食欲の秋に欠かせない肉料理
洋食屋さんの本格"ビーフシチュー"

洋食屋さんの本格"ビーフシチュー"

長時間煮込んだ牛肉はやわらかく、ソースは濃厚な味わい。つくった日はもちろん、次の日に温め直してもおいしいく、白いご飯にもよく合います。洋食をこよなく愛する坂田阿希子さんが繰り返しつくってきた、とっておきの肉料理をご紹介します。

“ビーフシチュー”のつくり方

牛肉の旨味と野菜のエキスが溶け合った、濃厚な味わいの本格派レシピ。
長時間煮込むとだしがよく出るすね肉を使うのがおすすめです。小麦粉をつけてフライパンで焼きつけてから煮込むのがポイント。この焼いた肉の香ばしさが、奥行きのある味をつくります。あとは煮込む時間がおいしくしてくれます。

材料材料 (4~5人分)

牛すね肉1kg(塊)
にんじん1/2本
玉ねぎ1/2個
セロリ1/2本
マッシュルーム10個(ブラウン)
プチオニオン10個
にんにく2片
フォン・ド・ボー400ml(缶詰)
1カップ
ブーケガルニ*11束
小麦粉適量
サラダ油大さじ1
バター30g
赤ワイン500ml
トマトピューレ1カップ
トマトケチャップ大さじ1
適量
胡椒適量
ブールマニエ*2適量

*1 ブーケガルニ……パセリの軸、セロリの葉つきの茎、ローリエを束にして紐で結ぶ。
*2 ブールマニエ……とろみをつけるために用いるもの。バターと小麦粉を同量ずつ用意。バターをやわらかくクリーム状にし、小麦粉を加えて練り混ぜる。ここでは各20g。

1焼きつける

牛肉は6~7cm角に切って塩、胡椒をしっかりめにつけ、小麦粉をまぶす。フライパンにサラダ油を熱して牛肉を入れ、強火で焼きつけておく。

焼きつける
牛肉は塩、胡椒をつけて小麦粉をまぶし、しっかりと焼きつける。フライパンに一度に入りきらない場合は何回かに分けて行なう。

2野菜の下ごしらえ

にんじん、玉ねぎ、セロリは1cm角に切る。にんにくはつぶす。

3煮詰める

鍋にバター10gを溶かして2を入れ、バターをからめるようにしてしっかりと炒め、1の牛肉と赤ワインを加え、半量くらいになるまで強火で煮詰める。

4煮込む

トマトピューレ、トマトケチャップ、フォン・ド・ボー、水、ブーケガルニを加え、蓋をして弱火で2時間~2時間30分煮込む。アクが出たらこまめに取り除く。ブーケガルニは途中1時間ほどしたら取り出す。

5ソースをこす

牛肉をいったん取り出し、ソースはザルでこし、鍋に戻す。牛肉も戻し入れる。

ソースをこす
ソースはお玉の背や木ベラなどを押しつけながらこし、野菜のエキスを出す。これでまろやかで濃厚なソースになる。

6マッシュルームを炒める

マッシュルームは石突きを取り、皮をむいたプチオニオンとともにバター20gを熱したフライパンで炒める。

マッシュルームを炒める
マッシュルームとプチオニオンをバターで炒め、焼き色がついたら鍋に加える。肉以外の具材はシンプルにこれだけ。

7仕上げ

6を5の鍋に加えて火にかけ、さらに20~30分煮る。塩、胡椒で味をととのえ、仕上げにブールマニエを加えて少しとろみをつける。

完成

教える人

坂田阿希子 料理研究家

坂田阿希子 料理研究家

フランス菓子店やフランス料理店で経験を重ね、独立。料理教室「studioSPOON」を主宰しつつ、昨秋、代官山に「洋食KUCHIBUE」をオープン。フランス料理やエスニック料理などジャンルを飛び越えておいしいものへの探究心が旺盛で、プロの手法と自らの経験を活かした生命力あふれる料理にファン多し。

文:松原京子 写真:木村 拓

この記事は四季dancyu「秋のキッチン」に掲載したものです。

四季dancyu 秋のキッチン
四季dancyu 秋のキッチン
家で料理をするのが、楽しみになる本

A4変型判(120頁)
ISBN:9784833479097
2020年09月11日発売/1,100円(税込)
松原 京子

松原 京子 (フードエディター&ライター)

食をメインとした雑誌や料理の書籍などで企画・編集・執筆を手がける。この業界に入って早うん十年、やれ試食だ試作だ、新しい店ができたんだって、この店の味は残さなきゃ、と外食を続けているうちに体重が増え続け、20代の頃の倍の重さに!(本当に倍の数字です)。一口じゃおいしさなんてわからない、全部食べてこそ真意がわかると思っている。家では真っ当な調味料と安全な食材でつくるシンプルな料理を心がける。