催しました

発酵白菜を堪能する!第11回dancyu Live!キッチンを開催しました

1月に開催したdancyu Live!キッチンに登場したのは「味坊」の梁宝璋(りょう・ほうしょう)さん!

第11回「dancyu Live!キッチン」に迎えたのは、東京・神田「味坊」の店主であり、dancyu農園にご協力いただいている梁宝璋(りょう・ほうしょう)さん。「発酵白菜」のつくり方と、それを活用したレシピの数々を教えていただきました。

“発酵白菜”を鍋・炒め物・餃子で味わい尽くす!

今回は、2019年11月号の「おいしい発酵」特集でも紹介した、「味坊」ファンにはおなじみの「発酵白菜(酸菜)」がテーマ。中国・東北地方で食べられてきた、白菜を乳酸発酵させた漬物で、さまざまな絶品料理に変身する優れものです。初っ端から「八甲田山でとれた白菜じゃないですよ?」と、ダジャレも絶好調の植野編集長。梁さんは「味坊」の各店舗で使う発酵白菜をつくるために、自社農園で白菜を栽培しています。

配信の様子

さっそく、発酵白菜づくりの実演からスタート。使う材料は、白菜と塩のみ。お店では切らずにまるごと漬け込みますが、「家庭でつくる場合はざく切りにしてから漬けるほうがつくりやすいんですよ」と梁さん。白い軸の部分は少し細めに切り、葉は太めのざく切りに。こんなふうに、白菜の部位によって切り方を変えることで、ムラなく発酵が進みます。ポリ袋や瓶などに漬け込んでから、冬場は2か月、夏場は2週間ほどで発酵するそう。

配信の様子
料理

いよいよ発酵白菜を使った「発酵白菜鍋」です。ポイントは「炒めてから煮込むこと!」と梁さん。最初に油に花椒と八角のいい香りを移したら、ゆでた豚バラ肉を焼き、発酵白菜を投入。先に白菜を軽く炒めて、豚骨と鶏ガラのスープを加えます。コトコト煮込むうちに、ほのかに酸っぱい香りが……!ここで、参加者から「炒めてすでに火が入っているように見えるんですが、なぜ煮込むののでしょうか?」と鋭い質問コメントが。梁さん曰く、「発酵白菜は豚肉の脂と相性がいい。炒めてから煮込むことで、もっと旨味が出てくるんです」。

料理

鍋を煮込んでいる間に、「発酵白菜炒め」をつくります。調理台に梁さんが準備した材料は、さっきの鍋とほとんど変わりませんが……?これにピンときた植野編集長、「そっか、材料は同じで、全然違う味になるんだ!」。鍋に使った花椒などの香辛料は使いませんが、細切りにした豚肉と白菜を同じように炒めていきます。鍋との違いは、豚肉の旨味やスープを炒めた白菜にしっかり吸わせること。最後に春雨を投入し、にんにくのみじん切りでアクセントを加えたら出来上がり。参加者からも「美味しそう」のコメントが続出!

配信の様子

先に完成した「発酵白菜炒め」を試食した植野編集長、「ひとことで言うとね、旨い!」。続けて、ほどよく煮込まれた「発酵白菜鍋」も試食、「同じ材料だけど、違うでしょう?」と、梁さん。「ぜんぜん違う味になりますね。炒め物は酸味が立っていて、鍋はスープにまで発酵白菜の旨味が混ざっていてまろやか」と、編集長も感動。調理のアプローチが変われば、発酵白菜の旨味と酸味のいかし方も変わることを実感したのでした。

料理

そして、「味坊」といえば餃子を忘れてはいけません! 旨味を増したこの白菜、水餃子にしても最強。豚ひき肉に発酵白菜を加えて練り合わせたら、10分ほどやすませます。このとっておきの肉ダネに合うのが、手づくりの皮。「私、子供のころから皮担当なんです」と話す梁さん、見るからに弾力のある生地をさばく手つきが鮮やか。両手を使って何個もまとめて転がしながら丸め、スイスイと皮をのばしていきます。

コメント

ここで、お手伝いに来てくださっていた「味坊」の餃子担当、賀志霞(カ・シシャ)さんが登場。職人歴20年以上の賀さん、小さな棒を器用に使いこなし、2枚いっぺんに皮をのばしていく凄腕の持ち主。スタッフ陣からも拍手が沸き起こった美しい職人技は、ぜひ、アーカイブ動画でご覧ください! できあがった皮で肉ダネを包んだら、時間を置かずにゆでるとモッチモチの食感が楽しめるそうです。

配信の様子

沸騰した湯で5分ほどゆで、お湯に浮いてきたら取り出します。「このゆで湯も、中国人はスープみたいに飲むんですよ」と梁さん。蕎麦湯のように、お酒を割ることもあるのだとか。さて、おいしさのピークを逃すまいと熱々の水餃子を口に運んだ植野編集長、熱すぎてしばし無言になりながらも、鍋や炒め物ともまた違った味わいにしみじみ。「豚肉のおいしさや甘味と、発酵白菜がうまく調和する。白菜の野菜らしい旨味や味わい、食感も戻ってくる感じがするんですよ」。この発酵白菜水餃子は、肉ダネにしっかり味がついているので、まずはそのまま味わうのがおすすめです。

こうして無事に3品の実演が終わったあとも、「ゆで豚は生の豚バラを使っても大丈夫ですか?」「餃子は冷凍保存しても構いませんか?」などの質問コメントラッシュ!最後になんと、梁さんから視聴者のみなさんに発酵白菜のプレゼントもあり、大盛り上がりの開催となりました。

プロの料理人の手元をじっくり見ながら、リアルタイムで質問もできる「dancyu Live!キッチン」。食いしん坊倶楽部メンバーのみなさん、次回は3月2日(水)20時から、日本酒をテーマに配信予定です!お楽しみに!

食いしん坊倶楽部に入部してアーカイブを配信を見よう!

個人情報について
ご登録いただいた際の個人情報につきましては、アンケート集計、弊社サービスに関するお知らせ、サービス向上を目的としたマーケティング活動に利用させていただきます。また、アンケート結果を協賛各社および広告会社へ提供することがあります。また、アンケート依頼時の参考商品や発送する際に、個人情報を協賛各社および広告会社に提供する場合があります。提供後の個人情報は、協賛各社の規定に基づき取り扱われます。

文:大沼聡子 撮影:佐藤侑治

大沼 聡子

大沼 聡子 (編集者・ライター)

家庭科教師だった母親の影響で、小学生の頃から料理雑誌を愛読。現在はレシピ本の企画・編集のほか、食まわりの記事を雑誌・ウェブ等で執筆している。趣味は世界各国の料理をつくること、食べ歩くこと。