「和食が大好き」という元・車いすテニスプレーヤーの二條実穂さんのために、和食の名店「分とく山」総料理長の野﨑洋光さんが用意したのは、豆乳仕立ての椀と卵焼き、そして炊きたてのご飯。おいしいものを挟んで、お二人がバリアフリーとおもてなしについて語り合った。
東京都は、パラリンピックを盛り上げるとともに、大会の気運醸成に合わせてソフト・ハード両面のバリアフリーを推進していくため、昨年6月、「東京2020パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会(パラバリ懇)」を設置しました。メンバーは谷垣禎一氏を名誉顧問に、学識経験者、パラアスリート、各界で活躍する方々47名。二條さん、野﨑さんもメンバーに名を連ねています。
1月15日に東京国際フォーラムで開催された第3回の懇談会で小池百合子都知事は「パラリンピックを通じて、バリアフリーを促進していく。誰にとっても優しく、訪問しやすい街、そういう東京にしていきたい。パラリンピックの成功なくして東京大会の成功はない。大会会場を満員にして、大いに沸きたつ、そんな東京大会に皆さんとともにしていきたい」と語りました。
「分とく山」総料理長。福島県出身。東京グランドホテル、八芳園を経て1980年に東京・西麻布のふぐ料理店「とく山」の料理長に就任。89年、日本料理店「分とく山(わけとくやま)」を開店。現在は本店、伊勢丹店、とく山の3店舗を統括している。
元・車いすテニスプレーヤー。株式会社シグマクシス所属。大工として働いていた23歳のときに建築現場の足場から落下し脊髄を損傷、車いす生活に。2004年から車いすテニスを始め、数多くの世界大会に出場するプロのプレーヤーとして活動。2016年リオデジャネイロ パラリンピック ダブルス4位入賞。2019年現役を引退。
文:梅澤 聡 撮影:相澤 正