ちょっとしたひと工夫で、お家の鍋が一流店の味わいに!「4000 Chinese Restaurant」の菰田欣也シェフが、簡単で手軽に試せる中華の技を披露します。体の芯から温まるプロの味を、この冬しか飲めない『冬の味の金麦』と一緒にいかが?
料理人歴30年余り。豊洲市場に足を運び、目利きした旬の食材で仕立てる四川料理の名店として知られる「4000 Chinese Restaurant」の菰田欣也シェフ。料理番組やイベントなど、多くのメディアでも活躍する菰田シェフだが、長年の経験とオリジナリティーが生かされたお家ごはんのアイデアは数知れない。
「お家ごはんはレシピ通りにつくろうとすると食材や調味料を揃えるのも大変ですが、何よりつくってみることが大事。それぞれのお宅で味の好みはさまざまなので、レシピはあくまで参考程度に。2回、3回とつくっていくうちに、自分のレシピになっていきますよ」(菰田シェフ)
肩の力を抜いて、無理なく、もっと自由に料理を楽しむ。そんなお家ごはんを提案する頼もしい名シェフがこの日に披露してくれたのは、自然とお酒も飲みたくなる冬にぴったりのオリジナルの鍋料理だ。
「冬は、やっぱり鍋料理です。出来たてを温かいまま食べられるし、追加で食材が投入できるので食べる人のペースにも合わせられます。これって贅沢なことですよね? しかも、野菜がたっぷり食べられる。これから白菜や、大根などの根菜が美味しくなる季節。寒くなるほどに甘味が増すので、鍋料理の具材には最適です」(菰田シェフ)
段取りよく下ごしらえを始め、慣れた手つきで素材を扱いながら調理をスタート。気軽なお家ごはんながら、そこにとっておきのコツを伝授するあたりもプロならではだ。
「鍋料理はあれダメ、これダメといった決まりがない。冷蔵庫にある、あり合わせの食材を使ってください。後は鍋で煮込めばいいので調理工程はいたって簡単です。ただ、野菜の煮込みすぎには注意を。そこそこの火の通し加減のほうが野菜の味がはっきりと立ち、食感もよく感じられますよ」(菰田シェフ)
ビギナーから上級者まで満足させるレシピの間口は広く、押さえるべきところはしっかりと押さえる。これぞ菰田シェフの真骨頂だ。
手際も鮮やかに、肉団子づくりのコツを教えてくれた菰田シェフ。
「豚挽き肉は調味料を加えたら、粘りが出るまでしっかりと練って味をなじませてください。それからオイスターソースが重要です。オイスターソースを加えると味の角が取れて、まろやかな味わいになります」
おいしさのベースとなるスープにも菰田流のアレンジが光る。
「顆粒のスープは簡易的なので、お店のような本格的な味わいを出すならバターをプラスするのがお薦め。風味が良く、コクが増します。寒さで体が冷えるので、おろし生姜もたっぷりと。あとは弱火でゆっくりと煮込んであげると肉団子から旨味が出て、さらに美味しくなります」(菰田シェフ)
サービス精神旺盛でファンも多い菰田シェフだが、家庭でももっぱら「もてなし役」だという。料理へのこだわりはもちろんのこと、食事に合わせる飲み物にも気配りを欠かさない。
「わが家ではピリ辛の料理をつくることが多いので、シュワッと喉ごしのいいお酒が好みですね。飲み物も食べ物も最初の一口が大事。最後まで印象に残るので、泡感だけでなく澄んだ後味が欲しいところ。なおさらお酒選びにはこだわりたいですね」(菰田シェフ)
冬のお家ごはんの定番・鍋料理とよく合うお酒を。そんな菰田シェフの思いを汲むように、『金麦』を携えながら訪れたのが、サントリービール『金麦』のブランドマネージャーを務める中村曜子さん。
「『金麦』は日々の食卓をちょっと幸せにする、というコンセプトを持った新ジャンルです。飲み飽きず、幅広い料理と合わせられるよう、つくり手である金麦醸造家と考えて、麦のうまみと澄んだ後味のバランスを追求しています」(中村さん)
さらに、今年の『金麦』は季節に合わせて味を変えているというから驚きだ。
「お客様の味覚や嗜好性は季節や気温によっても変化することが、これまでの研究で明らかにされてきました。『金麦』はご家庭の食卓で日々楽しんでいただきたいブランド。季節によって嗜好が変化するのであれば、いつもおいしく飲んでいただけるよう、『金麦』も季節に合わせて味をととのえて、日々の食事に寄り添うことが望ましいのではないかと考えました」と語る中村さん。
