山形県庄内地方の豊かな食材を使った、イタリアン「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフが今、注目するのが丁寧に手づくりされる「にごり酢」だ。にごり酢に含まれる“酢酸菌”には、免疫を上げるアプローチや花粉症症状を緩和する力が期待されているという。酢酸菌のスペシャリストであるキユーピーの奥山洋平さんに、毎日の生活に取り入れたい酢酸菌パワーについて詳しく話を聞いた。
世界各地のさまざまな調味料を研究し、料理のあらゆる可能性を追求している「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフが、今、最も注目するのが伝統製法で丁寧に手づくりされた「にごり酢」である。にごり酢とは、濾過した透明な一般的な酢とは異なり、発酵の過程でアルコールを酢に変える“酢酸菌”が濁り成分として豊富に含まれている酢のこと。旨味があり、まろやかな酸味のにごり酢は、料理の幅を広げ、ドリンクとしても手軽においしく楽しむことができるという。

「にごり酢は味の要素が多いため、料理にコクをもたらしますから、お寿司のすし酢や、オリーブオイルを使うイタリア料理にぴったり。旨味のあるまろやかな酸味が、素材のおいしさをぐっと引き立ててくれるんです」と奥田シェフ。料理の現場だけに限らず、日頃からドリンクとしても、にごり酢を愛飲しているそうだ。

「体が疲れているときに、にごり酢を水で薄めて飲むとシャキッとします。にごり酢に含まれる酢酸菌が体をすっきり清めてくれる気がするんです。イタリアンから和食へ、料理に対する気持ちを切り替えたいときにも飲みますね。酢酸菌が入っているにごり酢は、日本に昔からある“一物全体食”であるホールフードそのものです」
普段から有機的な食べものや、体の中で代謝を促すものを意識して摂るようにしている奥田シェフは、食事と一緒ににごり酢のドリンクを飲むことも。お薦めは、にごり酢とはちみつでつくるオリジナルのノンアルのモヒートだ。

最近は、あえて濾過せずに酢酸菌を残した、昔ながらの伝統製法でつくるにごり酢が入手できるようになった。りんご、柿、米など原料や製法によっても味わいに違いがあり、免疫を維持する効能があるのもにごり酢の大いなる魅力といえるだろう。
「にごり酢の原動力である酢酸菌は、実は増えづらい菌なんです」と言うのは、酢酸菌のスペシャリストであるキユーピーの奥山洋平さんだ。本来、菌は何か栄養を食べて増えていくのがセオリーだが、酢酸菌の場合はアルコールの中で耐えしのぐためにエネルギーを使い切ってしまい、増えにくいのだという。

マヨネーズを発売して100年以上のキユーピーは、その味を左右する重要な原料である酢について、長年、酢酸菌の研究を重ねてきた。
「酢酸菌の特徴の一つは免疫力に働くことです。特に酢酸菌の糖脂質成分が、人間の腸の免疫細胞に触れると免疫が活性化します。もう一つは代謝です。酢酸菌にアルコールを酢に分解する能力があり、その能力は他の菌よりも圧倒的に高い。人間は肝臓でお酒を酢に変えますが、酢酸菌を体に取り込むと、肝臓の代わりにアルコールを酢に分解する代謝の働きをしてくれると考えられるのです」と、奥山さん。
免疫を上げるアプローチと、肝臓の代わりにアルコールを代謝してくれるとは、酢酸菌の力に驚かされる。実際、免疫については酢酸菌が風邪や花粉症を発症しづらくなるというエビデンスもあるのだ。
また、お酒に関しても酢酸菌によって、呼気と血中アルコール濃度が3割程度低減する効果があるというから、お酒を愛する人にとって、こんなに頼もしい味方はない。おいしいお酒を飲んで肝負荷を軽減。程よく酔える手助けになるだろう。最後に、にごり酢などの酢酸菌を生活にどう取り入れるのが効果的か、奥山さんに聞いた。
「やはり野菜と一緒に酢酸菌を摂るのがお薦めです。野菜の食物繊維も腸に働きますから、一緒に免疫を上げる効果が期待できます。マヨネーズやドレッシング、サラダ、ヨーグルトなどいろいろな食材と一緒に毎日摂っていただくライフスタイルを提案したいですね」
人類にとって恩恵のある酢酸菌を日常に取り入れ、元気な生活を送りたい。
お問い合わせ/キユーピー株式会社
公式サイト文:REVE 撮影:大山裕平、皆木優子(人物・奥山さん)