dancyu祭2027in京都
【瓢亭】鯛に胡麻豆腐に蕪のすり流し。老舗日本料理店の技が詰まった、新年ならではのなんとも特別なお雑煮

【瓢亭】鯛に胡麻豆腐に蕪のすり流し。老舗日本料理店の技が詰まった、新年ならではのなんとも特別なお雑煮

1月23日(土)・24日(日)開催! dancyu祭2027@京都へ行こう! 入場無料。

東京のdancyu祭にも2度出店いただいている創業400年の名店「瓢亭」が、本拠地・京都で初開催となるdancyu祭にも登場します! 料理は、華やかで具だくさんの「お雑煮」。焼き餅に、塩麹に漬けて焼いた鯛、胡麻豆腐や彩りの野菜を添え、鯛のだしと一番だしを重ねた蕪のすり流しを注いで仕上げている。初春の煮物椀として本店で供されている贅沢なお雑煮だ。

祭メニューは!

鯛雑煮 1,200円
鯛雑煮 1,200円
初春を祝う鯛雑煮を、特別に祭会場で提供。鯛は塩麹焼きにしてしっとりと仕上げ、胡麻豆腐は、胡麻油と豆乳を練り上げた新しいスタイル。お雑煮に合わせて仕込んだだしは、蕪をすりおろしたみぞれ仕立てに。料亭ならではの細やかな仕事が、一つ一つに施されている。寒さが厳しいこの季節ならではのご馳走だ。
じゃこえのき 1,300円
じゃこえのき 1,300円
淡路のちりめんじゃこをエノキダケと一緒に山椒を使って炊き合わせたもの。ご飯と共にも、酒のつまみにもぴったり。賞味期限は2週間ほどなので、ゆっくりと楽しめる。
白味噌入り厚焼き玉子 600円
白味噌入り厚焼き玉子 600円
季節の折詰や松花堂弁当などに入る、瓢亭の名物。季節によって具材は変わるが、今回は木耳・釜揚げしらす・百合根・三つ葉が入る予定。京都らしい白味噌を卵液に練りこんであり、まろやかで奥深い味わい。
明石鯛のあら炊き 2,700円
明石鯛のあら炊き 2,700円
瓢亭のお造りで出される明石鯛のあらを贅沢に使用したあら炊き。たっぷりの酒で炊き上げ程よい甘辛さに仕上げる。常時あるものではないので、出会えたら幸運という希少な人品だ。
うずら煎餅 1,500円
うずら煎餅 1,500円
うずらは昔から日本料理には欠かす事のできない貴重な素材。その身を細かくすりつぶし白味噌・赤味噌と共に炊いた「うずら味噌」をからませてひょうたん形に焼き上げた煎餅。噛むとほんのりとうずら味噌の香りが漂う。

守ることと、変えること。父子二代で繋ぐ「瓢亭」400年の味

南禅寺のほど近く、深い緑に包まれるように佇む京都屈指の老舗料亭「瓢亭」。創業から400年余り、その歴史は南禅寺の門番所を兼ねた腰掛け茶屋から始まった。参拝の人々がひと息つく場所から、天保8年(1837)には料理屋へ。以来、茶の湯を礎としたもてなしの心を、時代を超えて守り伝えてきた。

門をくぐると、細い露路が庭へと続き、その先に池を囲むように趣の異なる四つの棟が点在する。なかでも「くずや」は創業当時から残る茅葺きの建物。外から見ると素朴な庵だが、室内には細部にまで心を配った意匠が潜んでいる。床の間を眺め、軸や花を愛で、季節の気配を感じる。そのひとときもまた至福。日常から離れて、ゆったりと流れる時間と向き合える。

長い年月を経て代々受け継いできたものは、料理にもある。瓢亭玉子や夏の朝がゆは、瓢亭を訪れたなら一度は味わいたい名物だ。黄身がゆるく白身が固めの半熟に仕立てた瓢亭玉子は、お弁当や懐石の八寸の中で味わいと彩りを添える。また、朝がゆは、さらりと炊いた粥に季節の料理を添えたもので、冬は白がゆに代わって鶉がゆが登場する。長い歴史の中で守られてきた味は、流行とは一線を画す普遍の味。極めて質実の味なのだ。

