アルコールを活かした大人の味わいが魅力の果物の砂糖煮「コンフィチュール」。今回はカルバドス(りんごのブランデー)を使ったりんごコンフィチュールをご紹介します。パンに塗ったり、ヨーグルトに混ぜたり、肉料理のソースとしてアレンジするのもお薦めです。
キャラメルをしっかり炊くことでタルト・タタンを思わせる香ばしい風味に。カルバドスの余韻が大人の味わい。
りんご | 正味1kg(ふじ(約6個)) |
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グラニュー糖 | 900g |
レモン汁 | 125g |
りんごの自家製ペクチン | 350g(コンフィチュールQ&A参照) |
カルバドス | 85ml |
りんご5個は、皮をむいて縦2等分にし、芯をスプーンでくりぬく。端から2mm厚さの薄切りにし、さらに2mm幅に切ってマッチ棒状にする。芯の部分やりんごの端はジュース用に使う。ジュース用のりんごは約450g必要。足りなければ、残りの1個を足す。
①のジュース用のりんごをミキサーでなめらかになるまで撹拌し、漉し器(目の細かいザルでも可)で漉す。レードルで押しながら、350gを目安に漉し、小鍋に入れる。レモン汁を加え、沸騰させる。
鍋を強火にかけ、グラニュー糖500gを少しずつ入れて溶かす。溶けたら加える、を5~6回繰り返す。全体を泡立て器で絶えず混ぜ、茶色に色づき煙が出始めたら、火を止める。②の果汁を鍋肌に沿わせるように少しずつ入れ、混ぜ合わせる。キャラメルは大変熱く、バチバチはねるので注意すること。
再び強火にかけ、残りのグラニュー糖400gを混ぜ合わせ、①のマッチ棒状のりんごを入れて、しんなりするまで煮る。中心がグツグツと沸騰し、細かい泡が立ったら、火を止める。ボウルに移し、完全に冷めたら空気に触れないようにラップを表面に密着させてかける。冷蔵庫に一晩置いてなじませる。
④を鍋に入れ、強火で約5分煮る。アクを取りながら、鍋底が焦げつかないように絶えずヘラで混ぜる。
沸騰したら、ペクチンを入れて、ヘラでよく混ぜ合わせる。強火で泡がブクブクと立った状態で約5分煮る。水っぽさがなく全体にとろみがつき、ヘラで鍋底をこすってザラッとした状態になればOK。
仕上げにカルバドスを入れて全体を混ぜ、ひと煮立ちさせたら火を止める。
15歳で池袋「ルノートル」を皮切りに日本、パリの名店を経て2003年に東京・自由が丘に「パリセヴェイユ」をオープン。昨年はフランス・ヴェルサイユに「オー・シャン・デュ・コック」を開き、多忙な日々を過す。
文:村山なおこ 写真:馬場敬子
※この記事の内容はdancyu2014年10月号に掲載したものです。