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速水もこみちさんは、お弁当がお好き➁

速水もこみちさんは、お弁当がお好き➁

『お弁当バイブル』からロコモコ弁当を紹介します。ハンバーグは弁当の定番。それだけにワンパターンに陥りやすいおかずです。ハンバーグにつきまとうマンネリは、ソースの使い方次第で楽しくなると、速水もこみちさんは提案します。

レシピも盛り付けも自由に楽しむ速水流ロコモコ丼

速水もこみちさんが料理の楽しさを知ったのは、小学校時代だったという。子供の頃から日常的に料理をしていたからこそ、料理上手の今がある。

ロコモコとは、ごはんの上にハンバーグと目玉焼きをのせたカジュアルなハワイ料理。日本ではカフェメニューとしてもお馴染みだが、速水さんは目玉焼きでなくゆで卵を入れた。一体、なぜ?

目玉焼きのとろっとした黄身をハンバーグに絡めて食べるのはおいしいけれど、半熟に仕上げるのって難しくないですか?時間もかかるし、早く火を通そうと思ったら水を入れて蒸し焼きにしたりと、結構手間がかかる。だったら、ゆで卵でもいいじゃないかと。まとめてゆでられるし、つくり置きもできる。もし、それも面倒だったら、コンビニでも買うことだってできますから。

さらに、ハンバーグではデミグラスソースが基本だが、速水さんはあえてソースをかけずに仕上げている。これにも理由があった。

デミグラスソースをかけてしまうと、レシピを見た人はそれが正解だと思い込んで、デミグラスソースでしかつくらなくなってしまう。結果、いつも同じ味のハンバーグになって、マンネリが起きるわけです。今回のお弁当本ではジェノベーゼやサルサなどさまざまなソースとスパイス&ハーブソルトを紹介しています。その日の気分で好みのソースをハンバーグにかければ、それだけでバリエーションが出せるんですね。

一方、副菜にも速水さんのアイデアが光る。弁当箱に詰めたのは、豆とベーコンのトマト煮、かぼちゃのマッシュ、紫キャベツのコールスロー、アボカドシュリンプ、など。

肉があって、魚介があって、野菜や豆もあってと、これだけのおかずが入れば食べても楽しいはず。なにを入れるかを考えるとき、僕が意識しているのは素材の食感。プリプリの海老の横にはマッシュしたなめらかなカボチャがあり、その隣には千切りしたシャキシャキのコールスローがあって……と変化をつけることがおいしさにつながるんです。

ハンバーグと副菜をごはんに盛り込んだ洋風弁当

しっとりふくよかな基本形。
トマトソースで煮込むと味も見た目も鮮やか。

ハンバーグ

材料材料 (15個分)

合びき肉500g
玉ねぎ1個
サラダ油大さじ1/2
A パン粉40g
A 牛乳80ml
A 卵1個
A 塩少々
A 胡椒少々
A ナツメグ少々
A オリーブオイル大さじ1/2
★ 弁当に使うのは40g。それ以外は冷凍保存して、他の料理に活用もできる。

豆とベーコントマト煮

材料材料 (2人分)

ベーコン50g(塊)
にんにく小さじ1(みじん切り)
ひよこ豆80g(ゆでたもの)
玉ねぎ1/4個
マッシュルーム2個
オリーブオイル大さじ1/2
B バター大さじ1/2
B 塩少々
B 胡椒少々
B トマト水煮缶150g(カット)
B 白ワイン大さじ1
B コンソメ顆粒小さじ1/2

1 ハンバーグの種をつくる

玉ねぎはみじん切りにして、サラダ油を熱したフライパンでしんなりするまで炒めて、冷ます。ボウルに合びき肉を入れて練り、Aを混ぜ合わせる。

2 焼く

1を40g小判形に成形する。使わない分の種は冷凍保存する。フライパンにオリーブオイルを熱して両面こんがりと焼き、中まで火を通す。

3 切る

ベーコンは拍子切りにし、玉ねぎとマッシュルームは薄切りにする。

4 炒めて煮る

フライパンにオリーブオイルを軽く熱し、3とにんにく、ひよこ豆を炒める。 Aを入れて汁気がなくなるまで煮る。

甘くてまろやかなかぼちゃのマッシュ。
酸味が爽やかなマヨネーズ和え。
ぷりぷりの海老でご馳走感アップ。

かぼちゃのマッシュ

材料材料 (2人分)

かぼちゃ5個(3~4cm角)
紫玉ねぎ1/4個
水菜3本
A バター大さじ1/2
A 塩少々
A 胡椒少々
A 白だし小さじ1

紫キャベツのコールスロー

材料材料 (2人分)

紫キャベツ2枚
玉ねぎ1/4個
にんじん1/4本
B オリーブオイル大さじ1
B レモン汁大さじ1
B マヨネーズ大さじ2
B 塩少々
B 胡椒少々

アボカドシュリンプ

材料材料 (2人分)

アボカド1/2個
むき海老4尾
C レモン汁小さじ1
C マヨネーズ大さじ2
C 塩少々
C 胡椒少々
C パセリ少々(みじん切り)

1 かぼちゃのマッシュをつくる

かぼちゃはゆでてつぶす。紫玉ねぎは縦に薄切り、水菜は3cmの長さに切る。かぼちゃが熱いうちに、ボウルにAと一緒に入れて混ぜる。

2 紫キャベツのコールスローをつくる

紫キャベツは千切り、玉ねぎは縦に薄切り、にんじんは5cm長さの千切りにする。切った食材をBと一緒にボウルに入れて混ぜる。

3 アボカドシュリンプをつくる

アボカドは種を取って皮をむき、一口大に切る。むき海老は塩ゆでする。ボウルにCと一緒に入れて混ぜる。

教える人

速水もこみち

1984年8月10日生まれ。東京都出身。テレビドラマや映画など、俳優として活躍するほか、特技の料理を生かし2011年より日本テレビ「ZIP!」内のMOCO’Sキッチンに出演。

ハンバーグを半分に切って、ごはんを入れた円形の弁当箱に盛り込む。副菜を敷き詰めて、丼風にトッピングする。ゆで卵はお好みで、好きなだけ入れてもOK!
お弁当バイブル by 速水もこみち
337種類のメニューを紹介!
おかずバリエーションが増える、素敵な詰め方がわかる、彩り美しい傑作がつくれる……、速水流のアイデアが満載!

テレビなどで活躍する速水もこみちさんが「お弁当」クッキングを初公開!
おいしく楽しい「おかず」のつくり方、あざやかな彩りを演出する詰め方、お弁当のバリエーションを飛躍的に広げる画期的な方法も伝授します。しかも、すべてのメニューが、速水流のステキなワザで、素早く、カンタン、時短でクッキングできるので、忙しい朝にもピッタリ。子どもが喜ぶ、あの人が驚く、そして自分自身も大満足する……、そんな「お弁当」がつくれるようになります。しかも、広開本なので、見やすく開きやすい、本当に使える1冊です!!

B5判(160頁)
ISBN:9784833451369
2018年10月17日発売 / 1,512円(税込)

文:上島寿子 写真:赤石仁

上島 寿子

上島 寿子 (文筆家)

東京生まれで、銀座の泰明小学校出身。実家がビフテキ屋だったため、幼少期から食い意地は人一倍。洋酒メーカー、週刊誌の記者を経て、フリーに。dancyuをはじめ雑誌を中心に執筆しています。