
休日のランチにパスタをつくるような感覚で、ちらし寿司をもっと身近に、もっと楽しく味わおうという新連載「日曜は、ちらし寿司をつくる。」。第5回は、具材に使うのは旬の桜海老と春キャベツの塩もみだけ!ものすごく簡単にできちゃうクイックちらし寿司を、マイマイ先生こと料理家の真藤舞衣子さんに教わりました。
前回マイマイ先生に教わったのが、鯛のおぼろをはじめ、具材がたくさんのった王道スタイルのちらし寿司。手をかけるからこその美味しさと楽しさがあるのだなあと、あらためて実感した……のですが、それはそれとして。たとえばパスタでいったらペペロンチーノぐらいに簡単に、ちらし寿司をつくれたらいいのにな。
「手早くちらし寿司をつくりたい時には、すし酢を使うのがいいですよ!あらかじめ味付けされているので、合わせ酢をつくる手間が省けちゃう。炊き上がったご飯にかけるだけ。すし酢はメーカーによって味付けも様々なんだけど、私がよく使っているのは富士手巻きすし酢。赤酢のコクがあって、砂糖を使っていないから甘さもなく、いろいろな具材に合わせやすいんです」(真藤さん)


とはいえ、寿司飯が簡単につくれても、具をつくるのに時間がかかっちゃうんだったら意味がない。切るだけとか、のせるだけぐらいの便利でシンプルな具ってあるんですかね?
「それだったら、今まさに旬を迎えている桜海老と春キャベツを使ったちらし寿司がいいかも!キャベツは細切りにして塩揉みに。釜揚げ桜海老はそのままのせるだけ。あとは黒胡椒をささっと振ればできあがり。これぐらい簡単にできちゃうちらし寿司を、私は“クイックちらし”と呼んでます(笑)」(真藤さん)
たしかにこれは、クイックすぎるちらし寿司!そのシンプルさにびっくりしてスルーしそうになったけど、桜海老はともかく、キャベツの塩揉みもちらし寿司の具材になっちゃうの?
| 釜揚げ桜海老 | 40g |
|---|---|
| キャベツ | 100g(葉3~4枚) |
| 塩 | 小さじ1/4 |
| 黒胡椒 | 適量(粗挽き) |
| オリーブオイル | 適量(好みで) |
| ★ 寿司飯用 | |
| ・ 米 | 1合 |
| ・ 昆布 | 5g(乾燥) |
| ・ 水 | 180ml(米と同量が目安) |
| ・ 手巻き寿司酢 | 大さじ1.5 |
水、昆布を入れて1時間ほど吸水させた米を炊く。
深めの大皿や大きめのボウルに炊き上がったご飯を移す。手巻き寿司酢をご飯にまんべんなくかけて、団扇などで軽く扇ぎながらしゃもじで切るようにご飯をほぐしていく。粘りが出てしまうので、混ぜ返さないようにするのがポイント。湯気が落ち着いたら扇ぐのを止める。
*寿司飯についてさらに詳しい解説は、こちらをチェック
細切りにしたキャベツをボウルに入れ、塩を振って5分ほど置く。水分が出てくるので、手でぎゅっと絞って水気をしっかり切っておく。

皿に寿司飯を広げ、キャベツを全体に広げるようにのせる。その上に桜海老をちらして、黒胡椒をやや多めに振りかける。好みでオリーブオイルを適量かける。

噛むごとに、桜海老から豊かな旨味があふれ出す。それがシャキッとした歯応えの残るキャベツの甘味と塩味、もっちりした寿司飯の酸味と見事に重なりあい、さらには黒胡椒の爽やかな辛味が全体の味を引き締める。合わせる酒は辛口のスパークリングワインか。いや、レモンサワーなんかもよさそう。味わいの余韻が残ったところに喉ごしのいい泡を流し込めば、口の中で春の喜びがピチピチと踊り出す。食べ進める途中でオリーブオイルをかけても、味の印象が変化して面白い。
使った調味料は手巻き寿司酢と塩と黒胡椒のみ。いやぁ、びっくりするぐらいシンプルなレシピなのに、見た目も華やかでご馳走感もばっちり。休日の昼下がりにクイックちらしをササッとつくって、日の高いうちから飲み始めちゃいましょう!

東京生まれ。会社勤務を経て、京都の大徳寺塔頭(たっちゅう)にて1年間生活。フランスに料理留学後、発酵研究家、料理家の活動を開始。雑誌や書籍、料理教室、講演など多方面で活躍。近著に『サバの味噌煮はワインがすすむ』(小泉武夫氏と共著、日経BP)、『つくりおき発酵料理のアレンジごはん』(主婦と生活社)がある。
文:宮内 健 写真:伊藤徹也