
学芸大学の人気イタリア料理店「リ・カーリカ」の堤亮輔シェフが今年も祭に参戦!昨年10月に開店したフォカッチャサンド専門店「トゥトゥ」の定番サンド3種類と、ワインが進むエアリーな生ハム盛り合わせが楽しめます。
東京・学芸大学のイタリアンといえば、活気溢れる「リ・カーリカ」。昨年の祭では「リ・カーリカ」の看板で参戦したオーナーの堤亮輔さんだが、今年は昨年10月に開いた新店を掲げて登場する。その名は「TUTU(トゥトゥ)」。フォカッチャサンドの専門店である。場所は学芸大学駅からすぐ近く。高架下の商店街の一角にある、ガラス張りで気軽な雰囲気の店構えだ。気持ちいいテラス席もある。
「学芸大学駅高架下の再開発プロジェクト“GAKUDAI PARK STREET”に参加して、この町をもっと面白くしたいという気持ちでつくった店です。イメージしたのは、イタリアのバルみたいな、町の寄り合い所のような店。ならば、ふらっと立ち寄れる気軽な店がいい。僕らイタリアンだし、フォカッチャサンドなんていいんじゃないかと思ったんですよね」
軽やかなノリで語る堤さんだが、本気度はもちろん100%。目指した理想のフォカッチャは、「見た目は食べきれなそうなイタリアンサイズなんだけど、ぺろりといける軽い食べ心地」。研究を重ね、水分量を多めにし、しっかり発酵させる生地に着地。毎朝、フォカッチャを店内で焼き上げている。
具は、そのまま皿に盛ってワインのつまみにもなるようなハイクオリティなものばかり。ソースもすべて手づくりだ。メニューは常時7種ほど用意し、ハム類を挟む定番のほか、揚げ立ての真ダラのフリットや手間暇かけたきのこのマリネなど、季節ごとに変わる具も用意。オーダーごとにフォカッチャをリベイクし、具を挟んで提供してくれる。「具がいっぱい詰まっていないと嫌なんですよ(笑)」という堤さんの方針で、具材もソースもたっぷり!ボリューミーな見映えに思わず頬がゆるんでしまう。
祭では、「いろんなものを食べてほしいから」と、フォカッチャサンドは店で出す半分のサイズで提供。定番メニューの3品がお目見えする。生ハムとモッツアレラのフォカッチャンドは、フェンネルシード入りのサラミをプラスした祭バージョン。ケイパーやアンチョビ入りの自家製ルッコラソースを合わせた王道の組み合わせながら、堤さんの自信作である。
イタリアはエミリア・ロマーニャ州名産のハム、モルタデッラのフォカッチャサンドは店の一番人気メニュー。濃厚なピスタチオソース、自家製リコッタチーズ、さらにレモンをたっぷり搾りかけた一品で、コクがありながらも爽やかな余韻が心地いい。もう一品は堤さんが「やんちゃなヤツ」という牛バラローストのフォカッチャサンド。マンゴーハラペーニョソースを合わせたタコス風味で、確かにやんちゃなおいしさだ。
祭当日も店同様、高性能のスライサーでハムを切り、パンをリベイクし、ソースをたっぷり回しかけ……。と、ライブ感も見ものの「トゥトゥ」へぜひ!
文:安井洋子 撮影:海老原俊之