
鹿児島が誇る本格焼酎メーカー濵田酒造が2年連続の出店。新感覚のボタニカル系麦焼酎「CHILL GREEN」、ライチのような華やかな香りで大人気の「だいやめ~DAIYAME~」など、香りが魅力的な銘柄が揃います。dancyu祭に先んじて、焼酎シーンをけん引する渋谷「嚔(アチュー)」スタッフのテツさんが試飲。そのコメントを参考に、ぜひdancyu祭で答え合わせを!





鹿児島県いちき串木野市に蔵を構える濵田酒造は150年以上の歴史を誇る本格焼酎界のトップランナー。創業は1868年、明治維新という激動の時代に生まれ、濵田伝兵衛によって地元の農産物であるさつまいもを原料とした本格焼酎造りをスタートした。戦後の焼酎ブームもあいまって愛好家が増えるにつれ、その名は全国に広まり、さらに2000年代にはコンセプトの異なる3つの独立した蔵を構える決断を下した。
その3つの蔵とは、手造り、甕仕込み、木桶蒸留など伝統的な製法とスピリットを受け継ぐ「伝兵衛蔵(でんべえぐら)」、最新鋭の設備と徹底した品質管理をもとに、科学的なアプローチで革新的な味を探究する「傳藏院蔵(でんぞういんぐら)」、かつての金山跡地を利用した、世界でも類をみない坑洞内の仕込み・貯蔵施設で長期熟成などを試みる「金山蔵(きんざんぐら)」。「伝統」「革新」「継承」という同社の理念を体現した、個性的かつバラエティ豊かなラインナップを次々と生み出してきた。
今回、dancyu祭に登場するのは、濵田酒造の進取果敢なスピリットを感じさせる4銘柄。「ボタニカル系焼酎」という新機軸で打ち出した「CHILL GREEN」2種は、これまで焼酎になじみのなかった若年層や女性からも熱い支持をうけている。
1本目の「bitter&tropical」は、それまでビールの原材料として広く知られてきた「ホップ」、なかでも希少な「ギャラクシーホップ」を焼酎業界でも珍しく、先駆けて取り入れた。「発酵する醪(もろみ)に香りづけをしてから蒸留するという型破りな発想だけでなく、香りを引き出すための温度やタイミングなど、わが社が積み重ねてきた技術と経験があってこそ生まれた焼酎です」と、マーケティング本部の大脇野乃花さんは胸を張る。
さらに驚くのは、Z世代を含む若い世代の活躍だ。「だいやめ」が好きでたまらないという理由で入社した若手たちが伝統に新風を吹き込む。「「spicy&citrus」の研究・開発を手がけたのは20代の女性社員です」と大脇さん。若手の感性を信じて積極的に起用し、味や香りだけではない、ボトルのデザイン、日常のチル(くつろぎ)に寄り添うコンセプト設計など、時代を読み解くしなやかな感性と恐れなき変革こそが、濵田酒造がトップランナーであり続ける理由なのだ。
同社の取り組みを象徴する「だいやめ~DAIYAME~」は、イギリス・ロンドンで毎年開催される世界三大酒類コンテストの一つ「IWSC(International Wine & Spirit Competition)」で焼酎部門の頂点である「トロフィー(部門最高賞)」を受賞する快挙を成し遂げた。「これがSHOCHU?」と世界を驚かせたエレガントで奥行きのある味わいは、既存のイメージを鮮やかに覆す。鹿児島の生活文化を象徴する「だいやめ」の名を冠したこの名品は、多忙な現代を生きるあらゆる人々の心を優しく解きほぐしてくれる。
一方、150年の歴史を紡ぐ芋焼酎「薩州 赤兎馬」も見逃せない。鹿児島産の新鮮なさつまいもと冠岳湧水の清らかな軟水で丁寧に造り上げる。シャープでありながらフルーティ、芋の甘やかな香りの余韻が後を引く。地元・鹿児島と焼酎への深い愛情が感じられる。

「僕が焼酎の世界にのめり込んだきっかけが、まさに「だいやめ」です」と開口一番、「嚏(アチュー)」スタッフのテツさんから熱いコメントが飛び出した。店には約80~100種の本格焼酎を常備し、オリジナルのつまみとともに楽しめる。
休日のたびに九州へ飛び、蔵元を巡っては造り手と杯を交わすという情熱家。「蔵元が信頼をおく地元の居酒屋さんにも通って、ポテンシャルを最大限に引き出す飲み方や合わせる料理、ビギナーのお客さまにわかりやすく味を伝える方法なども勉強させてもらってます。僕はまだ23歳なんですけど、この3年間の酒量は半端ないっす」と屈託のない笑顔をみせる。そんな焼酎愛あふれるテツさんに、4本の魅力や飲み方を教えてもらった。
「焼酎は飲み方も料理も選ばない自由なところがすごくいい。でも、僕は試行錯誤して、「こうやって飲む方がもっとおいしくなるし、面白くなる」と思うものをお客さまに伝えています」というテツさん。炭酸割りには「香りをふわっと飛ばす、酸を足して輪郭を立たせる、口の中をリセットするという3つの役割がある。最初に味わうなら、まずは炭酸割りで香りを存分に楽しんでほしい」。

「CHILL GREEN bitter&tropical」にはホップ由来のほろ苦さと、トロピカルだけでなくベリーのようなニュアンスもあるという。「森や雑木林が目の前に広がるようなウッディ感が心地良い。ロックにして、少しだけソーダを加える“チョイソー”もおすすめです。ほろ苦さが料理の脂をスッと断ち切ってくれるので、エビチリとか、やや甘めの料理が合いますね」(テツさん)。
「「CHILL GREEN spicy&citrus」はラムネっぽい爽やかな甘みと、しっかり残るスパイスの余韻が印象的。ソーダと少量のトニックで割る「ソニック」割りにすると、炭酸だけではない、奥行きのある味が楽しめます。料理はパンチの効いた炒め物や、仕上げにパクチーやライムが香るエスニック料理がおすすめ」(テツさん)。
3本目はテツさんの人生を変えた「だいやめ」。「このお酒には、理屈抜きで人を引き込む底知れない魅力があります。講釈は抜きで(笑)、とにかく飲んでみて。そのままグビグビいけます。どんな料理も受け止める懐の深さも素晴らしい」とテツさん。
最後の「赤兎馬」には歴史の重みを感じるという。「飲み方も料理も選ばない、濵田酒造さんの圧倒的な実力とプライドが詰まっている。地元で長く愛されてきた、骨太で頼もしい味わい。王者の風格がありますね」(テツさん)。
ビギナーから舌の肥えた上級者までうならせる、いまを知るうえで欠かせないチョイスが光る。焼酎の世界に飛び込みたくなる4本を一気に味わえるこの機会、ぜひお見逃しなく!


編集:出口雅美(maegamiroom) 文:槇原耕一 撮影:海老原俊之