しかし一方で、瓢亭は決して昔のままではない。その変化を担ってきたのが、十四代当主・高橋英一さん(2026年10月、生活文化の分野で初めて人間国宝・重要無形文化財保持者に認定)と、長男で十五代当主の高橋義弘さんだ。

英一さんは食材や味わいを見直し、お造りは魚を何種も盛り込むのではなく、明石の鯛を一年を通して主役に据えた。今では当たり前のように思える鯛の一点盛りを、手に入る限り続け、へぎ造りにする。また、日本料理の味の要となるだしも変えた。従来の鰹節ではなく鮪節に目を向け、すっと澄んだ味わいの中に素直な旨味を引き出す。椀物や煮物を支える瓢亭の味は、こうした地道な仕事の上に成り立っている。

英一さんの背中を見てきた義弘さんもまた、だしを料理の可能性を探る手がかりとしている。昆布や魚の節だけがだしではない。たとえば野菜だしは、余った野菜を干し、そこから旨味を引き出したもの。ほかにも貝や鶏肉など、献立に応じてだしの素材を変える試みも行っている。

だしを掘り下げることは、京料理の原点をたどることでもある。何から旨味を引き出し、どう料理に重ねるのか。昔からの仕事や古い知恵を振り返りながら、今の一皿に置き直してみる。義弘さんがだしを通して取り組んでいるのは、そんな見直しである。

また、鯛の造りの新しい食べ方として「トマト醤油」を考案した。トマトの旨味と酸味を生かした軽やかな味わいで鯛を引き立て、従来の土佐醤油とは違うすっきりとした後味をもたらす。

「野菜だしもトマト醤油も、現代の食べ手に合う味を追求した結果、生まれたものです。新しいものに背を向けはしないけれど、流行だからと飛びつくこともしない。試して、味わって、瓢亭の料理として残せるものだけを選ぶようにしています」
その繰り返しで、400年という時の流れの中に新しい一頁を加えてきた。

瓢亭を繰り返し訪れると、老舗という言葉の意味が少し違って見えてくる。瓢亭玉子や朝がゆのように、何代にもわたって変えないものがある一方で、だしや醤油といった料理の細部は、時代とともに変えている。

守ることと、変えること。その二つは、相反するものではないのだろう。変えてはいけないものを知っているから、変えることができる。400年余り続く瓢亭の強みは、そこにある。

京の冬を彩る料亭の椀「鯛雑煮」。特別なだしと蕪のみぞれで、体の芯から温まる

祭で3度目の登場となる「瓢亭」は、地元・京都での開催ということもあって、より瓢亭らしさが伝わる一品として「鯛雑煮」を用意する。京都の冬の椀物にふさわしい、美しくて贅沢な仕立てのお雑煮である。

京都の正月では白味噌雑煮が一般的だが、この鯛雑煮はすましをみぞれ仕立てにしている。椀種は、香ばしく焼いた餅、鯛、胡麻豆腐に、大根、人参、菊菜などの色鮮やかな野菜を合わせたもの。その一つ一つに、料亭ならではの工夫が凝らされている。鯛は、パサつきを防ぎ、冷めても硬くならないように切り身を塩麹に漬け込んでから焼き、しっとりと仕上げる。胡麻豆腐は胡麻ペーストを使わず、太白胡麻油と豆乳だけをしっかりと練り上げた、義弘さん考案のオリジナル。驚くほどなめらかで、フルフルの食感が特徴だ。

「従来の胡麻豆腐は美味しい一方で、胡麻の粒子がざらつくという側面がありました。そこで、より滑らかな口当たりを追求し、豆乳と胡麻油だけでつくるという独自の手法を試してみました。こんなふうに温かくした胡麻豆腐も、なかなか美味しいもんですよ」と義弘さん。

白味噌雑煮には丸餅を使うが、この雑煮はすまし仕立て。使うのは、新潟・長岡の業者から長年取り寄せている、きめ細かく口当たりなめらかな角餅で、香ばしく焼いている。

そして、この椀の味の要となるのが、だし。
「鯛の骨から取っただしと一番だしの2種類をブレンドした、この雑煮のために用意しただしです。以前は一番だしだけでつくっていましたが、このほうが味に深みが出て、より美味しいんです」
鯛のだしは、塩麹をまぶして焼いた鯛の骨と、野菜の皮やヘタを一緒に煮出したもの。野菜は冬場に多く出る蕪や大根の皮などを軽く乾燥させて使う。もう一方のだしは、店で普段から使っている利尻昆布と鮪節でとった一番だし。二つを合わせたところへたっぷりの蕪をおろし入れてみぞれ仕立てにし、葛でとろみをつけている。このだしをいただくだけで満足でき、体の芯までじんわり温まる。

