昆布はどこへ行く。
出汁がら昆布のパースペクティブ。

出汁がら昆布のパースペクティブ。

カレーにスパゲッティに肉丼だって、出汁がら昆布を使えば、昆布の力(しかも出汁がら)で、いつもよりちょっとおいしく、ボリュームもアップします。お正月に捨てないでとっておいた出汁がら昆布、みんなが集まったときのガッツリ昼メシに、大活躍しますよ。

サバと昆布とカレーとパン

サバ昆布カレーをごはんにかければ、10分でできる晩ごはん!サバ味噌煮と昆布のカレー味、これが不思議とひとつにまとまる。
サバ昆布カレーをごはんにかければ、10分でできる晩ごはん!サバ味噌煮と昆布のカレー味、これが不思議とひとつにまとまる。

年末年始のご馳走三昧に疲れたあなたに捧げます。
明日の昼ごはんに悩まなくて大丈夫。
鍋に材料を全部入れたら、火にかけるだけですから。
あっという間にサバ缶カレーのでき上がり。
サバ、昆布、カレー、合うわけがない組み合わせが見事にまとまります。

道東の漁協の婦人部のみなさんが、気軽に昆布を食べてもらおうと「カレーに昆布」を紹介しているのを見かけてそれアリ!と思いついたレシピです。昆布がカレー味に負けないということは大発見。カレーの具になった昆布がまるで野菜のような存在感に。料理教室で「急ぐときのお弁当メニュー」として紹介したら、生徒さんたちに大好評でした。サバ味噌煮缶を使っているから、これ、冷めてもおいしいんです。

サバ昆布カレーのホットサンド

材料 材料 (2人分)

サバ味噌煮(缶詰) 1缶
出汁がら昆布(食べやすい大きさに切る) 20g
カレー粉 小さじ2
米油、またはサラダ油 小さじ2
醤油 小さじ1
黒胡椒 少々
食パン(8枚切り) 4枚
サバ昆布カレーのホットサンド

1 サバ昆布カレーをつくる

食パン以外のすべての材料を鍋に入れる。開いた缶に水を入れて注ぎ中火にかけ、10分ほどソース状になるまで煮たら、サバ缶カレーのでき上がり! ここで昆布が硬ければ、水を足してさらに煮る。味をみて、甘いようだったらカレー粉を足して調整しよう。

サバ昆布カレーをつくる

2 ホットサンドにする

①の鍋から昆布を取り出し、食パンにのせて、その上にサバカレーを盛る。もう1枚食パンでかぶせて、ホットサンドメーカ―で焼く。そのままサンドイッチにしてもよし!

ホットサンドにする

トマトと昆布でダブルの旨味!

いつものスパゲッティに細かく刻んだ昆布がどっさり!その粒々感でボリュームもアップ!
いつものスパゲッティに細かく刻んだ昆布がどっさり!その粒々感でボリュームもアップ!

見た目はいつものミートソーススパゲッティ。
でも食べると 「ん?なに?」って、驚きの声があがります。
隠し味はウスターソースと粒マスタードを煮詰めて、ビネガーの酢で昆布を柔らかく仕上げたスパイシーな昆布佃煮。
トマトと昆布に含まれるグルタミン酸で、ダブルの旨味はパンチあり。
食べごたえ十分の肉々しいミートソースです。

ミートソースのルーツ、イタリアのエミリア=ロマーニャ州の本場で教わったつくり方に昆布をプラスしました。サルシッチャ(ソ-セージ)をつくるように挽き肉を練ってから仕上げると、がっつりした食べごたえに。ちょっと不思議な後を引く味わいなのは、スパイシーな昆布佃煮。サルシッチャに使うスパイスやハーブの代わりに、ソースや粒マスタードでスパイシーな風味を足して、味わいに奥行きを出すように仕上げています。この昆布佃煮、細切りにしてつくれば、そのままで酒のつまみにいけますよ。

出汁がら昆布スパイシーソースのミートソース

出汁がら昆布スパイシーソースのミートソース

材料 材料 (2人分)

出汁がら昆布(みじん切り) 40g
ウスターソース 大さじ1と1/2
粒入りマスタード 大さじ1
合い挽き肉 150g
A 粗塩 ふたつまみ
A にんにく(みじん切り) 1片分
A 黒胡椒 適宜
A エルブドプロヴァンス(乾燥ミックスハーブ) ふたつまみ
トマト水煮缶 1缶(400g)
オリーブオイル 大さじ1と1/2
スパゲッティ 230g

