「まるでお店の味!」と家飲みシーンを賑わす「こだわり酒場のレモンサワー」。缶を開けるだけ、レモンサワーの素を割るだけで、なぜ、本格的な味が楽しめるのだろうか。そこでわれわれはその秘密を探りに、大阪にある製造工場に潜入した。
開発担当者に聞くと「お店のうまいレモンサワーをいつでも楽しめるように」との思いで開発チームが結成されたのが2017年。開発に当たり最重要事項に据えたのはユーザーの生の声だという。スタッフ総出で全国各地の酒場を訪れ、レモンサワーを飲んでいるお客の声を集めた。訪れた酒場の数、200軒以上。そして、その声を参考に議論を重ねた結果、うまいレモンサワーの条件は次の3つに集約されたという。
●自然なレモンの風味
●レモンとお酒のなじみ
●お酒としてのうまみ
確かに、この言葉だけでもおいしそうな響きだ。しかし、われわれの探究心は満たせない。そこで、もう少し詳しく話を聞いてみた。まずは条件の一つである「自然なレモン感」について掘り下げてみよう。
レモンと聞くと、まず爽やかな酸味と香りがイメージされる。しかし、その表面的な価値だけでは自然なレモン感にはならない。果肉の複雑な味や果汁のフレッシュな風味、皮と身の間にある苦味。それらすべてが調和して、初めて「本来のレモン感」が生まれるのだ。
もちろん、それを酒の中で表現するのは、簡単なことではない。開発過程ではさまざまな方法に挑戦し、度重なる試行錯誤を繰り返したという。そして研究の結果、レモンをまるごと瞬間的に凍らせ粉砕して酒に漬け込む手法にたどり着いた。
ここは酒メーカーとして100年の歴史がある工場。サントリーの酒づくり100年の歴史。先人たちがこれまでに培ってきたノウハウの賜物です
そう胸を張る担当者の誇らしげな顔からも、仕上がりへの自信が伺える。
瞬間凍結粉砕と浸漬。この製法により果実まるごとのうまさが感じられる自然なレモン感が生まれたのだ。だが、これは、三つの条件の一つ目。レモンと酒のなじみと、何度も飲みたくなるうまさの追求は、さらに続いていく。次回、「レモンとお酒のなじみの良さ」をお楽しみに。
※画像は全てイメージです
ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転
文:鴫原夏樹