編集長・植野が2021年に“印象に残った10皿”
京都「高倉」の"豚ひれカツ"

京都「高倉」の"豚ひれカツ"

とても程のよい京都の良店で、季節の食材を用いた料理のあれこれに唸り、でも最後に食べたひれカツでさらに感動しました。

二皿目 京都「高倉」の“豚ひれカツ”

豚ひれカツ

二皿目は、京都「高倉」の“豚ひれカツ”です。ひっそりと佇む家族経営の料理店で、割烹の良質な料理と居酒屋の気軽さを兼ね備えたような店。過不足なく、とても加減のよい料理があれこれ揃っていてお値段も良心的なのも嬉しい限りです。

料理
料理

そこで胡麻豆腐、焼き茄子の豆鼓ソース、鯛の柳川風、アオリイカのずんだ和えなどたっぷり飲み食いして、お腹いっぱいになっていたのに、でも最後にどうしても食べたくなって頼んだ“豚ひれカツ”が、とても美味しかった!豚肉の旨味も、衣の食感も、かかっているソースまですべてが丁度よく調和して、軽やかな余韻が残りました。衣の香ばしさが失われてしまうので、最初からとんかつにソースがかかっているのは嫌なのですが、このとんかつだけは許せます。許せるどころか、ソースがかかっていて料理の味わいが完成する感じです。胃も心も大満足でした。

写真・文:植野広生