料理好きが待ちに待った新機能を携えて、「BALMUDA The Toaster Pro」が発表された。これまでのリベイク、オーブン調理機能に加え、料理の幅をぐっと広くする新たな加熱方式を採用。それが圧倒的熱量を誇る“サラマンダーモード”だ。今回は、火入れの名人として絶大な人気を誇るフレンチレストラン「マルディグラ」の和知徹シェフに、サラマンダーモードを効果的に使ったレシピを披露してもらった。
トースター界に革命をもたらし、多くのパン愛好家を虜にした「BALMUDA The Toaster」。パンのおいしさを引き出す優れた実力はそのままに、新たにサラマンダーモードが加わった。レストランやホテルの厨房でしか成しえなかった“プロの火入れ”が家庭でも実現可能という、料理好きにとってまさに夢の機能。もはや既存のトースターの枠を超えた新たな調理道具の誕生といっても過言ではない。
サラマンダーとは、高温の上火だけで食材の上面を一気に焼きつけ、美しい焼き色と香りを引き出す業務用の調理器具。主に料理の仕上げに使う。表面はパリッと香ばしく、中に火が入りすぎないため、食材のパサつきを抑えてジューシーな質感を保つメリットがある。
「ほとんどプロ向けでしかなかったサラマンダーが、家庭でも気軽に使えるのは画期的ですね。しかも、従来のトースター機能も兼ね備えているから、これ一台で何パターンもの火入れを組み合わせて調理ができる。これってすごいこと。家庭料理の幅が広がるのはもちろん、いつもの料理が格段にグレードアップしますよ!」と和知シェフも絶賛。
たとえば、グラタンやピッツァはクラシックモード(オーブン調理機能)で調理した後、サラマンダーモードに切り替えて焼き切ることで、チーズの香ばしさがグンとアップ。そのほか魚の皮目だけをパリッとさせたり、バタートーストにこんがり焼き色をつける“追い焼き”したり。さらにクレーム・ブリュレやタルトなどキャラメリゼを楽しむデザートはサラマンダーが本来の持ち味を発揮し、黄金色の焼き目をまとったプロの一皿に変身する。
「料理の仕上げに焼き色をつけたい場合、家庭ではバーナーを使うしかありませんでした。バーナーは焦がすだけで火は入らず、どうしても生っぽさが残りますし、ガスの臭いが食材に付着するのも気になります。その点、サラマンダーは中までサッと火を通し、美しい焼き色も得られるのが実にいい」(和知シェフ)。
今回教えてもらったレシピの1品目は、ベーコンの代わりに厚さ2cmのステーキ肉をサンドした和知流「B.B.L.T(BALMUDA Beef Lettuce Tomato)サンド」。肉のおいしさをぐっと引き出すには、部位選びがポイント。メイラード反応が起こりやすく、油煙の発生が少ない牛もも肉といった赤身肉を選ぼう。バットの底に敷いた玉ねぎのみじん切りが、滴り落ちる脂を吸収して旨味たっぷりのフィリングになり、さらに油はねも防止してくれる。
「肉はクラシックモードでミディアム・レアにローストした後、サラマンダーモードで仕上げますが、ここで2種類の火入れを同時に行います。一方の肉は表面をガリッと焼きつけ、もう一方の肉にはチーズをのせてダイレクトに熱が当たるのを防ぎながら、優しく旨味を閉じ込めます。躍動的な旨さと、しっとりした噛み応え。2つの魅力を一度に味わえるのは、サラマンダー調理ならでは」と、肉を知り尽くしたシェフらしいアイディアが光る。
さらに、パンはトースター機能を使ってリベイクし、焼きたてのような香りと食感を引き出しておくと、ステーキとのバランスがいい。「トースターの火力が安定しているので、任せておけば常においしく仕上がります。パンの味わいや厚みに合わせた温度やモードを設定できるのも便利」と、シェフは自宅でも「BALMUDA The Toaster」を愛用しているそう。
2品目の「季節のフルーツグラタン」はクラシックモードで庫内を温めた後、サラマンダーモードだけで完成させる手法がユニーク。フルーツは長く加熱すると水分が出てしまうので、短時間で焼き上げるサラマンダーが最適だ。高い火力でサバイヨンソースのアルコール分を飛ばし、香りだけを残せるのも利点。「フルーツがみずみずしさを失わず、ほんのり温められて甘味を増す。ソースとの馴染みもいいですね」と、絶妙な火入れ加減にシェフも太鼓判を押す。
