note主催の日本最大級の創作コンテスト「創作大賞2025」。応募総数は、驚きの約7万件!フード部門でdancyu賞に輝いたのは、ギリシャの食文化を伝えるエフジンさん。今回ご紹介するのは、受賞作品より、夏野菜を使ったギリシャ料理の超定番「ゲミスタ」。家庭で楽しめる一皿を、エフジンさんに教えていただきます。
ヤー サス!(ギリシャ語でこんにちは!)
さて、質問です。ユネスコ無形文化遺産「地中海式食事法」の代表格である、ギリシャ料理を味わったことはありますか。オリーブオイルをたっぷり使い、肉や魚、旬の野菜や豆などを取り入れた、健康的でバリエーション豊かな食事が特徴です。日本ではまだまだマイナーですが、世界的にはとっても人気の高い料理なんです。
今回は、料理教室「カリ オレクシ(ギリシャ語で召し上がれ!)」を主宰する私たち、タソスとみきが、愛するギリシャのママとパパから受け継いだ、夏のギリシャ家庭料理を3つご紹介します。

どれも教室で大人気なメニュー。「待ってました!」の声も上がったり。食材はすべて、手に入りやすいものを選んでいます。
ビールと共に大切な人たちと囲むギリシャの味。
ぜひ気軽に楽しんでくださいね。

第1回目は、トマトとパプリカの中にごはんをたっぷり詰めた、夏のギリシャ家庭料理の超定番「ゲミスタ」。
トマトやパプリカといった旬の夏野菜ならではの甘味や酸味が、ビールの苦味とピッタリ。赤や黄色のカラフルな焼き上がりに、野菜の香りも部屋中に漂って、大皿にドンッ!と乗せてナイフで切り分ければ、立派なおつまみになりますよ。
| トマト | 4個(大ぶりで硬めのもの) |
|---|---|
| パプリカ | 4個 |
| 赤玉ねぎ | 1個 |
| 小ねぎ | 4本 |
| 白米 | 2合(軽く研いで水気を切る) |
| パセリ | 2枝分(葉) |
| ミント | 10枚(葉) |
| トマト水煮 | 260g(角切りのもの) |
| トマトペースト | 大さじ2 |
| オリーブオイル | 大さじ6 |
| 砂糖 | 大さじ2 |
| 塩 | 小さじ2 |
| 胡椒 | 適量 |
| 松の実 | 20g |
トマトとパプリカは洗い、上から1cmほどの所で切る。上部分は捨てずにとっておく。トマトの中身はスプーンでくり抜き、取っておく。パプリカの種もとる。

トマトとパプリカを耐熱容器に上向きに並べ、半量の塩とオリーブオイル(分量外)を軽く上からかける。
フードプロセッサーで①でくり抜いたトマトの中身とトマトの水煮を撹拌し、ジュース状にする。
赤玉ねぎと小ねぎを粗みじんにし、パセリとミントは細かく刻む。鍋を中火で熱し、オリーブオイルを入れる。温まったら、赤玉ねぎと小ねぎを透き通るまで炒め、米と、好みで松の実を投入する。
④にトマトペーストを加え、軽く混ぜ合わせる。さらに③を加えてよく混ぜたら、残りの塩、胡椒と砂糖を加える。
火を弱めて10分程、煮詰める。水分がほぼなくなったら、火を止めてからパセリとミントを加えて、ひと混ぜする。

トマトとパプリカに⑥を入れ、蓋になる部分を被せる。火にかけると米が膨らむので、量は8分目程度がよい。米が余っていたら、耐熱容器の隙間に入れる。


170℃に予熱したオーブンで15分ほど、トマトとパプリカがやわらかくなるまで焼く。
オーブンを開け、トマトとパプリカがやわらかくなったのを確認したら、200℃に温度を上げて、軽く焦げ目を付ける。
オーブンから出し、粗熱をとったら皿に盛り付けて完成。


文:エフジン(みき) 写真:タクロヲ、エフジン