山手線!本気の昼飯マップ
【渋谷の名物ランチ】唯一無二のアフリカ料理を堪能できる『ロス・バルバドス』の「ジョロフライス・ミール1,800円」

【渋谷の名物ランチ】唯一無二のアフリカ料理を堪能できる『ロス・バルバドス』の「ジョロフライス・ミール1,800円」

食いしん坊倶楽部のLINEチャットグループ「山手線!本気の昼飯マップ」で、メンバーから寄せられたメニューを徹底解剖してお届け。第4回は、渋谷「ロス・バルバドス」の「ジョロフライス・ミール」です。

推薦者

食いしん坊倶楽部

食いしん坊倶楽部メンバー まつみーさん

アフリカ・カリブ・アラブ料理を食べられます。店主はリンガラ語を話すほどのコンゴ民主共和国好きで、BGMはリンガラ・ポップス。バオバブジュースやビサップジュース(ハイビスカスのジュース)といった珍しい飲み物も揃っています。

外観

近年目まぐるしく変化する渋谷の街の片隅で、15年前からアフリカ料理を提供している店がある。“ロスバド”という名で愛されている「ロス・バルバドス」だ。

JR「渋谷駅」ハチ公口を出てスクランブル交差点を渡り、さらにセンター街を抜けると、それまでの喧騒が途切れてスンと静かな宇田川町エリアへと切り替わる。そんな場所に、「ロス・バルバドス」は店を構える。

店内
店内はパリ18~20区の移民街のムードを再現。料理は、ど真ん中のアフリカ料理というよりはパリやブリュッセルの移民街で食べられている味をイメージしながらつくっている。
上川大助さん
上川大助さん。音楽家として活動したのち、料理人に。2010年、妻の真弓さんとともに「ロス・バルバドス」を開店。1990年代からアフリカやフランスへ渡航しながら現地の食文化に触れてきた経験を活かし、ファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)など日本では馴染みのなかったアフリカの料理をいち早くメニューに取り入れてきた。「今日はコンゴ民主共和国のユニフォームを着てきました」。

甘味と酸味のバランスが絶妙! 「ジョロフライス・ミール」

ジョロフライス・ミール

セネガルの「プーレヤッサ」や「マフェ」など、メニューに並ぶのはすべてアフリカ料理。まずは「ジョロフライス・ミール」1,800円を注文! トマトソースで炊き込んだ西アフリカの炊き込みご飯だ。トマトの酸味とココナッツの甘い風味が渾然一体となった優しい味わいが、不思議と後を引く。付け合わせの鶏肉のグリルやケール、豆煮込み、揚げバナナ、刻み野菜のサラダを混ぜながら食べると、一皿でいろんな味や食感を楽しめるのも魅力だ。

レモンの香りが爽やか「プーレヤッサ・ミール」

プーレヤッサ・ミール

メニューに並ぶ珍しい料理名の数々に興奮してしまって、さらにもう一品! 「プーレヤッサ・ミール」1,400円は、鶏肉のレモン煮込みをかけたご飯。スパイスをきかせた鶏肉とマリネした玉ねぎの甘味に、レモンの爽やかな香り。見た目の素朴な印象とは対照的な奥行きのある味わいで、なんとも美味しい。何口か食べ進めてからプレートに添えられた真っ赤な唐辛子ペーストを混ぜると、ガラリと印象が変わってこれもまた良し。甘い、辛い、甘い、辛いのインターバルを一皿で楽しめてしまう。

前菜は選べる2種類!

前菜

いずれのメニューも単品で注文できるほか、プラス700円で前菜を追加することもできる。前菜は肉料理ありかヴィーガンの2種類。肉料理ありの前菜は、鶏肉の春巻きや羊肉のサモサとファタヤ(ツナの揚げ餃子)とサラダのセットだ。

前菜

ヴィーガンタイプの前菜は、ニンジンのラペにフムス(ひよこ豆のディップ)、オクラのトマト煮込み、ファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)にシガラポレイ。シガラポレイとはチーズを春巻きにしたトルコ料理。この店ではチーズを豆腐に代えてアレンジし、ヴィーガン仕立てにしている。食のスタイルに関係なくどんな人でも楽しめる店にしたい。そんな思いから、「ロス・バルバドス」では2010年の開店当初からヴィーガンやベジタリアンに対応したメニューを充実させてきた。

カフェ・トゥーバ

食後の一杯にはカフェ・トゥーバ。セネガルで飲まれている、ギニアペッパーや生姜などのスパイスが入ったコーヒーだ。ビターで食後にピッタリ。しかも、スパイスがたっぷり使われているので、なんとなく消化を促してくれるような気分になれる。

フランスの移民街にあるアフリカ料理屋をイメージ

料理

ここで紹介した料理は、お店にあるランチメニューのほんの一部に過ぎない。「ベジタリアンマッツァ」(レバノン風野菜惣菜盛り合わせ)やグリルチキンを細かく刻んで丼にした「アフリカン・スパイシー丼」のほか、バオバブジュースやスワヒリチャイ(生姜とスパイスをきかせて豆乳でつくった紅茶)など、日本ではあまり見かけないメニュー名がずらりと並ぶ。

そのうえ、実はライスもバスマティライスやクスクス、フォニオ(グルテンフリーのクスクス)などから選べる。強靭な胃袋を持っていたなら、気になったメニューを全部食べてみたい。それができなければ、何度も足を運んでメニューを制覇したい。

店内
店内

壁にびっしりと並ぶのは、店主が集めたオブジェやポスターに、常連客が持ち寄ったお土産の数々。異国の風を感じる店内の雰囲気が、料理の味をさらに引き立てている。

店舗情報店舗情報

ロス・バルバドス
  • 【住所】東京都渋谷区宇田川41‐26 パピエビル1F
  • 【電話番号】03‐3496‐7157(ランチは予約不可)
  • 【営業時間】11時30分~18時00分 金土は11時30分~21時
  • 【定休日】水曜、木曜
  • 【アクセス】JR「渋谷駅」から10分

文:吉田彩乃 写真:竹之内祐幸 

吉田 彩乃

吉田 彩乃 (ライター)

1986年、東京都生まれ。2015年よりフリーランスのライターとして活動し、食関連の記事のほか、ビジネス、経済、カルチャーなど幅広いジャンルで執筆。好きなものは珈琲とナチュラルワインと、ワインのつまみになるパン。