心ふるえる酒2026
【酒よし肴よしの新名店 用賀「大どころ」】若大将が繰り出す技アリ料理。心躍る、呑んべえのための"台所"

【酒よし肴よしの新名店 用賀「大どころ」】若大将が繰り出す技アリ料理。心躍る、呑んべえのための"台所"

2026年日本酒dancyu「出会えてよかった!心ふるえる酒」特集では、選りすぐりの日本酒を、気の効いた料理と共に味わえる注目の新店をピックアップ。今回は用賀「大どころ」をご紹介します。

居酒屋以上、割烹未満。若大将のセンスにうなる、ちょうどよい料理と日本酒

「ずっと居酒屋をやりたかった」という店主の宮田大さん。店名には自分の名前に、“みんなの台所のような場所にしたい”という思いを掛けた。カウンター席から見える厨房の風景は賑やか。とにかく楽しませたい若大将は、丁寧に手を動かしながらも、お客と会話することを忘れない。

カウンター席
活気はあるが騒がしくはない、居酒屋以上、割烹未満の心地よさ。カウンター席の前に厨房があり、ほかのお客が頼んだ料理が美味しそうで、つい「それください」と言ってしまう。
店名
勢いのある大胆な文字がなんだかいい看板
日本酒
日本酒のセレクトは幅広く、初心者には爽やかな「荷札酒」、燗酒派には「睡龍 生酛純米 熟成」と臨機応変に薦める。時に宮田さんの思いつきが、新たな扉を開くことも。「福島の『ロ万』は冷酒向きの純米吟醸ですが、ぬる燗も美味しいですよ」。

料理はずばり、居酒屋と割烹のいいとこ取り。刺身は質だけでなく、ホスピタリティーにも感動する。客同士が気を遣わぬよう、料理はできるだけ一人前ずつに分けて出す。これぞ必殺“銘々盛り”。店を出したら、絶対にやると決めていたらしい。

刺身盛り合わせ
「刺身盛り合わせ」一人前1,200円。魚は豊洲市場から。この日は愛媛の本マグロ、宮城の赤貝、長崎のクエ、大阪の鰆の盛り合わせ。人数分に分けて提供する“銘々盛り”はうれしい心遣い。

「炭の香りは調味料」と断言する通り、香りをまとった炭火焼きの肉や魚は、熟成酒の燗が進む。締めの土鍋ご飯は、山わさび×和牛しぐれ煮という、食材合わせのセンスが面白い。「今は漬物とレバーペーストのつまみを考えていて」と目を輝かせる若大将。うんうん、それもすごく酒に合いそうだ。

本日の焼き魚
「本日の焼き魚」1,080円。その日の仕入れで替わる焼き魚も、串を打ち炭火で焼き上げる。本日は大きな鰆のカマをシンプルに塩焼きに。すだちを搾ってちびちびと身をほぐしつつ、燗酒に合わせたい。
和牛しぐれ煮と山わさびの土鍋ご飯
「和牛しぐれ煮と山わさびの土鍋ご飯」3,200円。北海道産の山わさびを主役にしたいと、相方に選んだのが和牛のすじを使ったしぐれ煮。こっくりと甘辛い牛肉の旨味を、ツーンと刺激的な山わさびの香りが爽やかに仕上げ、満腹でも箸が止まらない。
春菊の手ごねつくね
「春菊の手ごねつくね」440円。具の野菜が毎月替わる名物のつくねは、一度蒸してから炭火で香ばしく仕上げる。肉ダネは鶏胸肉、もも肉、軟骨、皮を混ぜており、粗めの食感がいい。添えられた自家製青唐辛子味噌も良いつまみになる。

19歳で居酒屋に目覚め、20代は焼肉店、焼鳥店、炉端焼き店とさまざまな店で腕を磨いた。「日本酒の師匠に、試飲するときは料理を思い浮かべて、口の中を食べている最中と同じ状態にもっていけ、と言われていました」と、独特な方法で舌を鍛えたエピソードもある。

店主の宮田大さん
「居酒屋が好きなんです」と話す店主の宮田大さん。手際よく厨房をさばきながら、お客との会話も盛り上げる、ホスピタリティーあふれる接客が気持ちよい。

宮田さんが長年温めてきた居酒屋イズムを詰め込んだ、夢の台所。今夜は何が味わえるだろうか。

店舗情報店舗情報

大どころ
  • 【住所】東京都世田谷区用賀4-9-20
  • 【電話番号】03-6432-7290
  • 【営業時間】17:00~22:00(L.O.)
  • 【定休日】不定休
  • 【アクセス】東急田園都市線「用賀駅」北口より4分
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A4変型判(160頁)
2026年2月5日発売/1,800円(税込)

文:井上麻子 撮影:三東サイ

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