全量芋焼酎「一刻者(いっこもん)」は、飽くなきチャレンジャーだ。本格芋焼酎では“当たり前”とされてきた米麹ではなく、芋麹を研究・開発。さらに、注目したのは熟成環境で、昨年9月、「黒壁蔵」には巨大な天然石の石蔵が誕生した。すべては造り手の想像を超える、未知なるおいしさに出合うために!そして、より多くの人に笑顔を届けるために!
宮崎県高鍋町にある「黒壁蔵」に昨年9月、大きな石蔵が誕生。「一刻者」の原酒はこの石蔵で貯蔵・熟成されている。石蔵貯蔵により、持ち前の華やかな香り、上品な味わいはより研ぎ澄まされ、全量芋焼酎の魅力はさらに極まっているのだ。
そもそも「一刻者」は酒質開発そのものがセンセーショナルだった。「芋焼酎なのに、なぜ米麹で仕込むのだろう」という素朴な疑問から、「米麹を使用せずに、麹まで芋で造った、いわば“純芋焼酎”はどんな風味がするのだろう」という好奇心が頭をもたげ、ついに芋麹づくりから着手。米よりも水分の多い芋との闘いは、なんと6年にも及んだという。
結果、造り手の想像を遥かに超えた旨さをたたえる全量芋焼酎が誕生。南九州辺りで“頑固者”を意味する「一刻者」のデビューである。
その“頑固者”が次に注目したのが貯蔵・熟成だった。黒壁蔵がある一帯は、夏は暑いが、冬は意外と寒くなる。そこで、温度による焼酎原酒の熟成変化を研究したところ、原酒は一定の温度帯で貯蔵させると、きれいな熟成を促せることが判明。「芋麹仕込みならではの、まろやかで華やかな風味を生かしたまま、じっくり熟成させたい」。こうして温度変化の少ない石蔵は、黒壁蔵の必然となったのだった。
宮崎市にある、鶏料理のおいしさで評判の「居心地屋 やまぢ」を訪ねた。県下の焼酎をフルラインナップする店でもある。「地元で育まれる食材は、地元で造られる酒に合うようにできています。そして、その酒に合うように料理は育つ!」というのは大将の黒木浩一さんである。石蔵貯蔵された「一刻者」を利いてもらうと、「華やかなのにすっきり、味わい深くてまろやかです。焼酎がおいしくなると、私の料理の腕が鳴ります」と笑った。
全量芋焼酎「一刻者」の第二章は始まったばかりだ。石蔵によるクオリティーアップがどんな物語を紡ぐのか、大いに楽しみである。
「一刻者」の炭酸割りが、鶏の旨味を爽やかに盛り上げる。
●宝ホールディングス お客様相談室
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居心地屋 やまぢ
【住所】宮崎県宮崎市橘通西3‐8‐5
【電話番号】0985‐23‐3213
【営業時間】18:00~23:00(L.O.)
【定休日】日曜
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お酒は20歳を過ぎてから。
飲酒運転は法律で禁じられています。
妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。飲酒は適量を。
文:斉藤由利子 写真:森谷則秋