
コース全盛の鮨業界において、お好み大歓迎の人気町鮨が今年も祭に参戦!昨年閉店した「すし宗達」に替わり、系列店の「すし光琳」が、酒のつまみに最適な太巻きを提供します。
営業時間は昼間の3時から。その時間に訪れると、少し遅いランチにと一人前1,980円のお決まり握りを食べる人あり、クジラの刺身や焼いた白子をつつきながらのんびり日本酒を楽しむ人あり。席に着くなり黒板に書かれた握りのメニューを次から次へと注文して旺盛に食べる客もいる。みんな自由でマイペースだ。
「それでいいんです」と笑うのは、店長の柏木寛之さん。「そもそも鮨屋はかしこまっていく場所ではなかったはず」と、子供から大人まで、誰に遠慮することなく楽しめる店を目指す。
一方で、職人としての志は高い。たとえば酢飯には7年熟成の赤酢と白酢をブレンドし、鮨ダネに負けない強さを出すため塩を配合。誰にでも食べやすくするため砂糖を入れるのは町鮨ならではの優しさか。その酢飯とバッティングしないよう、締めものは塩を控え、浅めに仕上げる。「喉を通るときにちょうど鮨ダネと酢飯が一つになるように」と魚によっては表面に包丁を入れている。
こうした本格的な握りを、気軽な雰囲気の中で高級店さながらにじっくり味わえるのも「すし光琳」の魅力だ。
おおよそ40種類の握りに、20種のつまみ、10種の日本酒。一人で? 二人で? 家族と? 誰とどんな風に楽しむかは、まさにあなた次第!
文:浅妻千映子 撮影:岡本 寿