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日本酒スタディ特別編|第12回dancyu Live!キッチンを開催しました

日本酒スタディ特別編|第12回dancyu Live!キッチンを開催しました

3月に開催したdancyu Live!キッチンは「泉橋酒造」の橋場友一さんをお迎えしました。

3月2日に開催された「dancyu Live!キッチン」は、日本酒ファン待望のスペシャル版!講師に迎えたのは、「いずみ橋」を醸す泉橋酒造の6代目蔵元・橋場友一さんです。日本酒の上槽(搾りによる酒質の違い)を教わりつつ、ライブに参加したみなさんとオンラインで利き酒も愉しみました。

日本酒の造りを知る

橋場友一さん
「泉橋酒造」の蔵元・橋場友一さん。

「泉橋酒造」といえば、本誌で毎年恒例の日本酒号でもたびたびご登場いただいたことのあるお蔵です。神奈川県海老名市にて、米づくりから醸造まで一貫して行うなど、さまざまな取り組みをしています。

「いずみ橋スタディセット」もそのひとつ。麹違いや米違いなどワンテーマごとの小瓶5〜6本の利き酒セットを、各テーマに沿った基礎知識が学べる動画付きで定期的に販売するという商品をコロナ禍にリリースしました。

日本酒瓶
スタディセットのお酒。

今回はその「いずみ橋スタディセット」の“上槽”編をもとに、橋場さんから上槽とは何ぞや?を解説してもらうという、今までにないライブ配信でした。
まずはスタディタイム。「上槽とは、発酵させたもろみを搾って酒と酒粕にわける作業のことです」と橋場さんが切り出し、動画を見ながらスタディタイム。
動画によると、泉橋酒造は全量が槽搾りで、およそ48時間かけて3段階の酒が搾れるとのこと。1段階目はもろみ自身の重みで搾れる白濁した「荒ばしり」、2段階目はもろみが自然の濾過層をつくるため透明な酒が搾れる「中取り」、最後はばんばん圧力をかけて搾る「責め」。実際の作業工程映像だけではなく、3段階分の日本酒度やアミノ酸度などの値をグラフで示しながら解説するなど、日本酒好きが喜ぶ濃い内容で、参加者たちから「勉強になりました!」とのコメントが次々に届きました。

編集部員
今回は編集部から里見と神鳥も参加しました。
グラスを掲げる橋場友一さん
乾杯する橋場さん。

上槽を学んだあとはいよいよ利き酒タイムに突入!今回のスタディセットの中身は全6本。上槽の各段階の酒を小瓶に詰めた「荒ばしり」「中取り」「責め」。そして通常商品の「恵 青ラベル 純米吟醸酒」とその9年古酒、さらになぜか空き瓶が……。
スタジオにも同じセットが用意され、橋場さんが利き酒の方法をレクチャーします。すべての瓶を開栓し、まずは全種の香りを順にかぎ、順に飲み進めるのがよいとのこと。
「とくに荒ばしり、中取り、責めは、香りも味も差はわずか。ですから一種ずつでは違いを捉えにくいのです。同時に飲み比べることで初めて違いがわかるんですよ」という橋場さんの言葉におおいに納得。

瓶を持つ橋場友一さん
動画のコメントモニター

最後に、空き瓶を橋場さんは手にして、「蔵元になった気分で、好きな酒を好きなように空き瓶に入れて調合してください。僕は、今日は荒ばしりと古酒を半々でブレンドしてみます」と満面の笑顔。混ぜちゃっていいの?!と驚きながら、試した参加者の皆さんからは「ブレンドで自分好みの味になる!」「目からウロコ!」と驚きと発見の声が続々と。初めての日本酒の会、皆さんに楽しんでいただけたようでした。

橋場友一さんと拍手する植野編集長
ありがとうございました~。

参加すればするほどおいしい知識が増える「dancyu Live!キッチン」。次回は3月30日(水)の19:30~dancyu4月号「韓国日常料理」と連動し、キムナレさんを講師に迎えた配信です!お楽しみに!

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文・安井洋子 撮影・佐藤侑治

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安井 洋子

安井 洋子

九十九里生まれ。東京に住んでみたけれど、海が恋しくなって葉山に移住。雑誌やウェブに食まわりの記事を執筆する。息抜きは、ナチュラルワイン好きの聖地・鎌倉でのひとり飲み。