福地享子さんの魚河岸流魚フライ
王道の美味!失敗しらずの"アジフライ"

王道の美味!失敗しらずの"アジフライ"

魚フライの代表といえば“アジフライ”。そのおいしさは誰もが知っていると言えるでしょう。今回はよく目にする"開き"ではなく三枚おろしにすることで、つくりやすく食べやすいレシピです。

アジの繊細な味わいを堪能

アジフライといえば、開いたアジを豪快に揚げ、ザクッと食べるイメージがありますが、魚河岸流のやり方は、三昧におろして揚げます。そうすることで、揚げやすくなり、失敗せずにつくることができます。さらに、開きのものより食べやすくなるので、万人にお薦めのアジフライが出来上がります。

魚河岸流のフライのコツ
一、魚介の水分を拭き取ってから粉をまぶすこと
(衣が厚くならず、揚げているときにパンクしない)
二、溶き卵に牛乳を加えること
(魚介の臭み消しになるし、パン粉が薄くつくので軽い揚げ上がりになる)
三、衣をつけたら手早く揚げること
(水分の多い魚介は、時間が経つと衣がしっとりして、揚げるのに時間がかかってしまう)

アジフライのつくり方

アジ

材料材料 (つくりやすい分量)

アジ適宜
適宜
黒胡椒適宜
薄力粉適宜
卵液適宜 (卵と牛乳を1:1で合わせる)
細挽きパン粉適宜
サラダ油適宜
とんかつソース適宜

1ゼイゴを取る

ゼイゴを取り除く。包丁の背や刃先を尾から頭へ動かし、ウロコもこそげる。

ゼイゴを取る

2頭を落とす

胸ビレの下から包丁を入れて、はらわたを出す。流水で洗い、水気を拭き取る。

頭を落とす

3三枚におろす

中骨に沿って包丁を入れ、身を切り離す。もう一方の身も同様に。

三枚におろす
三枚におろす
三枚におろした状態。簡単だが中骨に身が残って贅沢なので、「大名おろし」と言う。

4塩、胡椒をふる

腹骨を削ぎ落とし、塩と黒胡椒を軽くふる。中骨は素揚げにして骨せんべいに。

塩、胡椒をふる

5衣をつける

満遍なく薄く衣をつける。アジの繊細な味わいには細挽きパン粉が合うのだ。

衣をつける

6揚げる

サラダ油を中温に熱し、揚げる。途中で返し、こんがり色づいたら引き上げる。

揚げる
完成!次回はイワシフライを習います。

教える人

福地享子

福地享子 築地魚市銀鱗会事務局長

旨い魚や珍しい魚を見つけると、片っ端から買い込んでは、どうしたらおいしく食べられるか、あれこれ試作してみるのが日課。

文:大沼聡子 写真:古市和義

※この記事の内容はdancyu2013年7月号に掲載したものです。

大沼 聡子

大沼 聡子 (編集者・ライター)

家庭科教師だった母親の影響で、小学生の頃から料理雑誌を愛読。現在はレシピ本の企画・編集のほか、食まわりの記事を雑誌・ウェブ等で執筆している。趣味は世界各国の料理をつくること、食べ歩くこと。