スチームテクノロジーと細やかな温度制御によって、トーストに革新的なおいしさをもたらした「BALMUDA The Toaster」。あの感動をふたたび呼び覚ます、新たな新機能が「BALMUDA The Toaster Pro」のサラマンダーモードだ。圧倒的な熱エネルギーで料理のポテンシャルを最大限に引き出し、仕上がりを劇的にブラッシュアップ。家庭とプロの境界線を軽々と飛び越える驚きのテクノロジーをぜひ体験してほしい。
※BALMUDA The Toaster及びBALMUDA The Toaster Proの使用時につきましては、肉を含む食材は脂身、油分の少ないものを使用してください。肉の調理時は、下に野菜を敷くなど調理中に油が飛ばないように工夫してください。また、調理後は庫内が十分に冷えた状態で、薄めた食器用洗剤(中性)を柔らかい布などに染み込ませ、固くしぼって拭き、その後水拭きし、よく乾かしてお手入れをしてください。
牛赤身肉 | 130g×2枚(厚さ2cm。※レシピでは、うちもも肉を使用) |
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食パン | 4枚(6枚切り。※食パンは全粒粉やライ麦など茶色いタイプがおすすめ) |
スライスチーズ | 1枚 |
マヨネーズ | 小さじ1 |
マスタード | 小さじ1 |
プロヴァンスハーブミックス | 大さじ1/2 |
塩 | 2g(※肉の重量に対して0.8%) |
トマト | 1/2個(厚さ5mmにスライス) |
アボカド | 1/2個(厚さ5mmにスライス) |
レタス | 2枚 |
A | |
・ 玉ねぎ | 150g(みじん切り) |
・ にんにく | 1片(みじん切り) |
・ プロヴァンスハーブミックス | 大さじ1 |
・ オリーブオイル | 大さじ1 |
※用意するもの
・耐熱容器(約20cm×27cmのバットを使用。トースターに入ればOK)1個
・ワックスペーパー(30cm×50cmにカットしたもの・オーブンシートでもOK)2枚
ボウルにAの材料を入れてよく混ぜる。
牛肉を冷蔵庫から取り出し、両面に塩、プロヴァンスハーブミックスの順にすり込む。耐熱容器に1を平らに敷きつめ、2をのせる。
※肉は常温に戻すと火が入りすぎてしまうため、冷蔵庫から出したらそのままトースターに入れてロゼ色の焼き上がりに。
食パンをフランスパンモードで3分焼く。皿に取り出す。
クラシックモード(230℃)で3分焼く。その後、片方の肉にチーズをのせ、さらにサラマンダーモードで計6分間(3分を2回繰り返す)焼き目をつけていく。
リベイクした3の食パン2枚にマヨネーズを塗り、4の玉ねぎソースを半量ずつのせる(a)。残り2枚にマスタードをぬる(b)。
ワックスペーパーの中央にaを置き、肉を半分にカットしてのせる。具の野菜を順に重ね、bで挟む。ワックスペーパーを上部で重ね、両端をねじってキャンディ包みにする。これを2個つくる。
形を整え、ワックスペーパーを外さずにナイフで半分に切る。
季節のフルーツ | 合わせて250g(お好みでOK。生食ができる、やわらかいフルーツがおすすめ。) |
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A | |
・ 卵黄 | 2個 |
・ きび砂糖 | 40g |
・ グランマニエ | 30g |
・ 水 | 大さじ2 |
※この日の季節のフルーツはオレンジ1個、いちじく1個、シャインマスカット4粒、ブルーベリー6粒を使用。
※用意するもの
・ココット皿(直径13cm×高さ2cm)2枚
・フライパン、ふきん、湯(50~60℃)
オレンジは一口大にカットし、いちじくは12等分のくし切り、シャインマスカットは半分に切る。
フルーツをココット皿に半量ずつ盛り付ける。
ボウルにAの材料を入れ、泡立て器で全体を混ぜる。フライパンにふきんを敷いて湯をはり、ふきんの上にボウルをのせて、湯せんをしながらかき混ぜる。
この間にトースターをクラシックモード(230℃で3分)で予熱しておく。3の生地がもったりとしてきたらOK。フライパンからはずし、2に注ぎ入れる。
サラマンダーモードで3分焼く。庫内の様子を見ながら、お好みの焼き色がつくまでさらに3分ほど焼く。
今年21周年を迎える人気フレンチのオーナーシェフ。「マルディグラ(=謝肉祭の最終日)」の店名通り、肉好きが夜な夜な集う聖地でもある。シンプルで豪快な見た目ながら、繊細でデリケートな火入れ、遊び心あふれる肉料理は一皿ひと皿表情が豊かで飽きさせない。
文:鈴木美和 撮影:馬場敬子