尾身奈美枝さんの“フードロサない”アフターレシピ
残った"日本酒"は"SAKEレーズン"で華やかに生まれ変わる!

残った"日本酒"は"SAKEレーズン"で華やかに生まれ変わる!

料理家・フードコーディネーターの尾身奈美枝さんが毎回、余った食材のおいしい食べきり方を提案します。今回は、残っている“日本酒”があれば、迷わずつくってほしいレシピ。スイーツにつまみに、活躍しますよ!

“ラムレーズン”に匹敵する芳醇な味!

前回に続いてお届けするのは、飲みきれずにもてあました“日本酒”のレシピ。さっそく尾身さん、「ちょっと、食べてみて!」と、何やら茶色い液体の入った保存瓶を出してきた。中には漬け込んだドライフルーツ。なんとなくラムレーズンのように見えますが……?

「実はこれ、日本酒にレーズンを漬け込んであるの。これが、すごくおいしくて!ラムじゃなくて日本酒だから、“SAKEレーズン”ね」

瓶の蓋を開けると、ふわっといい香り!もともとの日本酒が持つ個性にレーズンの甘味が溶け込んで、なんとも芳醇な味わいだ。これはラムレーズンにも匹敵する、大人の味かも……!

レシピはいたってシンプル。清潔な保存瓶にドライレーズン80gを入れ、日本酒150mlを注いで冷蔵庫に2~3日置き、レーズンがふっくらしたら出来上がりだ。「レーズンはオイルコーティングされてないものを使うといいですよ」と尾身さんのアドバイス。

SAKEレーズン
日本酒の本来のおいしさもいかせる“SAKEレーズン”

実はそんなに普段、甘いものを食べないという尾身さんでも、SAKEレーズンは別格。次々と飛び出す、スイーツアイディアが止まらない!

「市販のカステラにたっぷりしみこませて冷やし、生クリームを添えれば“和風ババ”に。柔らかくなったバニラアイスクリーム110gに、きざんだSAKEレーズン大さじ1と、漬け込んだ日本酒大さじ1/2を混ぜ込んで、もう一度冷凍庫で冷やし固めれば“SAKEレーズンアイス”に。いろいろな楽しみ方ができますよ!」

和風ババ
“和風ババ”は、カステラからしみ出るくらいたっぷり日本酒を含ませて!
SAKEレーズンアイス
“SAKEレーズンアイス”は日本酒とバニラの香りが相性抜群。

自家製“レーズンバター”は魔性の味

SAKEレーズンの楽しみ方は、スイーツだけじゃない。ぜひつくってほしいのが、バーの定番つまみ“レーズンバター”だ。柔らかくしたバターにSAKEレーズンを混ぜて、サラミのような形状に冷やし固めるだけ。カットしてクラッカーにのせて味わうのが定番だが、尾身さんならではの楽しみ方は、ひと味もふた味も違う。

「塩、粉山椒、チリパウダーを添えて、パラッとふって食べてみて。日本酒が甘い香りなので、塩味や香辛料をアクセントにきかせると、味が引き立つんです。これは、呑兵衛のためのレーズンバターなんですよ(笑)」

そのまま味わってもおいしい“SAKEレーズンバター”なのに、少量の塩やスパイスでこんなに味の表情が変わるなんて!お酒も進むが、ついついレーズンバターも進んでしまう。これは魔性の味。一度ハマったらやめられなくなるので、ご注意を!

“SAKEレーズンバター”のつくり方

SAKEレーズンバター

材料材料 (つくりやすい分量)

SAKEレーズン大さじ4
バター80g(加塩、室温に置いて柔らかくしておく)
クラッカー適量
少々
粉山椒少々
チリパウダー少々

1SAKEレーズンをきざむ

SAKEレーズンは水分をしっかり切り、包丁で粗くきざむ。

SAKEレーズンをきざむ

2バターに混ぜる

ボウルにバターを入れて軽く混ぜたら、SAKEレーズンを加えてさらによく混ぜる。

バターに混ぜる

3ラップにのせて包む

ラップを広げて、SAKEレーズンを入れたバターをのせ、手前から空気を抜くようにして転がしながらぴっちりと巻き、キャンディ包みにする。

ラップにのせて包む
ラップにのせて包む

4冷蔵庫で冷やし固める

13~15cm長さのサラミ状に形を整えたら冷蔵庫に置き、固まったら出来上がり。包丁で1cm厚さに切って器に盛り、クラッカー、塩、粉山椒、チリパウダーを添える。

冷蔵庫で冷やし固める

教える人

尾身奈美枝 料理研究家・フードコーディネーター

尾身奈美枝 料理家・フードコーディネーター

料理家・フードコーディネーターとして、テレビ番組を中心に、新聞・雑誌など様々なメディアに出演。料理番組の金字塔『料理の鉄人』の裏方を務め、「フードコーディネーター」 という職種を世に広め、定着させた先駆け的存在でもある。
「きょうの料理」 (NHK)「あさイチ」(NHK) などの番組に多数出演。“エコ”をテーマとした新しいレシピ提案を発信し続けている。

文:大沼聡子 撮影:海老原俊之

大沼 聡子

大沼 聡子 (編集者・ライター)

家庭科教師だった母親の影響で、小学生の頃から料理雑誌を愛読。現在はレシピ本の企画・編集のほか、食まわりの記事を雑誌・ウェブ等で執筆している。趣味は世界各国の料理をつくること、食べ歩くこと。