「ラ・グラン・ダネ2015」と江戸前鮨の至高の出会い

シャンパーニュと江戸前鮨の競演

銀座にある「鮨かねさか」は、世界中からVIPが訪れる、ミシュランガイド二ツ星に輝く名店だ。緑あふれる「パレスホテル東京」内にある、ここパレスホテル東京店もまた、本店の味を気軽に楽しめる鮨店として多くのお客に愛されている。
江戸前鮨の技法を大切にしながら、新しく柔軟な発想で鮨を追求するのは、店主の菊地俊輔さん。国内外に店舗を多数展開し、『ミシュランガイド東京』2025年ではメンターシェフアワードも受賞した金坂真次氏のもとで研鑽を積み、日本のみならず海外でも活躍してきたグローバルな鮨職人である。

そんな菊地さんが食中酒として薦めるのが、ボランジェのヴィンテージ・シャンパーニュ「ラ・グラン・ダネ2015」だ。
「鮨は、ひとつひとつが季節や旬を表現する独立した料理です。ですから、一貫ごとにリセットできるアイテムがあると、より楽しめます。たとえば、ぬるくてまったりとした味わいの煎茶よりも、抹茶をブレンドした熱々のお茶のほうがいい。ガリをつまむのも、そうした理由から。同じように、食中酒もキレのよいものがお薦めです。そういう点においても、爽やかな泡ときれいな酸をもつボランジェさんのシャンパーニュ、ことに『ラ・グラン・ダネ2015』とは、とても相性がいいのです」

スペシャリテの“蒸し鮑”と

良質なぶどうが収穫できた年にのみ、ボランジェがリリースする「ラ・グラン・ダネ」は老舗シャンパーニュ・メゾンに脈々と受け継がれたクラフトマンシップの思いが込められたワイン。醸造は全て慣らしたオークの小樽を使い、伝統的な製法を用いることで、複雑なアロマとフィネスを兼ね備えたシャンパーニュに仕上げている。
なかでも2015年は、凝縮感と大らかな風味が満ちあふれた優美なシャンパーニュ。
今回は、通常、グラス提供はしていないプレミアムラインの「ラ・グラン・ダネ2015」を、By The Glassにてお得な値段で味わえるというのだから嬉しいではないか。

最初に菊地さんが優美な凝縮感で世界のワインラヴァーを魅了してきた「ラ・グラン・ダネ2015」に寄り添わせたのは、「鮨かねさか」のスペシャリテともいわれる“蒸し鮑”。鮑の肝を溶かしただしに浸して6時間蒸し上げ、それを一晩寝かせてから、温めて供される柔らかな蒸し鮑は、包丁を入れたとたん、えもいわれぬ香りがふわっと鼻孔をくすぐる。
それが、「『ラ・グラン・ダネ2015』の香りの立ち方と似ている」と、菊地さんは言う。複雑さと凝縮感を併せもつシャンパーニュと蒸し鮑の競演は、続く鮨への期待をさらに膨らませてくれる。

赤身のづけとの至高のマリアージュ

もうひとつ、そのマリアージュに唸ったのが、江戸前鮨の王道ともいうべき鮪の赤身のづけである。
「鮪のサクの表面をボイルし、半日から一日、醤油に漬けたものが江戸の昔からの“づけ”でしたが、それは輸送も冷蔵設備もお粗末だった時代のこと。現代のづけは、醤油にサッとくぐらせる程度にしています。チョコレートやキャラメリゼしたリンゴとも合うという『ラ・グラン・ダネ2015』のしたたかさは、鮪の赤身や醤油の旨味を引き立ててくれます。美しい泡が次のシーンへと誘導してくれるので、テンポよく食事を楽しんでいただけます」と、菊地さんも太鼓判を押す。

シャリとの見事なバランスのよさ

ワインの熟成期間と樽を使うボランジェの醸造テクニックがもたらす、ふくよかで芳醇な味わいのボランジェ「ラ・グラン・ダネ2015」は、幅広く料理をカバーするポテンシャルを秘めている。セパージュは、2015年産のピノ・ノワール60％、シャルドネ40％。ことにピノ・ノワールは、ヴェルズネイ、アイ、マルイユ・シュール・アイなどの銘醸地からの選りすぐり。そんな贅沢なシャンパーニュと共鳴するのが「鮨かねさか」の酢飯だ。
「うちの鮨酢は、天日干しした“力強い米”を用いて、十分に熟成させた赤酢を使い、一切砂糖を入れずにキリリとした味わいに仕上げます。だからシャリまでもが、『ラ・グラン・ダネ』の赤い果物を彷彿とさせる、きれいな酸と相性がいいのでしょう」

ホテルならではの洗練された空間で味わう、名店の江戸前鮨と「ラ・グラン・ダネ2015」の至高のマリアージュに酔いしれたい。

パレスホテル東京「鮨かねさか」
【住所】東京都千代田区丸の内1-1-1 パレスホテル東京 6階
【電話番号】03-3211-5323
【営業時間】11：30～14：00（13：30 L.O.）17：00～22：00（21：00 L.O.）※土日祝は11：00～22：00（21：00 L.O.）
【定休日】無休