1 スパイシーな出汁がら昆布佃煮をつくる

フライパンに刻んだ出汁がら昆布とウスターソース、粒入りマスタード、水150mlを入れて中火にかけ、水分がなくなるまで煮詰めて、容器に取り出しておく。

出汁がら昆布ソースをつくる
出汁がら昆布ソースをつくる

2 挽き肉を塊のまま炒める

フライパンに挽き肉とAを入れ、粘りが出るまで練ってから水大さじ1/2を入れてさらに練る。空いたところにオリーブオイルを加えて中火にかけ、肉が焼けてきたら木べらで不均一にほぐす(塊があってもOK)。肉全体に完全に火が通ったら、①のスパイシーな出汁がら昆布佃煮を入れる。

挽き肉を塊のまま炒める

2 トマトと昆布の旨味を凝縮する

トマトの水煮と水50mlを加えて、中火で15分ほどソース状になるまで煮詰める。茹で上がったスパゲッティにソースをからめたら、皿に盛ってでき上がり。

トマトと昆布の旨味を凝縮する

冷蔵庫を開けてから考えてみる。

昆布は油で炒めてからトマトで煮るので柔らかく仕上がる。だからたっぷり使おう。

冷蔵庫に残った野菜に挽き肉と、あとは出汁がら昆布だけ。
特別な材料はなんにもなし。
野菜と昆布を食べやすく切るのが、おいしくつくるコツ。
昆布は、野菜となじむように、2cm角くらいに。
冷凍ストックした出汁がらを使う場合は、解凍して絞ってからハサミで切るとラクチン。
ああ、今日何食べる?っていう気分のときにぴったりです。
冷凍した昆布を使う場合は、解凍してしっかり水分を搾ってから使ってくださいね。

料理教室で紹介すると、リピートしてつくる人続出のレシピです。イベントで提供したときは、3時間で150食完売したことも。食べやすくてボリューム満点。子供からおじいちゃんまで、家族みんなが喜ぶと好評です。ほかにもブロッコリーや牛蒡など、冷蔵庫にあるもので。春はスナップエンドウや菜の花、夏はズッキーニや茄子など、季節の野菜を使ってください。なんでも合いますよ。

肉と野菜と昆布で丼

肉と野菜と昆布で丼

材料 材料 (2人分)

豚挽き肉 100g
粗塩 ひとつまみ
ピーマン 1個
れんこん 50g
ミニトマト 200g
出汁がら昆布(2㎝角に切る) 30g
米油、またはサラダ油 大さじ1
A 醤油 大さじ1
A 味噌 小さじ1
A 酒 小さじ1
A 一味唐辛子 適宜
ごはん 茶碗2杯分
一味唐辛子 好みで少々

1 最初は挽き肉をばらさない

ピーマンは細切りに、れんこんは粗みじん切りに、ミニトマトは半分に切る。フライパンに米油をひき、出汁がら昆布、れんこん、ピーマンを広げるようにのせたら、挽き肉をパックごと入れて、塩ひとつまみ。触らずにそのまま蓋をして中火にかける。1〜2分して肉の表面の色が変わったら、ここではじめてヘラで全体を崩しながら混ぜて、炒める。

最初は挽き肉をばらさない

2 トマトの水分を飛ばして凝縮させる

肉に火が通ったら、トマト、水100mlを加え、Aの調味料を入れて10分ほど煮て、水分を完全に飛ばす。好みで一味唐辛子で味を整えて、ごはんを盛った器にたっぷりのせたらでき上がり!

トマトの水分を飛ばして凝縮させる

教える人

松田真枝

松田 真枝

北海道生まれ、北海道在住。料理研究家。札幌で北海道の食材を使ったイタリア料理教室「クチナイト」を主宰。つくりやすいレシピが評判で、北海道の食の伝え手として、地元のメディアやイベントで活躍。2016年日本昆布協会昆布大使に任命されたことを機に、えりも町、羅臼町、根室市など北海道中の産地を巡り、さらに富山、大阪、沖縄など、北海道から昆布が運ばれた「昆布ロード」の中継地点を訪ねる。各地の食文化と結びついた昆布食の聞き書きを続けている。1月にはパリで開催中の「ジャポニスム2018」で、昆布出汁のプレゼンテーションを行う予定。

文:神吉佳奈子 写真:長野陽一

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神吉 佳奈子(編集者)

1969年、酒どころ広島で生まれる。出版社を渡り歩き、家庭菜園雑誌や食雑誌、料理本の編集に携わる。2018年5月まで、100人の高校生と名人をつなぐ「聞き書き甲子園」の事務局に所属。食と農の手仕事を伝えるべく、フィールドワークを続けている。