
dancyu編集長・藤岡が愛飲する、スーパーやコンビニで買える日本酒を紹介するこの企画。一本目のキクマサピン、2本目の日本盛 純米大吟醸に続き、3本目は剣菱です。
dancyu2024年3月号「王道の酒」特集。その巻頭で、王道酒の両巨頭として掲載したのが「十四代」と、今回ご紹介する「剣菱」でした。
記事はこのように始まります。
【誰でも名前は知っている。町の酒屋さんで気軽に買えて、なんならコンビニにだって並んでいる。しかし、どこのどんな陳列棚に並んでいようとも、ぴかりと発光して引き寄せる圧倒的なオーラが「剣菱」という酒にはある。】
そうなんです!どこでも買える身近な酒でありながら、日本酒好きが一目置く別格の酒、それが剣菱。重厚で複雑な味わいを、500年前から変わらず守り続けています。区分は普通酒で値段も手頃ですが、山田錦や愛山といった高級酒米をふんだんに使ったり、吟醸酒さながらに蓋麹での手造りを貫くなど、知れば知るほどその誠実な酒造りに驚くばかり。しかもそれらを声高に謳うことなく、宣伝費をかけない分、材料に還元するなど、実に奥ゆかしい。
そんな剣菱の中でも私が特に注目しているのが、黒松剣菱の一合瓶(180ml 373円)です。
ころりと丸みを帯びたボトルは手によくなじみ、見た目もかっこいい!実はグッドデザイン賞も受賞しているお洒落な子なのです。
剣菱はそもそもお燗にしてぐんと映える酒です。この一合ボトルは、燗酒の裾野を広げるべく試行錯誤を重ねて開発されたと聞きます。蓋を外し、500wの電子レンジに1分かけるだけで、心地いい塩梅の燗酒の出来上がり。食洗器でも洗え、中の酒を替えて何度でも使える優れものです。蔵元もこのボトルでレンチン晩酌しているとか。
関西ではスーパーでも手に入るのですが、残念ながら関東方面ではややレア商品。
かわいいのにあまり知られていないので、ちょっとした手土産にしたいなーと思って探すも、近所のマルエツにはなし……。関東のスーパーでももっと売ってくださーい!!
文:藤岡郷子 撮影:編集部