さらに、家庭でも瓢亭の味を楽しめるように、祭会場では持ち帰り用の料理も販売される。冷めても美味しい工夫がされた「白味噌入りの厚焼き卵」、知る人ぞ知る人気メニューの「鯛のあらだき」、ご飯のお供の「じゃこえのき」などが並ぶ予定だ。なかでもあらだきは、お造りに使っている天然の明石鯛の頭を用いた一品。いずれも数に限りがあるため、出会えたらぜひ手に取ってもらいたい。

明石鯛
瓢亭で使う鯛は、一年を通して天然の明石鯛。塩麹に漬けて焼くことで上品な旨味を楽しめ、身もしっとり仕上がる。
胡麻豆腐
高橋さん考案の太白胡麻油と豆乳で作った胡麻豆腐。胡麻ペーストを使っていないので、通常の胡麻豆腐より重たくなく、滑らかな食感。
だし
汁はすりおろした蕪を合わせたみぞれ仕立て。葛でとろみをつけているので冷めにくく、だしの美味しさがより深く感じられる。
お雑煮
焼き餅、鯛、胡麻豆腐の椀種に、野菜と黄柚子で彩りと香りを添えた、料亭ならではのお雑煮。伝統の味に新しい調理法を取り入れ、だしは鯛のだしと一番だしを合わせ、奥行きのある味わいに。
店内
創業の頃に建てられた「くずや」は、四畳半と次の間の二畳からなる。谷崎潤一郎の『細雪』には、四姉妹がくずやで昼食をとり、平安神宮へ花見に行く様子が描かれている。
高橋義弘さん
高橋義弘さんプロフィール
1974年京都市生まれ。瓢亭十四代当主・高橋英一さんの長男として育ち、東京の大学を卒業後、石川県金沢の「つる幸」で3年間修業を積む。1999年に京都へ戻り、父のもとで瓢亭の料理人として経験を重ねる。2015年に代表取締役社長に就任し、十五代当主となる。日本料理アカデミーに所属し、食育活動や海外の料理人との交流にも力を注ぎながら、京料理の伝統を次代へ伝えている。2018年には東京ミッドタウン日比谷に「南禅寺 瓢亭 日比谷店」を開き、瓢亭の新しいかたちを示している。
外観
南禅寺の参道に面し、創業時の茶店の風情を留める瓢亭。玄関左手の入口から露路に入ると数寄の世界が広がり、くずや、探泉亭、新席、広間と呼ばれる四つの棟が点在する。

店舗情報店舗情報

瓢亭 本店
  • 【住所】京都市左京区南禅寺草川町35
  • 【電話番号】075‐771‐4116
  • 【営業時間】12:00〜13:00(L.O.)17:00〜19:00(L.O.)
  • 【定休日】水曜日、ほか不定休あり
  • 【アクセス】京都市営地下鉄「蹴上駅」より徒歩約6分

イベント情報

dancyu祭2027 in 京都

開催日時
2027年1月23日(土)・24日(日)10:00〜16:00
場所
みやこめっせ(第二展示場) 京都市左京区岡崎成勝寺町9‐1 GoogleMap
※混雑時は入場制限をさせていただくことがあります。
※天災や会場設備の不具合など、やむを得ない事情により、内容の変更や中止とさせていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。
イベント詳細
入場無料・予約不要。販売は電子決済(クレジットカード、QRコード決済、電子マネー)のみ。
※掲載の写真は、盛り付け例です。実際の提供形態とは異なる場合がございます。仕入れ状況などにより、当日の内容が変更になることもございます。

文:西村晶子 写真:内藤貞保

※文中の髙橋さんのお名前の漢字「高」は、正しくは“はしごだか”です。ブラウザ上で正しく表示されない可能性があるために「高」と表示しています。