世界を舞台に、料理で日本を支える料理人がいます。各国の要人をもてなし、外交の最前線で「食」を通じて架け橋となる存在――それが公邸料理人です。知られざる役割と、その魅力に迫る動画が配信されました。
2025年初夏のある日。日本に一時帰国中の在ブルキナファソ日本国大使館公邸料理人・佐藤実さんが、新潟市を訪れました。同じく元公邸料理人で、現在は地元でフランス料理店を営む泉井則宏さんに会うためです。
公邸料理人とひと口にいっても、赴任先は世界230ヶ所以上の在外公館。どの国に赴任するかで、環境も仕事内容も大きく変わります。佐藤さんは西アフリカのブルキナファソ勤務の前に、ポーランド・軍縮会議日本政府代表部(ジュネーブ)で公邸料理人を務めました。一方、泉井さんはリオデジャネイロ、バーレーン、ウクライナなどで経験を積んだ経歴の持ち主です。今回は、その二人がそれぞれの赴任地でどんな仕事をしてきたのかを語り合います。対談の進行役は、dancyu副編集長の鈴木智也です。
待ち合わせた鮮魚店から歩いて7、8分、古い料亭などが残る石畳の鍋茶屋通りを抜けたところに泉井さんの店「absinthe」があります。今回はここでお話を伺いました。せっかくなので、ということで新潟の食材を使って泉井さんが腕をふるい、佐藤さんをおもてなし。さらに、泉井さんが公邸料理人を務めていた時代にヨーロッパを訪れて覚えたスペシャリテ、パテアンクルートもご披露いただきました。
調理を終えた泉井さんと佐藤さんに乾杯をしながら、公邸料理人という仕事の魅力やリアルな体験について伺いました。佐藤さんは、日本ではなじみの少ないブルキナファソを赴任先に選んだ理由や、その国の魅力や日常の暮らし、現地の大使館で公邸料理人として働く醍醐味について語ってくださいました。泉井さんには、料理を通じた赴任先の政府関係者や日本の要人との交流を含め、これまでに経験した3ヶ国での印象深い思い出を語ってもらっています。
最後には、お二人から未来の公邸料理人へのメッセージも。共通していたのは「大きなやりがいがあり、かけがえのない経験になる」ということ。
その熱い思いは、ぜひ動画でご覧ください!
absinthe(アブサン)
【住所】新潟県新潟市中央区東堀通9番町1401-2
【電話番号】025-378-3554
【営業時間】18:00~21:30(L.O.)
【定休日】月曜日
【アクセス】JR新潟駅より車で10分
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文:編集部 写真:近藤俊介