料理研究家の渡辺康啓さんが披露する、豚肉とごぼうの豆板醤ソースと地中海風イカの炒めもの。濃厚レモンサワーがぐいぐい進む味わいです。家で過ごす時間は、手づくり料理で楽しみましょう!
レモンの魅力は、すっきりとした酸味だけにあらず、独特の苦味がクセになるという人も多いだろう。「レモン・ザ・リッチ」の「苦旨(にがうま)レモン」は、果皮エキスを加えることで、そのほろ苦さと酸味を絶妙なバランスで仕上げている。
「レモンらしい苦味はしっかりあるのに、渋味やえぐ味は感じません。ただ苦いだけじゃなく、酸味との組み合わせもちょうどいい。『大人』のレモンサワーという感じです」と渡辺康啓さん。
「苦旨レモン」に合わせてつくってくれた料理は「豚肉とごぼうの豆板醤ソース」。豚肉とごぼうをカリッと揚げ、豆板醤を効かせた甘辛いソースをからめていく。
「甘辛くて強い味つけのものが良く合うと思います。料理を味わった後に『苦旨レモン』を飲むと、ほどよい苦味が濃い味を流し込んでくれるんです」
料理が苦味ですっきりと上書きされると、また甘辛い味が食べたくなる。さらに味わうと、「苦旨レモン」を口にしたくなる。その贅沢なループで、料理もレモンサワーもぐんぐん進む。
さりげなく添えられたパクチーの香りがレモンの風味と相まって、まさに「大人」な時間を楽しませてくれる。
豚肉 | 200g(厚さ1cm) |
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ごぼう | 1/3本 |
にんにく | 1/2片(みじん切り) |
ネギ | 小さじ2(みじん切り) |
白ごま油 | 小さじ2 |
豆板醤 | 小さじ2 |
酒 | 大さじ1 |
水 | 大さじ2 |
醤油 | 小さじ1 |
きび砂糖 | 小さじ2 |
片栗粉 | 小さじ1 |
塩 | 適量 |
胡椒 | 適量 |
香菜 | 適量 |
ごぼうは包丁の背で皮をこそぎ落とし、縦長の乱切りにする。水を張ったボウルに入れて揉み洗いして、水の色が変わったらザルにあけて水気を切る。
豚肉は1cm幅に切り、ごぼうと合わせてボウルに入れ、適量の塩と胡椒で揉む。片栗粉大さじ1強(分量外)をまぶす。
小鍋に白ごま油、豆板醤、にんにくとねぎのみじんぎりを入れて弱火にかける。豆板醤の香りが立ってきたら、酒、水、醤油、きび砂糖を入れて煮立てる。
片栗粉を倍量の水で溶いたものを加えて、とろみをつける。
鍋に揚げ油を180度に熱し、豚肉とごぼうを揚げる。香ばしく揚がったら油を切り、ボウルに入れる。ソースをかけて全体に絡める。器に盛り、香菜を添える。
「『神レモン』は、コクがある飲み口だなと感じました。アルコール感もレモンの風味も強く、シチリアのフレッシュなレモンを思い出しました」と評する渡辺さん。
アルコール度数をアップさせつつ、レモンペーストも加えて、濃厚で飲みごたえのある仕上がりになった「神レモン」。
酸味だけではなく、果皮の苦味や果実の甘味、鮮やかな香りが生き生きと広がって、奥行きを感じさせる味わいだ。
「神レモン」に合わせ、渡辺さんがつくってくれたのは「地中海風イカの炒めもの」。
「濃厚なレモンサワーに香りのいい一品を合わせました。イカはにんにくと炒めて、酸味の効いたマリネをのせます。『神レモン』の飲みごたえに負けない香りがあって、酒も料理もどちらの風味も楽しめます」
重なり合ったハーブの複雑な味わいと香り、さらにレモンサワーのコクが、お互いを引き立て合う。料理とレモンサワーが織りなすふくよかな余韻は、ゆったりすごす休日をより贅沢に感じさせてくれる。
やりイカ | 2杯 |
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にんにく | 1/2片 |
赤玉ねぎ | 1/2個 |
ケッパー | 10粒 |
ディル | 適量 |
オレガノ | 少々 |
レモン | 1/4個 |
赤ワインビネガー | 小さじ1 |
オリーブ油 | 適量 |
塩 | 適量 |
胡椒 | 適量 |
結晶塩 | 適量 |
やりイカはわたを取り除き、輪切りにする。げその部分は食べやすく切り分ける。にんにくは芽をとって潰す。
赤玉ねぎは薄切りにして、塩を振って揉む。水分が出てしんなりとしたら水気を搾り、ボウルに入れる。刻んだケッパー、ちぎったディルを合わせ、レモンを搾り、赤ワインビネガーを加えて混ぜる。オリーブオイル、塩、胡椒で味を調える。
フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れて弱火にかけ、香りを出す。
中火にしてやりイカを入れ、塩を振ってさっと炒める。
3を器に盛り、赤玉葱のマリネを載せる。
上からオレガノをふりかけ、結晶塩をふる。
飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒はやめましょう。飲んだあとはリサイクル。
1980年生まれ。有名アパレルブランドでの勤務を経て、2007年に料理家として独立。料理教室をメインに活動を開始する。2015年、東京から福岡へと拠点を移す。YouTube『せせチャンネル』でも手軽につくれるレシピを日々更新中。
文:晴山香織 写真:山出高士