ポルトガルの家庭料理
海の幸を詰め込んだ芳醇な旨味が魅力の"魚介のご飯"

海の幸を詰め込んだ芳醇な旨味が魅力の"魚介のご飯"

海老をはじめ、たっぷりの魚介のだしでご飯を炊き込みます。さらに、香味野菜やトマトなどさまざまな旨味が重なり合った、海のような深みのある味わいです。日本人にも合う、シンプルで美味しいポルトガルの食文化に魅せられ、かの地に通って料理を教わった馬田草織さんに家庭料理のあれこれをご披露いただきました。

“魚介のご飯”のつくり方

鴨ご飯、たこご飯よりも水分が多く、しっとりしたリゾット状に仕上げたご飯。海老の頭と殻でとったスープに、あさりや白身魚といった魚介を詰め込んだ芳醇な旨味が特徴。

材料材料 (4人分)

米*1合
押し麦1合
有頭海老8尾
あさり200g(砂抜きしたもの)
白身魚1切れ(たらや鯛など)
玉ねぎ1個分(みじん切り)
にんにく2片分(みじん切り)
オリーブオイル大さじ2
ローリエ1枚
パプリカパウダー大さじ1
トマトペースト小さじ1
適量
胡椒適量
A
・ 水1.5L
・ 長ねぎ2本分(青い部分)
・ 玉ねぎ1個分(四つ割り)
・ にんじん1本分(乱切り)
・ セロリの葉ひとつかみ(またはパセリ)
・ ローリエ1枚
イタリアンパセリ適量(粗みじん切り)
一味唐辛子適宜(好みで)

*米は軽く洗って水をきっておく。

1下ごしらえ

海老は頭を取って殻をむき、背を開いて背ワタを取り除く。頭と殻はスープ用にとっておく。

2海老の頭を炒める

鍋にオリーブオイル大さじ1を入れて中火にかけ、1の海老の頭と殻を入れる。香ばしくなるまでしっかり炒めたらAを加えて強火にし、沸いたら弱火にしてアクを取り除きながら30分ほど煮てスープをとり、ザルでこす。

海老の頭を炒める
有頭海老の頭と殻、香味野菜で濃厚なスープをとり、ザルでこす。ここで使ったのは、大ぶりのアルゼンチン赤海老。

3玉ねぎを炒める

厚手の鍋にオリーブオイル大さじ1と玉ねぎを入れて弱めの中火にかける。蓋をして蒸し炒めにし、玉ねぎが透き通ったらにんにく、パプリカパウダー、トマトペーストを加え1の海老を加えてざっと炒める。

4米を加える

海老の色が変わったら米と押し麦を加えてさらに炒める。米がもったりと重たくなったら2のスープ500mlとローリエ、塩を加えてざっと混ぜ、あさり、白身魚をのせる。スープは多めにできるので、残りは味つけをしてそのままスープで楽しんでも。

米を加える
玉ねぎを炒め、トマトペーストにパプリカパウダー、海老などを加えてベースをつくったところへ、米を加える。
米を加える
米を炒める感触が、もったりと重たくなったところでスープを注ぐ。少し水分を多めに仕上げたいので、水分が少ないようなら適宜スープを足して。

5仕上げ

蓋をして強めの中火にかけ、3~4分加熱し、沸いたらごく弱火にして15分ほど煮る。途中、軽く混ぜながら、水分が足りないようなら適宜スープ(分量外)を足す。味をみて塩、胡椒でととのえ、仕上げにイタリアンパセリを散らし、好みで一味唐辛子をふる。

完成

教える人

馬田草織

馬田草織

東京生まれ。出版社勤務の後、ライター、編集者として活動しつつ、ポルトガル料理研究家として自宅で料理教室「ポルトガル食堂」を主宰。著書に『ようこそポルトガル食堂へ』『ムイト・ボン!ポルトガルを食べる旅』など。

四季dancyu「秋のレシピ」
四季dancyu「秋のレシピ」
A4変型判(120頁)
2021年9月13日発売/1100円(税込み)

文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。