4月7日の緊急事態宣言発出から1ヶ月以上が経過した。外出自粛、営業時間の短縮が続く中でテイクアウトや通信販売を始める飲食店や生産者も増えてきた。その一方、食業業界は依然として厳しい状況が続いている。事態が収束しつつある一方で、宣言解除後も継続的な支援を続けていきたいところだ。今回は、簡単に参加できる食の従事者を支援するためのネットサービスについて紹介する。
まず、さまざまな支援プロジェクトを掲載しているクラウドファンディングをチェックしてみたい。クラウドファンディングとは、事業者が販売予定の製品やサービスをネット上に掲載し、出資者を募る仕組みのこと。事業者は、そこで得た資金で製品・サービスを開発する。出資者は割引価格で製品を買えたり、サービスを受けたりすることができ、両者にメリットがある。
例えば、同サービスの代表的なものとして、「CAMPFIRE」のサイトを見てみよう。カテゴリから『フード・飲食店』で検索すると、個人の飲食店の予約や乳製品などの農産物支援、地域全体で使える食事券の購入など、多くの支援プロジェクトがある。自分とゆかりのある地域の応援から始めてみるのがいいかもしれない。
また、単純な資金集めから一歩進んで「アタラシイものや体験の応援購入サービス」を掲げる「Makuake」では、全国の信用金庫やビジネス版LINE「LINE WORKS」と連携してプロジェクト実行者を手厚く支援するネットワーク「つながろう!」プロジェクトを展開中。他にも店の味を自宅で楽しむプロジェクトや自社農場を持つ飲食店からの産直販売、医療事業者への食事提供など、幅広い支援プロジェクトが掲載されている。
もう一つチェックしておきたいのが、今回の自粛で窮地に立っている飲食店を積極的に支援するサービス「さきめし」だ。こちらは同サービスに登録している飲食店の食事のチケットを“先払い”し、お店に行けるようになったら購入済みのチケットを使って食事を楽しむという仕組み。
「後で食べに行くけど、こんな時だから先に代金払っちゃうね!」といった感覚で、“支援”と気負わずに、気軽に使ってみたいサービスだ。すでに多くの飲食店が登録しており、メニューを見るだけでも旨そうな料理がずらり。自粛明けが待ち遠しくなるはずだ。
下の画像は「さきめし」で「さきめしチケット」を購入できるお店のメニュー例。登録店舗は全国各地にまたがっており、地域性豊かな料理がそろっている。
本サイトからは、飲食店もアカウントを取れば簡単に登録できる。お店の側から見ても、看板メニューを多くの人に味わってもらうチャンスともいえる。5月25日からはサントリーホールディングス株式会社が飲食店支援に1億円の拠出をして、期間限定で手数料無償化、寄付施策、サイトリニューアルなどの取り組みを強化する予定だ。将来のお客の獲得に向けて、ぜひ自慢の料理を多くの人に味わってもらうきっかけにしてはどうだろう。