神楽坂「BOLT」のビストロ肉サンド
赤ワイン味の鴨を贅沢に使った"鴨ねぎサンド"

赤ワイン味の鴨を贅沢に使った"鴨ねぎサンド"

鴨とねぎ。和の世界では鉄板の出会いものを、パンと組み合わせて再構成したならば。蕎麦前に負けず劣らずの、なんとも粋なサンドイッチが完成!挟むだけ、重ねるだけでは終わらないガストロノミックな“肉サンド”秘蔵レシピ第9弾。東京・神楽坂にある大人気のビストロ「BOLT(ボルト)」のオーナーシェフの仲田高広さんが指南します。

“鴨ねぎサンド”のつくり方

蕎麦前でおなじみの“鴨ねぎ”に、フレンチの粋を吹き込むとこうなる!の見本形。赤ワイン、醤油、五香粉の漬け地でオリエンタル風味もほんのり。ジビエならではの野趣と、丁寧にバターソテーした長ねぎの甘味が口いっぱいに広がる。

パン違いの“味変”を楽しむ
フレンチでは鴨のテリーヌにピスタチオをよく使うため、今回はピスタチオ入りのカンパーニュを土台に。胡桃やオレンジピールなど、鴨肉と合いそうな素材を練り込んだパンで遊ぶのも面白い。

材料材料 (2人分)

鴨ロース200g
カンパーニュ1本(ピスタチオ入り/1.5cm厚さ)
A 漬け地
・ 醤油40ml
・ 赤ワイン45ml
・ 味醂45ml
・ 五香粉少々
★ 長ねぎのエチュベ※大さじ3
・ 長ねぎ1本(白い部分)
・ バター小さじ1/2(塩分不使用)
・ 塩少々
・ 粒マスタード小さじ1
バター10g

※素材のもつ水分を利用した“蒸し煮”の技法

1鴨肉の下準備

鴨は皮目に格子状の切り目を入れる。

2鴨肉を焼く

フライパンに皮目を下に入れ、強めの中火で焼く。途中で溶け出した脂は、キッチンペーパーでこまめに拭き取る。

3鴨肉を煮る

②の皮に焼き目がついたら裏に返し、Aの材料を合わせて入れる。火を強めてアルコールをとばし、スプーンで汁を回しかけながら、7~8分ほど煮る。皮の表面を押してみて弾力が出てきたらOK。

4ねかせて味をなじませる

③の粗熱を取ってから、漬け地とともにチャック付ポリ袋か保存容器に入れ、冷蔵庫で数時間~ひと晩ねかせる。

ねかせて味をなじませる
ひと晩ねかせると漬け地の味が均等になじみ、身が締まってカットもしやすくなる。菌の繁殖を防ぐために、氷水を当てるなどして完全に冷ましてから冷蔵を。

5長ねぎのエチュベをつくる

長ねぎは5mm幅の小口切りにして、バターを温めたフライパンに入れて塩をふり、中火で炒める。しんなりするまで炒まったらマスタードを加え、全体をからめて火を止める。

長ネギのエチュベをつくる
初めにバターを焦がさないよう、長ねぎ、塩とともに冷たいフライパンに入れ、火を通しながら甘味を引き出していく。
長ネギのエチュベをつくる
しんなりしたら粒マスタードをからめ、余熱で火を入れる。消毒したビンに詰めて1~2週間は冷蔵保存可。肉だけなく魚のソテーの付け合わせに、ブルーチーズとパンにのせてカナッペにと、アレンジがきいて重宝する。

6仕上げる

カンパーニュを上下2等分に切って軽くトーストし、切り口にバターを半量ずつ塗る。④の鴨を4~5mm厚さにスライスし、下半分のパンに並べ、⑤をのせて上半分のパンで挟む。鴨は好みの量をカットし、残った分は漬け地に戻して保存できる。冷蔵で2〜3日のうちに食べきること。

完成

教える人

「BOLT」オーナーシェフ仲田高広さん

「BOLT」オーナーシェフ仲田高広さん

1981年生まれ。東京都出身。調理師学校卒業後、東京・銀座にあるフレンチの名店「マルディグラ」や、「レスプリミタニ」(閉店)で修業。その後フランスでの修業を経てオーストラリアへ。メルボルンのレストランやビストロなどで計6年間経験を積む。帰国後、東京・赤坂の居酒屋「まるしげ夢葉家」で修業し、2017年、居酒屋的感覚で自由にフレンチが楽しめる店「BOLT」を東京・神楽坂に開店。9席のカウンターは、毎晩食いしん坊の大人たちで満席だ。

店内
カウンター9席。平均予算は7,000円~。料理メニューはアラカルトで、前菜、温菜、揚げ物、メインにカレーや麺の締め物と、常時20品前後がラインナップ。ドリンクは、世界各国のワインを始め、日本酒、焼酎、スピリッツとさまざまな酒が並ぶ。
外観
ほっこりと安心感のある木の扉が目印。

店舗情報店舗情報

BOLT
  • 【住所】東京都新宿区箪笥町27 神楽坂佐藤ビル 1F
  • 【電話番号】03‐5579‐8740
  • 【営業時間】17:00~24:00(閉店)
  • 【定休日】月曜、第2・4火曜
  • 【アクセス】都営地下鉄大江戸線「牛込神楽坂駅」より徒歩1分

文:堀越典子 撮影:海老原俊之

堀越 典子

堀越 典子 (ライター)

千葉県出身。武蔵野音楽大学卒業後、ピアノ講師→音楽系出版社→編集制作会社勤務を経て独立。気がつけば、もっぱら酒食部門担当のライターに。dancyuをはじめ雑誌、PR誌、WEB媒体に食・酒・旅まわりの取材記事を寄稿。大好物はスペイン。サンティアゴ巡礼路歩きが15年来のライフワーク。