「レストランも同じです。お客様の嗜好や味覚は春夏秋冬で変化することを肌で感じます。お店の場合、シャンパンにしてもワインにしても年間を通じて同じ味。シーズンごとに味を変化させるお酒なんて凄いじゃないですか。季節限定というのにも惹かれます」と菰田シェフも『金麦』の味わいの追求に共感したようだ。
10月から店頭に並んでいる『冬の味の金麦』は、菰田シェフ考案のオリジナル鍋料理のおいしさをいっそう引き立ててくれると中村さん。「冬になるとご家庭では鍋料理の頻度が多くなりますし、私自身よくつくる身近な料理です。『冬の味の金麦』を開発する際、鍋料理と相性のいい味わいをつくりたいと考えていました」。
「『冬の味の金麦』は、より味わい豊かに仕上げています。冬の食卓をイメージすると、鍋料理のようにじっくりと時間をかけながらいただく料理が多くなり、味わい豊かな『金麦』は相性がいいだろうと想定しました。『金麦』としては、あくまで麦のうまみと澄んだ後味のバランスは大事にしながら、麦芽の味感と刺激感のバランスを何度も試行錯誤しながらととのえました」(中村さん)
開発背景を聞いた菰田シェフも「もともとの味は変えず、微調整しながら常においしさを追求されているんですね。季節によってお酒の味を変えるなんて、レストランはそこまで小回りは効きません(笑)。私も『金麦』のように引き出しを多くして、お客様にもっと喜んでもらいたいな」と語る。
菰田シェフの言葉に笑顔でうなずく中村さん。
「最近ではご家庭で過ごされる方も増えました。鍋を囲みながらのワイワイ賑やかな食事や、ひと息つくようなリラックスした食卓に『金麦』を選んでいただけたら幸せですね。『金麦』は常にお客様の食卓に寄り添う存在でありたいと考えています」
『冬の味の金麦』をより楽しめるよう、合わせ調味料で“味変”を提案してくれた菰田シェフ。ポイントは、爽やかな酸味の酢と辛味の豆板醤だ。
「程よい酸味と辛味のアクセントで食欲がさらにかき立てられます。味変するとおいしさに幅が出て、目先が変わるので、お酒もさらに進みますね」と中村さんも納得。
旬の素材が持つ甘味や食感を生かしながら、お店のこだわりを感じさせる鍋料理。季節ごとに味をととのえ、いつ飲んでもおいしいと満足させてくれる『金麦』。相乗効果によってお家ごはんの魅力が増すことは間違いないようだ。
豚挽き肉 | 250g |
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白菜 | 3枚 |
舞茸 | 1パック |
ほうれん草 | 1/2束 |
白ねぎ | 2本 |
油揚げ | 1枚 |
おろし生姜 | 大さじ2 |
A | |
・ 塩 | 小さじ1/4 |
・ 胡椒 | 少々 |
・ オイスターソース | 小さじ1 |
・ 卵 | 小1個 |
・ 片栗粉 | 大さじ1 |
B | |
・ 水 | 1L |
・ 酒 | 大さじ2 |
・ スープの素 | 小さじ1 |
・ 胡椒 | 少々 |
・ バター | 大さじ1 |
ボウルに豚挽き肉を入れて、Aのうち塩、胡椒、オイスターソース(トマトケチャップでも可)を加えてよく練る。色が均一になったら卵を加えさらに練り、最後に片栗粉を入れてさっと混ぜ合わせる。
野菜と油揚げはそれぞれ食べやすい大きさにカットする。
鍋にBを入れて沸かし、1を団子にして加え、弱火で5分煮る。
鍋に2を入れて、3の肉団子とスープを加え、強火にかけて3分ほど煮る。
豆板醤 | 大さじ1 |
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酢 | 大さじ2 |
砂糖 | 小さじ1 |
醤油 | 大さじ1 |
胡麻油 | 大さじ1 |
ボウルにすべての材料を入れ、混ぜ合わせる。
半分ほど食べたところに好みの量を加えて、味変する。
1968年、東京都品川区生まれ。高校卒業後、大阪あべの辻調理師専門学校に入学。授業で出会った陳建一氏の "マッシュルーム"の切り方に魅了され、88年に「赤坂 四川飯店」に入社。2001年セルリアンタワー東急ホテル「szechwan restaurant(スーツァン・レストラン) 陳 渋谷店」の料理長、08年7月には「szechwan restaurant 陳」「四川飯店」グループの総料理長に就任。現在は「4000 Chinese Restaurant」のオーナーを務める他、専門学校や料理教室の講師、イベントや料理番組等に出演し、幅広く活躍中。
※ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。
文:粂 真美子 写真:牧田 健太郎