
じゃがいもを油で揚げるだけの究極のシンプル料理にして、お酒好きを虜にするポテトフライ。いろんなバージョンがありますが、このポテトフライはとても軽やか。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、そのつくり方とコツを教えていただきました。
ポテトフライはいろんなつくり方がありますよね。
これは、じゃがいもを丸ごと電子レンジで加熱して、揚げ焼き風にするポテトフライです。
じゃがいもに油をかけてから火にかけ、徐々に温度を上げていくので、水分が抜けて表面はカリッと、中はホックリと揚がります。
レンチンしたじゃがいもは、すぐに揚げても美味しいですが、そのまま一晩置いてから揚げると、さらにねっちりとした食感になります。皮を剥いて軽くつぶしながら揚げることで表面積が増え、ザクザクとした食感に。
揚げたてはそのままで美味しいのですが、ディルディップをつけると味変します。にんにく味のソースで、マヨネーズより酸味があり、野菜ディップとしても使えます。
ポテトフライにはビールが定番ですが、ロースト感のある黒生ビールがお薦めです。心地よいハーモニーを生み、ビールもポテトも止まりません。
じゃがいも | 2~3個(約300g) |
---|---|
米油 | 大さじ3~4 |
塩 | 少々 |
★ ディルディップ | |
・ ディル | 5g |
・ サワークリーム | 20g |
・ マヨネーズ | 20g |
・ おろしにんにく | 少々 |
飾り用のディル | 少々 |
じゃがいもは1個ずつラップに包んで耐熱皿にのせ、600wの電子レンジで竹串がスッと通るまで5~6分加熱する。そのまま冷ます。
ディルは粗みじん切りにし、他の材料と混ぜ合わせる。
①のラップを外して皮をむき、食べやすい大きさに切る。
フライパンに③を入れて米油を回し入れ、中火にかける。温度が上がってきたら、時々箸でじゃがいもを返しながら、全面がカリカリになるまで揚げ焼きにする。取り出して油をきり、塩をふる。
器に盛り、②のディップを添え、あればディルを添える。
京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。
文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