ペンネをきゅっと噛むごとに、穴にもぐったカリフラワーの茎や花蕾の甘味が弾けます。食べると元気になる野菜パスタを食文化研究家である北村光世さんに教えてもらいました。
「ペンネの穴にカリフラワーが潜り込んで、パスタと野菜を一緒に噛んで味わえるのがいいのよ」。
カリフラワーは包丁で切るのではなく、たっぷりのオリーブオイルと加熱しながら木ベラでつぶすことで、舌ざわりもなめらかに。オイルに溶かしたアンチョビの塩気が全体に回って味を引き締める。
カリフラワー | 1/2個(花房と茎で300g) |
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にんにく | 小1片分(5mm角に切る) |
エクストラバージンオリーブオイル | 大さじ3強 |
赤唐辛子 | 1本(種を除く) |
アンチョビ | 3枚(15g)(フィレ) |
★ パスタ | |
・ ペンネ | 140g(*) |
・ 水 | 1.5L |
・ 塩 | 大さじ1弱 |
★ 仕上げ用 | |
・ パルミジャーノチーズ | 大さじ2(すりおろし) |
・ イタリアンパセリ | 約小さじ2(茎はみじん切り、葉は粗いみじん切り) |
*表面に浅い溝があるリガーティがおすすめ。
カリフラワーは太い茎の部分から房を切り離す。太い茎は包丁がすっと通るところでかたい部分を切り落とし、かたい部分は皮を厚めにむき、約1cm角に切る。房も約1cm角に切る。
フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて中火にかけ、フライパンを傾けてにんにくをオイルの中で泳がせながら加熱する。
薄く色づき始めたら、唐辛子とアンチョビを加え、アンチョビを木ベラでつぶしながら、オイルに溶かす。焦がさないこと。
①のカリフラワーを加えて混ぜる。全体にオイルがからんだら、水80ml(分量外)を加え、弱火にして蓋をし、木ベラで房がつぶせるくらいになるまで煮る。ペンネ用に鍋に水を入れて中火にかけ、沸騰したら塩を加えて再沸騰させる。ペンネを入れてよく混ぜ、ゆで始める。
④の蓋をはずし、カリフラワーの大きな花房を木ベラで軽くつぶしながら炒め煮にする。水分がなくなっていれば、ペンネのゆで汁50mlを加えて少し混ぜる。
ペンネは表示のゆで上がり時間の1分前になったら、手早くかたさをチェックする。アルデンテの状態になっていたら、ザルにあけ、水気をきって⑤に加え、木ベラで手早く混ぜ合わせる。必要ならゆで汁少々を加えて混ぜる。最後にパルミジャーノチーズをふり入れて混ぜて味をととのえ、パセリをふる。
京都生まれ。アメリカ留学後、青山学院大学で長年教鞭をとる。30年以上にわたって地中海地域をはじめとする世界各国を旅し、あるいは生活しながら、風土ありきの食文化や料理を研究。また、イタリア・パルマの郊外に拠点をもち、イタリアと日本の文化交流にも力を注ぎ続けている。
※この記事の内容はプレジデントムック技あり!dancyu「パスタ」に掲載したものです。
文:遠藤綾子 写真:牧田健太郎