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20代でも安心できない!食いしん坊のための糖尿病講座②食事や生活習慣と糖尿病の本当の関係

20代でも安心できない!食いしん坊のための糖尿病講座②食事や生活習慣と糖尿病の本当の関係

糖尿病は、食事や生活習慣が大きく影響する病気です。いつまでもおいしく食べて元気に過ごすために今できることを、前回に引き続き、食いしん坊倶楽部メンバーで医師の三浦雅臣さんにうかがいました。

やせているから大丈夫。ウソ?ホント?

前回は、糖尿病がどんな病気であるかをお話ししました。
糖尿病は太っている中年男性の病気というイメージを持つ人もいると思います。実際、肥満は糖尿病を引き起こす要因のひとつではあります。では、やせていれば心配はないかというと、そうでもありません。やせていても内臓脂肪が多い人は筋肉で糖を取り込む力が減り、血液中の糖が増えてしまうことにつながります。極端な食事制限を伴うダイエットをしている若い女性も同様です。最近では20~30代で発症する人も増えています。
そもそも日本人をはじめアジアの人々は、体質的にインスリンが少なかったり、出にくかったりするため、欧米人に比べて糖尿病にかかる可能性が高いといわれています。糖尿病は遺伝的な影響もありますが、誰もが気をつけるべき病気といえるでしょう。

生活習慣の改善が予防のカギ

糖尿病は他の病気に比べ、生活習慣がより大きく関わってくるといわれています。
糖尿病と診断された人の治療の第一歩として「教育入院(学習入院)」というプログラムが組まれることがあります。1~2週間ほど入院して、病気についての理解を深め、血糖コントロールのための食事や運動、栄養について学ぶためのものです。糖尿病はきちんと自己管理することが大事で、それができるようになれば、健康な人と同じように生活することが可能な病気であるということです。
前述の通り、肥満は糖尿病の要因のひとつになります。特に内臓脂肪型の肥満は、インスリン抵抗性を高める、つまりインスリンの働きがにぶくなって、糖が細胞に取り込まれにくくなります。インスリンの働きが悪くなると、膵臓はインスリンを出そうとするため負担が大きくなり、機能が低下するという悪循環に陥ります。
つまり、まずは肥満を予防、改善することが糖尿病の予防につながります。カロリー過多の食事を避け、適度な運動を心がけましょう。脂肪を多く含む揚げものや、バターや生クリーム、砂糖をたっぷりと使ったケーキの食べ過ぎ、アルコールの飲み過ぎなどには気をつけてください。たんぱく質をしっかりとることも忘れずに。

ドーナツ

食べ方を変えると体は変わる

そうはいっても、好きなものをいっさいやめることはないと思っています。食事の量も大事ですが、それと同時に食べ方にも気をつけていけばよいのです。
毎食食後に甘いものを食べるとか、寝る直前におなかいっぱいにする、なんとなく習慣で晩酌をするということは避けて、回数を減らし、その分少しいいものにするとか、家族や友人と会話を楽しみながらゆっくり食べることをおすすめします。小さなことですが、グッと満足度が上がって、食べ過ぎたり、飲み過ぎたりすることはなくなります。こうした積み重ねが肥満を防ぎ、ひいては糖尿病を防ぎます。

「早食い」「重ね食い」はNG!

すでに健診などで高血糖といわれているのであれば、気をつけるべきは「糖質」です。どんぶりものなど糖質メインの食事の「早食い」「大食い」はもちろん、ラーメンとチャーハンを同時に食べるような「炭水化物の重ね食い」にもご注意を。血糖値を急激に上昇させ、インスリンを分泌する膵臓の大きな負担となります。また甘いお菓子はごはん以上に血糖値の急上昇を招きます。おやつや間食がやめられないのであれば、お菓子の代わりにナッツや野菜スティックなどをチョイスするのも手。ビーフジャーキーや豆腐でつくられたバーのようなものでもいいかもしれません。ただし塩分をとり過ぎないように注意してください。

現状を知って正しくマネジメント

高血糖の診断については、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という数字が指標となります。大まかにいってHbA1cが6%未満は正常、6.0%~6.5%未満が予備軍、6.5%以上は糖尿病と考えられます。ちなみにHbA1cが9、10くらいになると入院が必要なレベルです。よくこの数字に30を足して、体温と考えるとよいですよとお話をします。36なら平熱、36.5なら微熱、37を超えると要注意、といった感じです。
繰り返しますが、糖尿病は、自分の現状をしっかりと知り、放っておかずに適切に対処することが大事。状態にもよりますが、生活を劇的に変える必要はありません。食事や運動などの生活習慣、薬での治療などで上手にマネジメントしていけば、生活の質を落とさずに、楽しく食べ、飲みながら暮らしていくことが可能です。

教える人

三浦 雅臣 先生

東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科 助教。2014年東京大学医学部医学科卒業。2021年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了・卒業。糖尿病や肥満症の研究を専門に、最近では老化や睡眠、味覚についても探究を深める日々。

編集:出口雅美(maegamiroom) 文:久保木 薫 写真:Shutterstock

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